【エロゲ感想】WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION(Leaf)

Leafさん作「WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION」の感想になります。

「WHITE ALBUM2」は、2010~2011年にLeafから発売されたエロゲです。
「EXTENDED EDITION」は2018年に発売された完全版となっており、
様々な特典が一つにまとめられたお得なパッケージですね。

最新OSに対応していて価格も引き下げられているので、
今からプレイする方はこれ一択でしょう。

本作は三角関係の描写が絶賛されており、
その切なく重い展開には多くのプレイヤーが苦しみ、涙を流しました。

さあホワルバ2、いよいよやりますよ。
「辛い、苦しい、胃が痛くなる」という感想を頻繁に見かける本作ですが、
どんな物語なのか色んな意味で楽しみですw

※ネタバレ全開ですので、ご注意ください。

「WHITE ALBUM2」のネタバレ無しレビューはこちらのサイトに掲載しております。

目次

シナリオの感想

~introductory chapter~

このチャプターは高校編となっており、

・主人公の北原春希が、小木曽雪菜、冬馬かずさと一緒に、学園祭のバンド演奏を成功させるために色々頑張る前半 ・「春希・雪菜・かずさ」の三人の恋愛模様を中心に描く後半
といった2つのパートで構成されております。

前半に関しては春希たちの青春ライフと人間関係を細かくしっかりと描いていて、面白かったです。
軽音楽同好会解散の危機を立て直してバンド演奏を披露するまで様々なドラマがあり、非常に熱かったですね。

文化祭の準備で色々駆けずり回り、可愛い女の子を説得して仲間に迎え入れ、
ギリギリすぎるスケジュールの中で各々が全力を尽くし、ステージでその集大成を披露する。

もう言うことないぐらい満喫しちゃってます。
ほんと「THE・青春」って感じでした。

学園祭ライブに関してはもう最高でしたね。
かずさがキーボードすらすら弾いて、サックスも吹いて、ベースもかき鳴らすってさすがに万能すぎませんかと言いたくなりますがw
ラストの曲名を隠す意図が気になりましたが、これに関しては後述します。

後半は「春希・かずさ・雪菜」の三人の恋愛模様が描かれます。
この後半が序章の真骨頂というか、「三角関係の辛さ」がダイレクトに伝わってくるパートでした。
一人一人に焦点を当てて、述べていきたいと思います。

――まずは春希から。

春希は雪菜と付き合うことを選ぶも本当はかずさのことが好きであり、
その想いが抑えきれなくなって暴走してしまうのがいたたまれない。

自分の気持ちに嘘を吐いて雪菜と付き合ってしまった。
そんな彼の罪が大きいことは間違いないです。
厳しい言葉にはなりますが、自業自得と責められても仕方ないかなと思います。

彼は雪菜のことが真剣に好きではないので、彼女に対する異性としての想いは驚くほど淡白です。
彼の想いは常にかずさに向けられており、
雪菜に対しては「好きでいなければならない」など、自分に言い聞かせるようなものが多いです。

「雪菜が自分を好いてくれるから、俺も彼女だけを見ないといけない」
そんな葛藤を抱いて苦しんでいる春希でしたが、
当の雪菜は春希のことが本気で好きではなかった……というオチ。これはあまりにも悲しすぎました。

――続いてかずさ。

かずさはずっと春希のことが好きでしたが、彼が雪菜と付き合ったことから彼のことを諦めます。
春希のことを避けて彼を苛立たせ、
自分の前からいなくなるように仕向けていきます。……自分の気持ちに嘘を吐いて。

ですが、その対応は逆効果だったようで、
彼は突然目の前に現れ、「俺の前からいなくなるな」という自分勝手な言葉をぶつけてきます。

この発言で彼女のせき止めていた想いが決壊し、かずさは自らの本音をぶちまけてしまいます。
……このシーンはめちゃくちゃ印象に残りました。

かずさの想いは間違いなく真剣で、彼女の叫びが耳に入った瞬間、
思わず背筋を正してしまうぐらい悲痛で心に響く叫びでした。

ここで雪が降ってくるのもニクい演出なんですよね。
しかも挿入歌「After All~綴る想い~」を流してくるというトリプルパンチ。

視界がボヤけて、ディスプレイが滲んで見えました。
「テキスト・ボイス・BGM」の織りなすハーモニーが心身に襲い掛かり、魂を揺さぶってくる。
言葉が心に刻まれる。目を離せなくなる。見届けないといけない使命感に駆られる。

これがエロゲの醍醐味なんですよね。
また一つ素晴らしい体験をさせていただきました。

……少し熱くなってしまいました。話を戻しまして。
ここで春希は勢い余ってかずさにキスをするわけですが、案の定と言うべきか、かずさはすぐに跳ね除けます。
そこでのかずさの言葉がちょっと意外で、少しだけ笑ってしまいました。

そこでキスの上手さを責めるんだ……みたいなw
普通は「彼女持ちの男が他の女にキスするな!」じゃないんですか。

まあこれはかずさの独占欲の強さというか、
嫉妬深さの片鱗が垣間見えるところで、これが後のエッチシーンにも繋がるんですよね。

そして日本を発つ前日の夜。
春希を避け続けたかずさでしたが、ここで春希に電話を掛けます。
救急車の音から家のすぐ近くにいることを察知した春希はかずさを見つけ、二人は春希の家で愛し合ってしまいます……。

私はかずさに対しては、マイナスイメージを抱けませんでしたね。
彼女は元々春希に対して少なからず好意を抱いていたことが見て取れ、
忘れていた音楽の楽しさを思い出させてくれたのも、また春希であり。

そんな相手を真剣に好きになってしまうのは、至極当然かと思います。
ひねくれた言動で惑わしてきますが、彼女の心根は真っ直ぐです。

かずさは間違いなく春希のことが好きです。
私としては本当、この二人が付き合うべきだったと思っています。

――最後に雪菜。

この三人の関係性における一番の曲者というか、引っ掻き回してややこしくした張本人とも言える存在でしょう。
序盤から怪しい動きで春希を翻弄してきましたが、最後まで油断ならない存在でしたね。

まあ彼女からすれば「三人でいたかっただけ」なのかもしれませんけど、
それに対するこだわりがちょっと異常ですよね。

仲間外れにされることを極度に嫌がる彼女は、周りの迷惑も考えない自己中心的な言動が目立ちます。

自分が仲間外れにされることは嫌でそれを周りに押し付けるのに、自分は春希を奪ってかずさを仲間外れにする。
春希も傷つくし、かずさも傷つく。
それでも三人でいることの意味って一体何なんでしょう……。

私が彼女に対して一番許せなかったのは、春希に対して真剣じゃなかったことです。
春希のことが本気で好きだけど、三人の関係性も好きだから、なんとかこの関係も維持したい。

とかだったら、まだ許せたと思うんです。
それが現実的に可能かどうかはともかく、全員の想いが真剣な分それでフェアだと思うんですよ。

彼女だけ視点が違うんですよね。
春希が好きとかじゃなくて、あくまでも三人でいることにこだわっている。

これは極端な話、春希のポジションにいる男子は春希じゃなくてもいいわけですよ。
だって春希のことが本気で好きなわけじゃないから。

かずさは春希じゃないとダメな理由があるけど、雪菜にはそれがない。
ここが私の、かずさを擁護する大きな要因になっています。

ただ、最後の空港のシーンはちょっと可哀想でしたね……。
目の前の光景から逃れるように、俯く彼女の心情がこぼれていく。
冒頭のセリフ、プロローグ、学園祭最後の曲名をOP「届かない恋」で回収するという、なんともニクいラストシーン。
これは泣くなというほうが無理でしょう……。

彼女には悪意はなかったのかもしれません。ただみんなで仲良くしたかった。夢のような関係をいつまでも続けたかった。
けど、男と女の間には恋愛感情が芽生えてしまう。
それは周りの人間に対して、決定的な溝を作ってしまう。

春希と付き合うことで、三人の関係を維持しようとした。けど、結果として崩壊してしまった。
……なんとも悲しい結末でしたね。

~introductory chapter~ まとめ

青春溢れる学園生活を丁寧に、三人の恋愛模様を繊細に描ききった素晴らしい序章。
ここから先もまだまだ続くみたいなのでまだ評価を決めることはできませんが、それにしても素晴らしかった。

学園祭のライブステージで演奏という王道展開はもちろん面白かったですし、
三人の切ない恋愛模様も目が離せなく、
そんなに短いわけでもないのにあっという間に終わってしまったなという印象です。

前半は「ライブの成功」という大きな目標が掲げられていたのでストーリーに牽引力があり、
後半も「春希は実はかずさのことが好き」という情報が明かされているので、
彼らの恋愛の行く末が気になる作りになっています。

非常に面白かったです。止め時が見つかりませんでした。

ただ、これで終わりではないのがホワルバ2です。
春希と彼女たちの恋愛は舞台を大学に移して、まだまだ続くみたいです。

ぶっちゃけ「もう止めてくれ……」って気持ちがちょっと浮かんできました。
戦々恐々としてるので、先を見るのが怖いですw

でも見届けないとですね。
それでは次の大学編「~closing chapter~」へと参りましょう。

こういうのアガりますね。

~closing chapter~

大学生編となるclosing chapter(CC)は、
雪菜とよりを戻そうとして失敗してしまった春希が、
どのような選択を取るかで√が分岐します。

順に見ていきましょう。

千晶√

春希に付かず離れずで絶妙な距離感を保っていた、女友達の和泉千晶。
そんな彼女の秘密が明かされるシーンはかなり衝撃的で面白かったです。
まあ演技のために身体まで差し出すのは正直ありえないとは思いますけども……w

千晶に裏切られた春希がボロ泣きしてて辛かったです……。

後半の千晶の心情の変化はちょっと理解できなくて、
妊娠の切り札云々も大した展開がなかったので、それらは残念なところ。

最後の雪菜とのやり取りやCGが、心にくる√でしたね。

小春√

春希のバイト先のレストラン「グッディーズ」の新人ウェイトレスとなる杉浦小春。

中盤までのリアル感ある描写はかなり引き込まれて面白かったです。
友達の想い人を奪って女子の陰湿なイジメがスタートするとか、
本当にありそうでかなり生々しい……もう、どうしようもないですね。

小春の春希に対する想いや、後半の展開に関しては少し言いたいことありましたが、
最後の喫茶店のCGに全てを持っていかれた。あれは泣いちゃう……。
CGを2枚表示させて、笑顔と涙で対比させるのは反則。

ラストも綺麗に締めていたので、
途中が辛かったですが、読後感は良い√でした。

麻理√

春希のバイト先の出版社、「開桜社」に務める敏腕編集者の風岡麻理。

麻理の色々な顔が見られて楽しかったです。
部屋ぐちゃぐちゃの惨状はかなりびっくりしましたが、
まああれは怒っても無理ないですね……w

しかし、すれ違いの連鎖は少々雑な印象を受けました。
あれを悪い偶然で片づけるのは無理があるかなと。

ラストは予想外で面白かったですね。
まさかの春希も来ていたというオチw

あと雪菜との決着を付ける場面も良かったです。
武也のやるせない様子に胸が痛みましたが、これも一つの結末ですね……。

雪菜√

説明不要の春希の恋人、小木曽雪菜。

ここにきてようやく話が進んだ感がありますw

この√では春希が雪菜を理解しようと努力していたのが良かったですね。
自分に嘘を吐く雪菜を説得する春希の行動が頼もしい。

これまでのような自分本位ではなく、雪菜としっかり向き合っていたように思います。
ここにきて柳原朋がぐいぐい迫ってくるのも面白かったですね。
行動はちょい悪いところも目立つのでツッコミたいですけどw

歌を忘れた雪菜が春希のギターで歌を取り戻す過程は素直に熱く、
codaへの繋ぎも秀逸で、ほぼ言うことなしの√といったところでしょう。

~closing chapter~ まとめ

雪菜√が正史で、他の三人は寄り道といった感じですね。

個々のシナリオはしっかり練られていて良かったです。

小春√は途中の陰湿なイジメがかなり生々しくてリアル感ありましたし、
ラストのCGも涙腺を破壊してくるので、3人の中では一番完成度は高かったかなと思います。

千晶は千晶自体が曲者であり、
麻理さんの√は展開が少し無理やりな印象がありましたので、そこはややマイナスかなと。
けど話自体はちゃんと面白かったです。

ラストの雪菜√は止まっていた時が動き出す感じで、
目を離せなかったですね。

春希がギターを弾いて、歌を忘れた雪菜に歌を思い出させる展開は王道的で非常に熱い。
拒んでいた雪菜に押されず、雪菜にとって大事な歌を取り戻させようと頑張る春希はとてもかっこいい。
今まで一番主人公っぽい輝きを放っていたかもですね、春希くん。

そして最後、
“彼女”が登場するシーンからcodaOPへ繋がる流れが熱すぎる。
これは全人類ワクワクしますよ!

さあ、codaへ。

~coda~

ストラスブールで春希はかずさと再会し、
そして日本にやって来たかずさの取材をこなして、
それからかずさの密着取材をすることになって……という流れでしたね。

ようやく再登場のかずさ。大人びております。

ノーマルENDと浮気ENDでは雪菜とかずさが直接出会うことはなく、
春希がかずさへの気持ちでいっぱいになってズルズルと……いった感じの泥沼なシナリオでした。

まあ春希がクズですよね。
CC雪菜√であれだけ必死に雪菜に愛を語ってプロポーズ直前まできていたのに、
目の前にかずさが現れて行動を共にすることになると、もうブレにブレまくる。

特に浮気ENDでのブレ方は酷いもので見るに堪えないレベルでした。

かずさの大事なコンサートをすっぽかして雪菜とセックスし、
雪菜の誕生日パーティーをすっぽかしてかずさとセックスする。

……こうして書くとマジでクズムーブすぎて笑えてきますねw
安西先生も呆れてますよ。

かずさとずっと一緒にいたいという春希のわがままに、
かずさはしっかり現実を見据えて身を引く。
最後の手を離すところもかずさから離しますし、かずさの方が精神的に何倍も大人でした。

不俱戴天の敵になってしまったかずさと雪菜。
そんな二人とも別れてしまう春希の愚かさが見ていて辛い√でした。

coda二週目を開始すると、新たなシーンが追加されていました。

かずさがなぜ靴をほっぽり出してストラスブールの街を歩いていたのか。
その裏側が明かされる2周目はエモかったです。
春希が車に乗り込む瞬間を目撃するかずさのCGは結構印象に残りました。

こういう決定的瞬間を切り取ったようなCGはインパクトがあって良いですね。

そしてかずさ√へ。

途中までは展開が同じですが、この√ではかずさの母、冬馬曜子が白血病を患っていることが明らかになります。
そこから話の流れが変わる感じでしたね。

春希がかずさと共に生きていくことを決めてから、
雪菜や周辺の人間関係が崩壊していく様子がかなり辛かったです。

個人的には武也と話す場面と、
小木曽家両親と孝宏くんとの修羅場がめちゃめちゃ堪えました……。

「かずさを選ぶことで訪れる惨劇」、
これを受け止めないとかずさと一緒にはいられないという厳しい現実をこれでもかと描いてきており、
春希のみならずプレイヤーの心まで折りに来ているような凄まじい修羅場でしたね。

あれで辛くならない人間はいないと思うの……w

まあ最後は割と丸く収まった感じだったので、そこは良かったですが。
雪菜も倒れた後どうなったのか気がかりでしたけど、元気そうで安心しました。

あと冬馬曜子とかずさのやり取りは泣けました。
素直じゃない二人ではありますが、
お互いを想う気持ちは強く、親子の絆は本物でしたね。

あと冬馬曜子が安易に死んだりしなかったので、そこも良かったです。

それと、雪菜とかずさが隠れて会っていたシーンでは、
かずさは手を傷つけてピアニスト生命を絶とうとします。

これは結構緊張しました。
家の前でうずくまるかずさの手を春希が取るまでどうなったのかがわからないので、
めっちゃドキドキしました。いやー嫌な汗をかいたw

場面転換で肝心な場面を外して、読み手を緊張させる。
非常に上手い演出でしたね。

そして最後の雪菜√へ。
開桜社、ナイツレコード、冬馬曜子オフィスの三社を交えた、
アンサンブル増刊号に冬馬かずさのミニアルバムを付属させる企画が発足。

雪菜がかずさの元に直接訪れるという新展開がありますね。
案の定、空気は悪いんですけども、この二人が早めに会えたということに意味があるのでしょう。

そこから雪菜とかずさが打ち合わせを重ねるにつれて、
お互いの本音をぶちまけていくシーンは目が離せませんでしたね。

OPのCGはここで回収されます。

なんとか雪菜はかずさの意固地な思いを解きほぐすことに成功。
そこからアルバムのボーナストラックに自分たちの曲を入れるために奮闘します。

この流れは熱かったですね。
ギリギリすぎる期間で曲を仕上げる構図は、
あの学園祭ライブを想起させます。

ただ彼らはもう社会人なのに社会人失格のあり得ない行動をするので、
ここは現実感よりも盛り上がりを重視して書かれた印象です。

その場の空気を感じられるような現実感ある描写(駅のアナウンスを逐一入れるなど)がホワルバ2の魅力だと思っていますが、
ここはこれで良かったかなと。
リアリティを出すところとエンタメを重視するところの書き分けがしっかり出来ています。
この辺りは丸戸氏の筆力の高さを感じさせますね。

三人は色々あった末になんとかコンサートとアルバムの収録を成功させる。
かずさも日本に残ることを決め、
EDで春希と雪菜の結婚式の様子が描かれて終了します。

まさに大団円って感じですね。
かなり綺麗な締め方なので、読後感は非常に良いです。

武也と依緒がちゃんと結ばれていて良かった。
ただ、二人が結ばれる決定的なシーンが描かれなかったのは少しだけ残念。
できれば見たかったです。

ドロドロした感情や修羅場がこれでもかと描かれる「闇」はかずさ√が担当した形で、
雪菜√はみんなを前向きな気持ちにする「光」といった感じでした。

~coda~ まとめ

WHITE ALBUM2の決着を描く最終パート。
エンドは4つありますが、実質2つといったところでしょうか。

かずさENDはなかなか辛い描写が多かったです。

世界を股にかける天才ピアニストで住む世界が違う彼女、
「冬馬かずさを選ぶというのはこういうことだ」と言わんばかりの修羅場の連続、
日常の崩壊に心が挫けそうになりました。

中でも親友の武也を泣かせるシーンは本当に辛い。
男同士の友情に修復不可能な亀裂が入るのをまざまざと見せつけられるのは、
マジでキツかったです。

また、小木曽家との関係の崩壊も同じぐらい心にきます。
泣き晴らすお母さんと静かにブチ切れるお父さんと、
烈火のごとく怒りだす孝宏くんを見てるのは地獄でしかなかった。

春希はただ、かずさと一緒にいたかっただけなのにね……。
まあフラフラしてた春希が一番悪いのは、間違いないですが。

もう一方の雪菜ENDは大団円。
3人の間に残るしこりも最小限となる理想的なENDでしたね。

3人で再び演奏をするラストスパートはめちゃくちゃ熱く、
高校大学と重ねてきた日々が思い起こされるようなエモい展開でした。

途中の雪菜とかずさが向き合う過程も良かったですね。

本音をぶつけ合ってボコボコのキャットファイトを繰り広げる二人。
やっぱりこれが必要なんですよね。
お互い思うところがあるからこそ、一回徹底的にやり合わないといけない。
そこから逃げた結果、他の3√の結末になってしまったのかなとも思いますしね。

周りに人がいっぱいいる雪菜に対してかずさが、
「たった一人の肉親を失う気持ちがお前にわかるわけない」と言い放ちますが、
雪菜はそれに対して「周りに人がいれば嫌でも人と向き合わないといけない辛さ」を説きます。

周りに人がいてもいなくても、何かしらの苦労や面倒事などはある。
大事なのは自分で世界を作ることなど、
このときの雪菜の意見にはなかなか考えさせられましたね。

かずさ相手に正面から向き合う雪菜は強かったです。
学生の頃は割と自己中ムーブが目立っていた雪菜ですが、
そんな彼女の成長ぶりが最も感じられるのがこのシーンでしたね。

春希が雪菜にかずさを託して、
託された雪菜が全力でかずさを説得する。

一人で抱え込んで自滅していた二人が、
お互いしっかり頼ることでかずさを導いていく。
そんなかずさも頑なな心を開いて歩み寄っていく。

三人がより良い方向に少しずつ前進していく姿には感動しました。

「あ、みんなちゃんと成長出来てるんだ……」と思えたのが、
この雪菜√だったのかなと思います。

大団円を迎えられた雪菜√では、みんなが何かを譲歩しあい、
三角関係の落としどころを探っていくような、3人の人間的成長が見られた√でした。

その結果に辿り着いた彼らの未来があの楽しそうな披露宴なんだなーと思うと、
作中での5年間、3人の行く末を見守ってきた身としては感慨深いものがあり、
涙が零れるのを止められませんでしたね……。

「WHITE ALBUM2」の集大成と言える素晴らしい√でした。

おまけ

スタジオの前で、雪菜が5分間だけ春希に黒い気持ちをぶちまけるシーン。

雪菜

あと…あと何分!?

春希

3分…50秒

雪菜

細かいよっ! だから、だからあなたはぁぁっ!

笑った。

主人公“北原春希“の感想

基本的には真面目で堅実に生きていますが、
女関係は武也も真っ青になるほどの優柔不断具合であり、
肝心な場面でもとんでもないことをしでかすという危険人物です。

雪菜の誕生日パーティ何回逃げたんだろうって感じw
大事なところで決められない意気地の無さが目立ちますね。

バイトを詰め込みまくって、雪菜と向き合うことを避けるなどの弱さも目立つので、
お世辞にも出来た主人公とは言えない主人公でした。

CC雪菜√の春希が一番かっこよかった気がします。
メンヘラ気味で情緒不安定な雪菜の理解者になっていて、
ギターを弾いて歌を思い出させる姿は素直にかっこよかった。

……まあ、ストラスブールのかずさとの再会でまたブレますけどもw

けど、あんな可愛い女の子2人も傍にいたら仕方ないですよね。

親に色情狂と評されるほど、5年間同じ男を想い続ける天才ピアニスト女と、
春希が“大事な話”を切り出そうとしたときにどんな手を使ってでも逃げようとする家庭的メンヘラ女。

……あれ、こうやって書くとメインヒロイン2人ともなんかおかしい人物な気がしますが、
きっと気のせいですねw

てかふと思ったんですけど、
3人で一夫多妻制の異国に旅立つギャグっぽいENDとか見てみたかったかも。

まあ本作は真面目なシナリオでそこを売りにしているところもあると思うので、
そんなENDがあったらかなり浮くかもですが。

にしても、
もしそうなるとしても小木曽家はかなりゴタゴタしそうだなあ……w

総評

「WHITE ALBUM2」は主人公の北原春希と、
冬馬かずさ・小木曽雪菜を巡った三角関係のお話でした。

二人の間で思い悩む春希の心理描写は見事でしたし、
かずさや雪菜の生い立ちから考え方、家庭環境に至るまで、
徹底的に詰められた人間味のあるキャラクター描写は誠に素晴らしい。

また、駅のアナウンスや留守番電話の機械メッセージなども逐一流すことで、
まさに日常の中にいるかのような現実感を演出しています。

文化祭のときの浮かれた様子や職場でのゴタゴタといった空気感も上手く描かれており、
キャラクターがその世界にいるんだということがありありと感じとれました。

ドロドロとした三角関係をプレイヤーが嫌になるほど描いて辛さを味合わせ、
リアリティを出すところはとことん出して作品世界に取り込み、
盛り上がるシーンはエンタメを重視してしっかり楽しませる。

メリハリのある描写はお見事でした。
ライターである丸戸史明氏の筆力の高さが伺えますね。

音楽を扱う作品というだけあって楽曲も素晴らしいものが豊富に揃っており、
「届かない恋」や「After All~綴る想い~」などは曲のパワーが凄まじく、
流れるだけで惹きつけられるような確かな魅力を秘めていました。

その一方で、気になる点としては一部の演出が弱いところでしょうか。
学園祭ライブのシーンはCGも豊富で盛り上がりましたが、
それ以外のライブシーンは、
少ないCGをズームしたりスライドさせたりしてなんとかやりくりしているので非常に心許ないです。

また、部屋での会話シーンはやけに照明を映す演出が目立ちます。
部屋でしっとりした会話をするときは「とりあえず照明を映しとけ」感があるんですよね。

これほんとに多用されるので、
照明が映るディスプレイを見つめてひたすらテキストを読み込むことになります。

ちなみに外でもこれは同じで、外の場合は道路が映ります。
道路の側溝を眺めながらひたすら(略

ノベルゲームとして照明や道路を映すだけの演出は非常に寂しいので、
ここはもう少し何か頑張ってほしいところでした。

まあ気になる点はそんな些細な点ぐらいなので、総じて満足度は高いですね。

「胃が痛くなる、二度とやりたくない」などのコメントでかなりビビッてましたが、
事前のマインドセットのおかげで、そこまで大きなダメージを受けずに終われたかなーと思います。
……まあ、かずさ√はそれでも結構辛かったですけどねw

「WHITE ALBUM2」は、
三角関係を徹底的に描いた切ない恋愛を読みたい方や、
非日常的な要素がほぼ存在しない現実的なストーリーを楽しみたい方、
高校生から社会人までの長い物語にじっくり浸りたい方におすすめの作品です。

名作と評価されるのも納得の素晴らしい出来でした。

冬が訪れるたびに「WHITE ALBUMの季節が来た」と言って周回する猛者もいるので、
みなさんもぜひ、冬にプレイしてみてはいかがでしょうか。

点数

シナリオ 20
(よくぞここまで描き切ったなと。感嘆の域です)

キャラ 18
(キャラは徹底的に作り込まれていました。かずさが好きでしたね)

音楽 20
(「届かない恋」「After All~綴る想い~」がめちゃくちゃ強い。
他のBGMもピアノメインの切ない雰囲気が素晴らしく、ここは文句なしですね)

システム及び演出 16
(システム面は時代もあってか痒い所に手が届かない部分も。
演出は上で述べた通り、やや不満点があります)

全体の完成度 19
(極めて高いですね。システム面と演出がもう少し良かったら満点でした)

合計93点です(100点満点中。各項目は20点満点)

攻略順メモ

「WHITE ALBUM2」は推奨攻略順がありますが、
結構複雑なので以下にまとめてみました。

先人さんのアドバイスに従って作成したもので、
私もこの順番でプレイしましたが、かなり良かったです。
ほぼ最適解、と言えるんじゃないかなと。

ぜひ参考にしてくださいませ。
上から順番にプレイしていく感じです。

「WHITE ALBUM2」推奨攻略順

・序章一周目クリア
→雪が解け、そして雪が降るまで(一周目後必須級)
→彼の神様、あいつの救世主(二週目前、雪解け後が良い)
→祭りの前&祭りの後(CC前なら二週目前でも後でも可で、この二つは続けてやると良い)

・序章二週目クリア(追加イベントもあるので必須級に近い)
→twinkle snow(二週目後推奨)
→歌を忘れた偶像(二週目後CC前必須級)

・~closing chapter~ノーマルクリア
「千晶バッドエンド→高校編既読スキップ→サブヒロイン3人(千晶trueエンドが最初が望ましい)」

・序章三週目(必須ではない)

・祭りの日~舞台の下の物語~

・~closing chapter~雪菜攻略

・一泊二日の凱旋(これ以外の残った特典は全てオールクリア後でOK)

・最終章
「ノーマルエンド→??エンド→社会人編最初から既読スキップ→かずさTrueエンド→雪菜Trueエンド」

・残りのおまけ全部

商品リンク

WHITE ALBUM2

※ダウンロード版は特典が付いていないので、
パッケージ版「EXTENDED EDITION」の方がおすすめです。

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