Keyさん作「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」の感想になります。
「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」はKeyから2021年12月に発売された全年齢美少女ゲームです。
密かに楽しみにしていたタイトルでした!
安定のKeyですからね。期待しています!
※ネタバレ全開ですので、ご注意ください。
シナリオの感想
Chapter1「SKYOUT FOREVER」
るなきゅん可愛い。ボツマスコット言い淀むところすこ。
月面に設置されたサーバーとか8Gとか、かなり未来感がありますね。
さすがにわからないことだらけというか、わからないことしかないので先進めていきます。
ミャウのリアル姿が気になる。
Chapter2「GOOD FELLOWS」
月面太陽光発電計画すげぇ・・・w
この資料めっちゃ読み込みたいんですけど。めちゃくちゃ夢広がりますやん。
旅人「スキップ」 私「やめろ!」
そしてレースで再びるなきゅんとご対面。
彼女をナビゲーターAIとして迎え、コースを最適ルートで爆走、ミャウのアイテム攻撃を完璧に回避し、見事逆転勝利する。
面白かったです!
月面設備の処理能力やばたにえんって感じですが「世界中の企業が協力して開発したものだから最強!」と解釈しましたw
しかしリアルの通信環境のせいで理想のパフォーマンスを発揮できないって、なんか世知辛いね・・・w
というか一つ気になったんですけど、eスポーツとか謳ってる割に課金要素ありってどうなんですか。この二つって根本的に噛み合わないものだと思うんですが。
課金アイテム使えば有利になるって、「これはネトゲですか?」と突っ込みたい。
eスポーツとか言ってるのに、金で有利に立てる競技って一体何ですか?
みな同じ条件だから純粋に腕前が求められる。だからこそ白熱した試合やバトルが展開されるし、観戦してる側も選手たちの熱い攻防に目を離せなくなるわけで。
それを課金って……。マリオカートで言えば、ずっとキラー使って変身して爆走して勝つみたいな感じですか。……それは競技と言えるのか?
ライターが根本的にeスポ-ツというものを理解していないのか、はたまた。
これをわざと描いているとしても、その意図がまるでわからない。
VRのガチレースゲームで良かったと思います。どう考えても課金とかいう要素いらないでしょう……。
いつも金でモノを言わせるアイツを、無課金の俺が無双する。~今日もアイツの悔しそうな顔を見てスカッとしました~
小説家になろうの作品かな?
しかしこの世界、もうシンギュラリティが起こってるみたいなので、
るなきゅんはいわゆる「強いAI」ってことですよね。自我を持ち、人間よりも遥かに高い知能と処理能力を持つ存在。
そんな存在が月面の隔離サーバーに閉じ込められたままになるって、おかしい気がします。
シンギュラリティが起こった時点で人間はもうAIより弱いです。
人間が生み出した強いAIは自分より更に知能の高いAIを生み出し、そのAIは更に知能の高いAIを……といった感じで連鎖し、人間の出る幕はなくなると言われています。
なので、るなきゅんは人間が作ったセキュリティなんて簡単に突破できるはず。
なのでるなきゅんを監視している強いAIがいると仮定すれば納得できますが、そうだとすると簡単に入ってこれたビットの説明が出来なくなりますし……。
うーん、でもその辺り考えるには色々情報がまだ足りないですかね。
まあこの世界未だに人間主体というか、ヒトの居場所が奪われているような世界ではなさそう(レースゲーム楽しんでるし)なので、その辺り考えたところで野暮かもしれませんけども。
私も全然詳しくないので偉そうなことは言えないですが、どの程度の科学考証が行われた上で描かれた未来なのか。その辺りちょっと気になるところではあります。
Chapter3「VIRTUAL REALITY」
るなきゅんとデートするチャプターでした。
五感搭載センサーの技術がヤバすぎるんですけど・・・w ガヤくんもう天才科学者でしょw
リアルのクソ環境のせいで本来の力を発揮できない俺、月面サーバーにいるAIと天才の友人の力で無双する。~アイツの驚く顔が最高に気持ち良いので、飽きるまで続けたいと思います~
なろうかな?w
まあおふざけはさておき、面白いチャプターだったと思います。
るなきゅんが地球の景色とかに感動するのは、地球に住んでいる者としては少し考えさせられましたね。
青い空、海、夕陽、どれもほんとに綺麗です。こんな美しい光景が広がっているのに、それを当たり前と捉えてしまっていて。……地球は本当に奇跡の星だと思います。
仕事で忙しかったり、世の中に不満を抱いている人はたまに空を見上げてあげてください。少しだけでも前向きになれるかもしれません。
旅人はるなきゅんとの関りを経て、自分の日常が少し変わってきていることを感じています。
なんもかんもるなきゅんのおかげさまですよ。最初突き放したとき、「おい、なにしとん?」って私ちょっとキレましたからねw
月のように明るく笑ってくれるるなきゅんはめちゃくちゃ可愛い。
そして2ndOPが流れます。
ポップさや可愛さといった、るなきゅんの魅力が押し出されたOPって感じでしたね。Keyは本当センスあるなあ……。思わず見入ってしまいました。
Chapter4「JEALOUSY RABBIT」
鼻にキスはあかんて!
めっちゃ焦らしてきますね。Mの話も勿体付けられるし……じれったい!
まあでも面白かったです。序盤で嫉妬するるなきゅん可愛かった。
ビットもゲーミングナウの宣言はかっこよかったですね。
「二人でひとつのQ-BIT」のセリフは素晴らしいですね。
クライマックスの場面でもう一度言ってほしいセリフです。期待してます。
しかし、Qを作ったエンジニアの登場とか、太陽フレアの話とか、検閲されるセレーネとか、よくわからない廃墟?っぽい画像とか、
じわりじわりと情報が出されてきていますね。何かが起こるのはそう遠くなさそうな感じですが、はてさて。
まあ、ひとまずはワールドツアーで何が起こるのかを見届けないとですね。
どんどん行きましょう!
Chapter5「WORLD TOUR」
るなきゅん消滅の危機、かぁ。
うーん、やりたいことはわかるんですけど、ちょっとテンポが早すぎませんか……?
- 太陽フレアで試合中止
- るなきゅん調子悪いから欠場します
- るなきゅんメンテ終わったので来ました
- やっぱりるなきゅん調子悪かったです
- ルナーワールド直せないです。るなきゅん消滅します
この一連の流れが「これがSOFのスピード感……!」とでも言いたくなるような物凄い速度で展開されるので、正直ついていけません。
ビットは「るなきゅんがいないことに対しての寂しさや不安」を感じ、「るなきゅんがいないとダメだ」ということに気付く。
これ自体は良かったと思うんですよ。ただもう少し引っ張らないとダメだと思いました。
るなきゅんがいなくて苦戦を強いられるビットをしっかり描かないと、
るなきゅんが帰ってきたときの安堵感や頼もしさといったものがどうしても薄れてしまいます。
僭越ながら、もし私がここを描くなら、
《ビットが苦戦を強いられてミャウにやられそうになった瞬間、
るなきゅんが「そこ、右です!」みたいに突然声を掛ける形で帰ってくる。
ミャウの一撃を避けたビットは、
「やっぱり俺はこいつがいないとダメだ。こいつがいないレースなんて考えられない……!」
と悟り、るなきゅんと力を合わせて初戦を突破。
「やはり俺たちは最強だ」と、勝利を喜ぶ二人。
だがウィナーインタビューのときに突然、るなきゅんは倒れてしまう……》
と、これぐらいの展開速度が私としては理想だったと思います。
レース中に戻ってきてレース中にぶっ倒れて、あげく「試合放棄」の宣言はさすがに詰め込みすぎかと……。
総じて述べると「急に描写が雑になったな」という印象でした。間をしっかり描くってやっぱり大切です。
なんかダイジェスト見せられてるみたいでしたよ。もっと文章量増やしていただきたいです。
あとやっぱり単調すぎるような気もします。「太陽フレア発生→るなきゅん消滅の危機」はあまりに予定調和すぎて……。
仲良くなってきた相棒との別れを示されるのは「王道」ではありますが、
この作品の場合はその間の描写が短いですし、またビットとるなきゅんの関係性の変化をそこまで深く描いていないので、「テンプレ」と化してしまっているのは正直否めないです。
テンプレ感を少しでもなくすために、物語展開にもひねりがほしいですよね。「え、そうなる……?」と驚くような、意外性を感じさせてほしい。
描写が雑で展開も単調となると「つまらない」となってしまいます。
ワールドツアーで何かが起こるのを予感させていただけに、衝撃を感じて次のチャプターもノーストップで進めてしまうような、牽引力のあるストーリーを描いてほしかったチャプターでした。
Chapter6「NEW ROMANCER」
普通に良かった。
るなきゅんとのデートの場面は文句なしと言ったところでしょう。
フリーフォールではしゃぐところ、クレープを食べて嬉しそうなところ、一緒にゲームをして楽しそうなところ、キスをしてドキドキするところ……
どれも最高に可愛かったです。ただ残念ながらこれは全年齢のゲームなのだ。その先を見ることは叶わないのである。
……あーこれがエロゲだったらキスの後はs(セレーネによる検閲
キスしたときに何か見えましたけど、一瞬過ぎてよくわかりませんでした。
あれが何なのか気になるのはもちろんですけど、どうしてキスしたときにあの記憶?が流れ込んできたのかが疑問ではありますよね。
キスという行為に何か意味を持たせている……? うーん、よくわからないですね。
とりあえず進めていきます。
Chapter7「RE-CONNECT」
もう一度お姫様と繋がるソシャゲみたいなチャプタータイトルですけど、気にせずに行きましょう。
怒涛の展開すぎる……。
まさかるなきゅんが人間だったとは……これはマジで衝撃でした。「Virtualized Moonchild」ってそういう意味だったんですね……。
というか一人で希優を育てきった美優、母親としてめちゃくちゃ立派じゃないですか……。
月面基地に取り残されるって、どう足掻いても絶望ですよね……。
その絶望に押しつぶされることなく、自らの子を立派に育ててその後のこともしっかり考え、打てる手を全て打っている美優さん。
あなたは最高の母親です。……しかしなんで誰も助けにこないんですか。許せないですね。
しかしセレーネはこの事故のことを一切無かったことにしようとしてるんですよね。
脱出ポッドの画像が削除されたり、Qの発言が検閲されたりするのもそういうことですよね。
……いやマジで許せない。だから美優さんは記録を残したと。確かにこれは彼らの罪ですね……。
ただツッコむのは野暮かもしれないんですけど、一つだけ気になる箇所が。
ビットたちはうるふんに残された記録を再生してるわけですよね?
記録の中で美優が「希優にうるふんをあげたのは一歳の頃」って言ってましたけど、
それだと希優が一歳を迎えるまでの記録はどこに保存されていることになるのか、という矛盾が出てきませんか?
うーん、これどういうことなんですかね。
まあ私は頭が良くないので、簡単なことに気付いてないだけかもしれませんけども
いやそれはこういうことだよーって教えてくれる方は、後でこっそり私に教えてください(
さてどんどん進めていきます。
先が気になる! かなり面白くなってきましたね。
るなきゅん、待っていてくれ……!
Chapter8「UNDERGROUND」
ダークウェブを駆使して情報を集め、
月のセキュリティを突破する鍵を得たビットはいざ、月へと向かう……!
アノニマスがミャウで笑いましたw
最後の狼狽えとかモロすぎて。
というかミャウもセレーネのセキュリティ情報流してくれてありがとう。一緒にQを助けような。
中河長征は言わずもがな、希優のお父さんですよね。
みんなの意志が固まっていて、見ていて気持ちの良いチャプターでした。
さあ、いよいよクライマックスだ!
Chapter9「VIRTUALIZED MOONCHILD」
なんで希優は地球に来れないんですか……?
いや、途中ツッコミどころは色々ありましたけど、あのまま帰還で良かったのではないのか……?
ヴァーチャライズとかいうクソ難しそうな技術を息を吸うように利用して、
SOFの外なのに課金アイテムをポンポン使って、
生命維持装置を繋がれた死にかけてる希優の扱いめっちゃ雑で、
脱出ポッドも都合よく稼働して宇宙に飛び立てるのに、
地球の帰還軌道からはスッと外れちゃうって……なんで?
しかも地球の帰還軌道からの外れ方の描写があまりにも雑で、ちょっと笑っちゃうレベルなんですが。
希優に「なんか外れちゃいました(要約)」とか言われて、
「……は?」ってなったのは私だけではないと信じたい。
脱出ポッドの構成素材を事細かに語ってポッドの堅牢さを伝えたかと思えば、
軌道から外れちゃったとか、何が原因で外れたのかが不明なまま希優にバイバイと告げられるわけです。
頭に疑問が浮かびまくって、混乱状態に陥りました。いやマジで、突然メダパニ掛けられたかのような訳の分からない状態になりましたよ。
まあ途中もツッコミどころはたくさんあったんですけど、最後さえしっかり描いてくれればいいかなと思っていたので許容していました。
セレーネの中枢に風穴ブチ開けて、Qの元に駆けつけたところに太陽フレアでおじゃんになるとか。
そこはゲーミングカーを持つミャウの活躍する場面を持ってきたかったんだなと理解したので、まだ良かったんです。
ヴァーチャライズを使ってビットとQがレースをしながらリアルの希優を運ぶという流れも、このゲームならではといった感じで面白いと思いましたし。
まあ細かい部分はツッコむとキリがないので置いておくとして、問題はやっぱりラストなんですよ。
……この先どうするんですかこれ?
この私の混乱を全て解決してくれる展開が次のチャプターで繰り広げられるといいのですが……。
とりあえず、希優を地球に連れてきてほしいです。
これはおそらく全ユーザーが望んでいることだと思うので。
このままでは終われないですよ。
Finalchapter「LAST RUN」
こういう終わり方かぁ……。
なぜこういう形を取ったのか理解に苦しむんですが……。
なんで音声だけのQとレース走らないといけないんですか? 虚しいだけじゃないですか。
あのレースのシーンを見る私の目、死んでましたよ。茶番を見せられてる気しかしないんですよね、こんなの。
だって普通に考えて、そのまま「希優は地球に来れませんでした~」で終わるわけないじゃないですか。
どうせ地球に来るのがわかってるんだから、ササっと来てもらって、万全の状態でワールドツアーのレースやってほしかった。
これまで以上に生き生きと走るビットとQを見たかった。冒頭がレースで始まったのだから、最後もレースで綺麗に締めてほしかった。
冒頭のレースはビット一人、最後のレースはビットとQの二人となって綺麗な対比になる。
難しいことは考えなくても良くなった状態で、QーBITとミャウのガチンコ対決を見たかったんです。
結局、前のチャプターの「宇宙に消えていく希優」というラストが決定的に間違っていたと言わざるを得ないです。
あそこまで頑張ったんだからもう良かった。そのまま「希優救えてハッピー!」で全然満足でしたよ。
その後エキシビション的にレースを描いて、一緒に夕陽を眺めて、未来のことを語って、キスで締めると。
これで完璧じゃないですか? 私は絶対にこの方が良いと思います。
最後の最後でケチが付いてしまったという印象です。
まあもしあの展開を採用するとしてもですよ、
希優が宇宙の彼方に消えてしまったという絶望を打ち消すような、もっと強い希望を用意するべきではないのでしょうか?
らびっちゅに残されたルナーワールドのデータを元に地球を捉えるという解決は、全然上手くないですし。
「たまたま起動したらびっちゅのおかげで希優は戻って来れました!」って、「あ、そう」って感じで何も込み上げてくるものないですし。
まあそもそもあれだけビットたちが頑張ったんだから「希優が帰って来れない結末」は、やっぱりダメなんですよ。
ほんとにこれに尽きます。完全に白けちゃってました。
あそこでちゃんと帰ってくる。そして地球で一緒に過ごす楽しい日々と、QーBITの復活という最高の盛り上がりを見せる最後のレースをしっかりと描く。
そして最後に夕陽を眺めながらキスをする。これで完璧な締めになっていた。
……本当にあと一歩のところだったんですけどね。最後の最後でケチがついてしまい、残念でなりません。
主人公“狼代旅人”の感想
VRレースゲーム「Skyout」の強豪プレイヤー。ビットくん。
一匹狼のスタイルを貫き、Skyoutのトップを目指していたところ、謎の少女Qと出会う。
序盤はQとのコンビ継続を突っぱねたりして、鼻につくところもあるにはあるのですが、
後半はもうガラっと変わり「Qがいないと生きていけない!」といったレベルでQに依存しています。
ぶっちゃけQよりもビットの方が依存していたような気がしますw
後半はもう完全にQ大好きマンでしたからね。まあ意志を貫いていた分見てて心地よかったので、そこは美点かと思いました。
フラフラする主人公って見ててイライラするんですよね。
何度も諦めかけるけど、その度に脳内にQの声が聞こえて立ち直る。
中河に熱い想いをぶつけるところは、しっかり主人公していたと思います。
やや気取ったりしているところもありますが、好きな女のために頑張る男は応援したくなる。
ビット自身に対しては特に不満はないですね。
Qのために自分の生きてきた証であるアカウントと仮想通貨をあっさり捨てるところとか、かっこよかったです。
総評
孤高の一匹狼を貫く旅人と、月に住む謎の少女「LUNER-Q」との出会い、ボーイミーツガールを描いた本作。
美しい海上都市「カミコアイル」を舞台に、VRやアンドロイドといった科学的な要素を盛り込むことで、SFチックな近未来の世界を上手く表現していたと思います。
古代から存在する不変の魅力を持つ「月」と、科学的要素を上手く絡めたシナリオは一定の完成度を誇っていました。
「ヴァーチャライズ」という現実とヴァーチャルをリンクさせる技術で、38万kmという途方もない距離の障害を突破し、月に隔離された一人の少女を助け出すというストーリーは「面白くならないわけがない」と思わせる確かな魅力を秘めていました。
しかし、事はそう上手く運ばないというのが世の常でしょうか。
チャプター7から怒涛の展開で引き込み、最後の最後まで油断ならない展開……といった物語構成にしたかったと思われますが、残念ながらその方法を間違えてしまったと言わざるを得ません。
せっかく助け出した希優が宇宙の彼方に放り出されるという胸糞の悪いシーンを描いておきながら、
よくわからない理由で希優を地球に誘導してそのまま大団円を迎える。
私たちプレイヤーに与えたストレスを十分に払拭することが出来ないまま、ラストシーンを迎えてしまったという印象です。
上で散々述べたのでこれ以上不満は書きません。
ですが、一つだけ。
「もっと盛り上がる楽しい物語のラストシーンを描くことは、そう難しいことではなかった」
そう、私は思うのです。
- バーチャルチックで近未来的世界を彩る美麗なグラフィック
- SOFを盛り上げるスピード感のあるBGM、底抜けに明るいQを表現したポップなキャラクターテーマ
- そしてその裏側に秘められた、どうしようもない絶望への抗いを描くストーリー
どれもこれも魅力的で、プレイヤーを惹きつける要素に満ちた作品だったと思います。
ただ、それだけにやはり終盤の雑な展開が目に付いてしまう。
ウルフギア2にまたがるビットのように、ラストまで綺麗に駆け抜けてほしかったのですが……。
ハッピーエンドなのにどこかしこりの残る、モヤモヤしたまま終わってしまう本作の読後感はあまり良いものとは言えないでしょう。
「38万kmを繋ぐ物語は、私の心を繋ぐ物語にはなれなかった」
という評価で、この拙文を締めさせていただきます。
点数
シナリオ 13
(途中も色々気になる部分はありましたが、そこまで気にはならない。上で述べた一つの点が大きく足を引っ張っています)
キャラ 18
(ビット、Q、ガヤ、ミャウ。みんな魅力的で面白かったです。ガヤが凄まじい便利キャラになっている気もしますが……w)
音楽 20
(さすがのKeyといったところ。音楽は強いです。
「MOONCHILD」「SKYOUT FOREVER」「DAUNTLESS CHASER」など良曲ばかりです。曲は本当に最高です)
システム及び演出 16
(タイトル画面の変更がなかったり、EDが黒背景だったりで寂しい部分もありますが、凝っているところは凝っている。
異なるテイストのOP2曲、COZMOのログイン演出、Gaming Nowのロゴ表示、ミャウの車の猫のデザインなどは良くできていて、この辺りは非常に良かったと思います)
全体の完成度 14
(本編を彩るサブ的要素は非常に豪華ではありましたが、肝心の本編が足を引っ張っています。
eスポーツと課金アイテムのチグハグさなど、シナリオ展開の都合で用意されたような要素なども見受けられるため、厳しめの評価です)
合計81点です(100点満点中。各項目は20点満点)
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