【エロゲ感想】恋愛0キロメートル(ASa Project)

ASa Projectさん作「恋愛0キロメートル」の感想になります。

ASa Project(以下アサプロ)作品のプレイは本作が初めてになります。
アサプロ作品はギャグが面白いと評判なので、そこのところ非常に期待しております。

修正パッチ「ver1.01」適用済みです。

※ネタバレ全開ですのでご注意ください。

目次

シナリオの感想

共通パート

お互いの子供を交換するところまで進めました。
最序盤はなんというか「このゲーム大丈夫か・・・?」とちょっと不安になりましたが、途中から軌道に乗った感じがしましたね。
ギャグがかなり面白いです。
特に乃来亜との漫才は秀逸。有名な顔芸は一見の価値ありです。
中の人の演技も車の人なので安定していますし、見ていてとても面白い女の子ですね。

子供交換の場面は若干強引ですけど、これはまあ仕方ないですね。
誰が矢崎家に来るのかが気になっていましたが、咲耶が来るのはちょっと意外でした。

ひとまずプロローグというか導入は終わりですかね。
ここからの展開に期待です。

みんなでクリスマスパーティのところまで進めました。
ここで共通は終わりでしょうか。結構長めでしたね。
基本的にギャグ主体で進行しつつ、ときにはシリアスも交えて木ノ本家と矢崎家の日常が描かれます。
ギャグが秀逸なのでとても面白かったです。顔にモザイクかけるのは反則w

ギャグ以外の部分はとりとめのない家族の日常を描いている感じですが「こういう日常っていいなあ」と思わせてくれます。
仕事で疲れた身体が癒されますね。なんだかんだ平和が一番なのかもしれません・・・。

木ノ本華√

くっつくまでの過程と、華のぶっきらぼうな態度の理由が明かされる前半は面白かったです。
しかし後半は失速してしまったように感じました。
矢継ぎ早にHシーンを回収したのちに、お別れ会で即終了と、結構おざなりな感じだったのは残念なところ。

また基本的に話がブツ切りなので、気付いたらデートが終わってたりしていてかなり違和感がありました。
せめて家に帰ってくるところまでは描いてほしかったです。

ラストの辺りももう少し丁寧に描写してほしかったですね。
この面白くなりそうなところでいきなり終わる感じ、某aktkの護衛を思い出してしまいました(

余談
EDで見ていないCGが出てきたのにびっくり。
「なにこのCG!」って一人突っ込んでしまいましたよw 

木ノ本乃来亜√

なかなか面白かったですね。
鬼瓦さんが犯人というのはかなり意外性があって引きこまれました。
ホームビデオネタを最後まで引っ張るとは思いませんでしたがw
ラストは綺麗な締め方なので読後感が非常に良いです。

乃来亜の顔芸&下ネタも相変わらず面白かったです。
にしても駄菓子屋の婆さん、あなたの下品さはやばすぎる・・・w

Hシーンは最後のサンタコスHがなかなか良かったです。
エロいです(小並感)。私もサンタコス美少女に襲われたい

木ノ本マヨ√

付き合うまでの前半がかなり読み応えがありました。
偽ラブレターで妹たちを焚きつけようとするも、自らの京一に対する想いとの間に苦しみ、葛藤するマヨが上手く描けていたと思います。

3通目のラブレターからの待ち合わせのシーンはかなりワクワクしましたね。
「ここからどうなるんだろう」と先の展開に期待して夢中で読み進めてしまいました。
案の定というべきか身内同士で修羅場が繰り広げられますが、これがかなり生々しいです。
思わず息を呑んで事の成り行きを見守ってしまいました。
ともあれ自分の気持ちに嘘つくのはダメですねやっぱり。どんどん辛くなっていくのは火を見るよりも明らか。

このシーンではマヨにいきなりブチ切れられる咲耶と実咲が少し不憫に感じました。
咲耶の主張がぐうの音も出ないほどの正論なんですよね。
「騙されたあげく怒られるってわけがわからない!」っていうのが本当にね。ここは完全に同感でしたw

偽ラブレターの一連の場面において、独善的なマヨの行動が目立つものの不快には感じませんでした。
始めは妹たちのためを思って偽ラブレター作戦を開始したわけですしね。
自らの気持ちに気付いていなかっただけで悪気はなかったわけですから、マヨを完全批判する気にはなれないといいますか。

まあ上でも述べましたが、
「偽ラブレターに振り回されいきなりキレられたあげくに京一を掻っ攫われる咲耶と実咲」は相当不憫だとは思いますけどねw
これはマヨ√だからね、仕方ないね(

ともあれ、「恋愛は良いことばかりじゃなくてツラいこともある」ということが伝わってきた、
素晴らしいシーンだったと思います。

その後は次期生徒会長を華が務めるようになり、マヨの守ってきた学園をこれからも守り続けて行こう(要約)的な感じでマヨ√は終了です。

後半は前半に比べて引きこまれる展開はなかったものの、上手くまとまっていたんじゃないかなと思います。
華の演説は結構のめり込んで読んでしまいました。
しかしここは良いシーンなのでCGを用意してほしかったですね。アップの立ち絵だけで済ますのはちょっともったいないですよ。

そんな感じでマヨ√は終了です。
あ、EDラストのCGが変わってましたね。3人でケーキ作ってるやつです。
乃来亜と華のCGでも思いましたが、母への愛情が伝わってくる良いCGですね。素晴らしいです。

木ノ本咲耶√

相変わらずギャグが秀逸ですね。
なんかキレが増したような気がします。
ツボにハマったところは腹抱えて笑ってしまいました。乃来亜の扱い酷過ぎて笑えますw

シナリオの方もなかなかのものですね。
唐突に明かされた夕空の秘密から始まり、実咲へ贈るはずだった指輪が巻き起こす事件、そしてその顛末、と
先が気になる作りで夢中で読み進められました。非常に面白い!

夕空が女の子っていうのは驚きはしましたけど、何か秘密がありそうなのは薄々感じていたのでそこまでの衝撃はなかったです。
それにしても夕空くんすっげえ活躍します。ここまで前面に出てくるキャラだと思っていなかったので、そこのところは意外でしたね。
京一のためにあそこまでしてくれるのは感無量ですね・・・。ナイスアシストですほんとに。

EDがフェイントかけてきたのはかなり面白かったです。ほんと「夕空ルートかよこれ」って思いましたもんw

夕空の株が上がったのは良かったですが、咲耶の株は私の中ではかなり下がりました。
全体的に自己中心的な行動が目立つといいますか。ちょっと周りのこと考えてなさすぎじゃないですかね。

以下、咲耶に関する不満を述べます。
まず始めの「実咲に贈るはずの指輪を実咲に渡さずに自分ではめてるシーン」ですが、
これは全面的に咲耶が悪いと思います。
元々実咲へ贈るはずのものであったとか、実咲が京一に好意を抱いていることとか、
全部わかったうえでやっているわけですから、非常に性質が悪いです。

咲耶は「実咲がそこまで本気だったとは思わなかった」と言っていましたが、その主張はおかしいです。
なぜなら実咲は過去にメールで宣言しているからです。京一への想いが本気であることを。
妹の覚悟を忘れてしまったのか、はたまた頭の隅に追いやっていたのか。
真相は定かではありませんが、なんにせよ咲耶に非があるということは疑いようのない事実です。

そして二つ目です。
京一は「咲耶のことを諦められない」と言っているにも関わらず、それを意固地になって受け入れようとしないところですね。
京一に女性として意識されていないことを知った実咲はもう半分諦めているわけですが、
咲耶はそんな妹の気持ちを知りもせず京一と付き合うことを頑なに拒否します。

結局自分のエゴを通したいだけというか、実咲や京一のことを何も考えていませんよね。
指輪の一件の罪悪感から受け入れがたいという気持ちはわからなくはないです。
ですが、京一の気持ちが咲耶に傾いている以上、これはもう受け入れるべきだと思うんですよね。

そして三つ目。
指輪を川に捨てたと言いながら、実は隠し持っているところ。
個人的にここが一番腹が立つといいますか、「何考えてるんだ?」と本気で意味がわからなかったところですね。
京一がずっと探し続けるハメになることは自明の理ですし、
「指輪を探し当てたら向き合う」という約束のはずなのに、そもそもの前提をぶち壊しにきてますよね。
なんでこんなことしてるのか全く理解できません。
夕空も言っていましたけど、これは完全に「逃げ」ですよね。
向き合うことを放棄したといっても過言ではないでしょう。

もし夕空のサポートがなければどうしていたんでしょうね。
倒れた京一は救急車で病院に運ばれ、咲耶はベッドの傍で泣き腫らすのでしょうか。ちゃんちゃらおかしい話ですね。

この場面が一番納得ができないところで、咲耶の最も気に入らないところでした。
普通に川に投げてたら良かったんじゃないですかね・・・。

気を取り直して後半へ。
後半は完全にイチャイチャタイムでしたね。
ひたすらイチャイチャして終了って感じで。
最後のエッチ後の家族乱入は面白かったですw

前半付き合うまではとても面白かったですねー。
咲耶の行動には不満が多いですが、三角関係の行く末が丁寧に描かれていて良かったです。
そして最初から最後まで勢いの衰えないキレのあるギャグも秀逸の一言。
夕空の秘密が明かされるサプライズも用意されていて、非常に楽しめました!

さてそんな感じで咲耶√は概ね満足できましたが、実咲√はどんなシナリオなのでしょうか。
双子姉妹の修羅場はすでに繰り広げられましたが、はたして。
それではラスト、実咲√へ!

木ノ本実咲√

途中まで展開一緒かーい!
まあ罰ゲームのところまでなので、案外共通部分は短かったですけどw

付き合うまでは割と普通な感じで。
咲耶√のような修羅場は一切繰り広げられません。
まあ同じ展開だとアレなので、ここのところは差別化できてて良かったと思います。

数回エッチした後、京一が忘れてしまっていた実咲の過去が明らかに。
マラソン大会のタオル交換の話が出てきたときに若干察してしまったところはあったものの、
なかなか意外な真実が明らかになりますね。

とはいっても結構あっさり目な感じだった気はします。
「一番最後に攻略した方がいい」という事前情報を得ていたので、
期待しすぎていた節はあるかもしれません。
グランドルート的なものなのかな?と想像していたので。

ともあれ実咲はとても可愛かったので最高でしたし、
シナリオに関しても「秘められた実咲の過去」や「氷室屋の隠された想い」などが明かされる種明かし的な√だったかなと思います!

主人公“矢崎京一”の感想】

取り立てて挙げるほどの特徴はありませんねw
至って普通の主人公といった感じで。
よくいる鈍感系主人公ではありますね。あと、肝心な場面の記憶を喪失してる系主人公。
まあそれに対して変な言い訳したり開き直ったりせず、悪かったところは悪かったと認められる男なので、
あまりストレスを感じることはなかったですね。

ギャグにおいては木ノ本5姉妹のボケに対するツッコミ役の立ち位置。
なかなかキレのあるツッコミをしてくれるので、そこのところは見てて面白かったですw

総評

矢崎家と木ノ本家で交わされた家族交換をきっかけに、主人公と木ノ本五姉妹の恋愛模様が描かれる本作。
やや特殊なシチュエーションから始まる恋が本作の見所ですね。

そしてなんといっても外せない本作の魅力は、全編に渡って繰り広げられる秀逸なギャグですよね。
ムードメーカーである乃来亜はもちろんのこと、木ノ本家の人間は全員、スキあらばボケまくります。
それに合わせてツッコミを入れる主人公と、さらにボケを被せていく木ノ本姉妹のやり取りはめちゃくちゃ面白かったですねー。
母親である希桜さんもかなりボケまくるのでそこのところも必見です。

本作のギャグはレベルが高いと聞いていたのでかなりハードルが上がっていましたが、
それを軽々と飛び越えてくる出来だったのは正直予想外でした。芸人のコント見てるみたいでとても面白かったですw

シナリオに関してもなかなか読み応えのあるものだったと思います。
特に双子姉妹の√は結構力が入っているように感じました。
咲耶√では修羅場を正面から描き、実咲√では過去の真相を明らかにする。
それぞれ別の方向性で物語を展開し、似たり寄ったりにならないように工夫していたのは非常に高評価。

マヨと乃来亜の√もそれぞれ引きこまれる場面があって楽しめました。
唯一華の√だけは少しパンチに欠けるデキであったため、そこのところはやや残念でした。

全編におけるキレのあるギャグと、そこそこのシナリオを内包した良質なエロゲだと思います。
普段バカみたいなこと言い合っている家族でも、ときには本気で心配してくれたり、ときには一緒に涙を流してくれたりと、
「家族っていいな」と思わせてくれるような、確かな温かみを感じさせてくれる作品でもありました。
EDラストの2枚のCGは、そんな温かな家族の雰囲気を上手く描いた素晴らしいものでした!

点数

シナリオ 17
(なかなか読ませるシナリオでした。咲耶√、実咲√、マヨ√前半などはのめり込んでプレイできました)

キャラ 17
(可愛さは実咲、面白さは乃来亜。乃来亜の顔芸は一見の価値ありですw)

音楽 16
(OP「恋愛0キロメートル」が素晴らしかった。BGMはそこそこ)

システム及び演出 15
(システム面はちょっと物足りなかったかもしれません)

全体の完成度 18
(綺麗にまとまっています。特に大きな不満はないですね)

合計83点です(100点満点中。各項目は20点満点)

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