『ディメンション凸ラバース!!』の感想になります。
『ディメンション凸ラバース!!』は2026年4月にCRYSTALiAから発売されたエロゲです。
主人公“崩月槐”が父の命を受けて学園に潜入し、一目惚れした女の子の“夜乃桜”の暗殺を狙うことになる物語。
※ネタバレ全開ですのでご注意ください。
——世界を、救ってほしいんだ。
シナリオの感想
共通√

主人公の学園入学、生徒会入り、桜に実力を認めさせる、主人公の兄との異界での戦闘。
構成としては上記のような感じですね。
率直に言って、かなり面白かったです。開幕の桜の戦闘シーンは演出に力が入っていて魅せられました。結構矢継ぎ早に展開してきた印象で息つく暇もなくといった感じ。
もうちょい日常描写があってもいいかなと思いまいたね。ストーリーの進行重視だったのでで、ちょっと胸やけする感じはあったというか。シナリオ自体は面白いのでそこは良かったですが。
後半の兄との戦闘シーンは華淡とソフィアがすごく頑張ってくれましたね。特にソフィアは記憶奪われて殴り蹴られでなかなかボコボコにされていましたので、可哀想……w
その分、その後の桜がボコしてくれてスッキリしました。

あんだけ陰湿な兄までしっかり助ける水仙がマジ天使。水仙めっちゃ良い子なんだよなぁ。このゲーム水仙可愛すぎるよ。
フラフラする主人公は個人的には好みではないですが、すぐに軸が定まるのもそれはそれでおかしいので、まあ今のところは問題ないかと。
「桜暗殺問題の行方、兄との決着、親父と教師のぶつかり、黒列車と謎の少女」など見所はたくさんありそう。この先が非常に楽しみです。
公式推奨攻略順は「華淡→水仙→ソフィア→桜」らしいので、最初は華淡√へ。
海漫 華淡√

黒列車の秘密が明かされ、システム・大獄との戦闘に勝利し、新たな世界に向けて二人で歩み始めるお話。
序盤の入れ替わりのシーンが面白すぎました。
というか入れ替わりを解消するために69する必要があるとかいうベタすぎるエロゲ展開、逆に安心感を覚えるほどでした。
シナリオはなかなかぶっ飛んでましたね。
大獄との戦闘から大獄が仲間になるまでの流れ、あまりにも濃すぎた。ぶっちゃけここで本編の大半の尺を割いていたような印象。
無限の時間を乗り越える流れはなかなか斬新で、ひとつの個別ルートでここまでやるシナリオはなかなかないと思った。いやー面白かったな。
その後の、槐・大獄と戦う桜がマジでかっこいい。この子は本当にブレないよね。ブレない人、私は大好きですよ。
槐の背後に浮かぶ大獄のあのCGも、めっちゃ好き。厨二心をよくわかっている絵面で最高でした。

船に乗る前に現れるソフィアも格好よかったですね。
彼女も放置されなくて良かったし、なにより槐と華淡を大切に想ってくれていたんだなというのが伝わってきて、胸にこみ上げてくるものがありましたよ。
生徒会の他のメンバーと袂を分かつことになったのは残念ですが、これもひとつの結末という感じで読後感は悪くなかったです。
エッチシーンはASMRと聞いていましたが、これは納得w ささやきとオノマトペ多いですね。これは公式からASMRのリリースが待たれる。ぜひバイノーラルで楽しませてほしい!
崩月 水仙√

水仙と恋人同士になって、清楓の秘密や崩月家の行く末を描いていくお話。
兄に対するクソデカ感情をこれでもかと感じられるような水仙の言動がとても良かったです。兄の写真を撮りまくっているのは某エロゲの妹を思い出して笑いましたが。
照れ隠しのときの「きもきも」って言ってくるアレがクセになりそう。好きです。

シナリオとしては清楓の掘り下げがしっかりあったのは良かったですね。共通で出てきた彼は色々と謎が多かったので、明かされて良かったです。
扉の怪獣をあそこで使うのは上手かったですね。セックスしないと出られない部屋で笑わせてきましたけど、まさか伏線だったとは思わなかったです。
親父が中途半端に放置されているのは残念ですが、これはまあ桜√やグランドでしょうか。
あと、相変わらず桜がめっちゃ良い子。良い子すぎて面倒みてあげると言ってくれた時、ちょっと涙出ました。
桧木との戦闘シーンもなかなか良かったですね。ソフィアが助けに来てくれるのは熱すぎた。
にしてもソフィアさん、共通のときも清楓にやられてましたし、崩月家の人間によくボコられてますね……w
追い詰められた方が輝く能力なので、そういう役回りになってしまっている感じがしますけれども。にしても、雷に打たれまくって死なずに耐えてるのすげぇよ……w
水仙√で気になった点は、水仙の戦闘シーンがなかったところですね。これは本当に残念。
あの刀を居合いに構えたCGがいつ出てくるのか楽しみにしてたのに、出てこなかったよ! 影の水仙との戦闘シーンもカットされましたし、ここはなんか勿体付けられた感覚でしたね。
あとは細かいところなんですけど、水仙の手の作画がちょっと気になりました。なんかちょっと角ばってるような感じというか、線やタッチが荒いような気がして、見ていて違和感がありました。もう少し違和感なく仕上げてほしかったなと思います。
水仙√はシナリオ的にはまだまだ伸び城があるというか、余力を残している印象。展開の派手さもあまりなく、そういう意味では華淡√の方が面白かったかもしれません。
テーマである「人生の幸福」を描いたことは理解できるのですが、全体的に盛り上がりに欠けていて、物語的な面白さは華淡√と比べて少し劣るような印象でした。
本作の世界観や設定を見ているとまだまだこんなもんじゃないと思っていますが、まあグランドルートで爆発的に盛り上げてくれると期待しています。
ソフィア・ランカスター√

覚悟の決まったソフィアと一緒に羽鳥ミオの秘密に迫り、3人の友情を守るお話。
前半の日常とイチャイチャしまくる甘々展開はとても良かったです。
ソフィアさん、可愛すぎましたね。キッズと遊ぶ子供っぽいところも愛嬌があって良かった。あと、ソフィアの私服めっちゃ可愛い。今のところ一番好きかもしれません。
前半のハイライトは、槐がソフィアの前から逃げようとするシーン。
ソフィアは槐が崩月の人間であることを忘れていたように見せかけて、実は覚えていたわけですね。それを打ち明けない槐にソフィアが怒り出すの、かなり熱かった。
「悩みがあるんだろ? 言えよ、おらぁ!!」と、女性のソフィアがこれでもかと漢気を見せてきて、超格好良かったです。

主人公がヒロインに詰め寄られる展開、好きなんですよねぇ。女の子の強い想いを正面から思いっきりぶつけられたい。男だったら、そんな願望あると思うんですよ。
ソフィア√のテーマと思われる「友情」を強く感じられる、良きシーンだったと思います。
後半は羽鳥ミオの秘密と救済を描いていました。
これ自体は良いとは思うんですけど、ソフィア√でやらないといけないことだったのかなぁとはちょっと思いました。
ミオの抱える事情を明かしてくれるのは良しとしても、そのせいでソフィアを掘り下げる尺が減ってしまっているのがいただけない。
ランカスター4姉妹の本音とか、蒸発した父親はどうなったのかとか、ランカスター家は色々と描ける要素があった気がします。
まあソフィアは人間的に1本芯が通っていて成長の余地があまりない感じがしたので、他の人物を掘り下げる形にしたのかもしれませんけども。
ミオの墓守一族のエピソードに関しては結構湿っぽくて、あんまり好みではなかったのも個人的には痛かった。父と母のミオへの愛とか、そういうのをしっかり感じられたのは良かったんですけど……やっぱりソフィアのエピソードがもっと見たかったな。
後半は個人的には微妙でしたが、前半パートがかなり好みだったので、シナリオ評価はAとしています。
エッチシーンもとても良かった。寝転がってフェラしてくれるのめっちゃ刺さりましてぇ……すごく興奮しました(変態)
夜乃桜√

桜と恋仲になって、父の崩月桧木の歩みを止めるお話。
まあなんというか、普通に良かったと思います。
藍の心臓や橙の心臓に関しては他の√で大体わかっていて特に追加の情報はなかったですが、桧木の掘り下げがあって良かったです。
彼の壮絶な歩みを止めてあげるまでの流れがなかなか熱く、最後の殴り合いなどはもはやお約束という感じで、求められているものを描けていたんじゃないかなと。
ただ、桧木の潰れた目の怪我の肩代わりはされないんだとか、桜のウィドウメーカーフェイズ2はさすがに避けろよとか、色々細かいところはツッコミたいですが……w
マシュー・ル・ブランに華淡とソフィを殺されて、「うわ、この二人死ぬのか……。桜√はシビアな内容だなー」と思っていたところに、普通に生きていたオチとかもね。
まあヒロインは殺さない方が丸いですが、それだったらあんなショッキングなやられCGを出さないでほしいなと思ったり。
あと、この√に限らずですけど、「それはそう」の多用がかなり目立ちますね。このセリフ本当に多いので、気になって物語への没入を阻害されてしまったほど。安易にその言葉で片付けずに、その状況におけるそのキャラ独自のリアクションをちゃんと描いてほしいと何度も思いました。
ライターさんの手癖かもしれないですが、同じセリフは使いすぎると既視感出てきて微妙なので、ほどほどにしておいた方がいいんじゃないかなと。
まあそんな感じで気になる部分は色々とあったものの、内容としては普通に良かったので、シナリオ評価はAとしています。
桜ちゃん呼びはなかなか意外で面白かったですね。北大路ゆきさんの演技も素晴らしかったし、桜自身はとても魅力的で満足でした。
DIMENSION TRAVERSE(グランド√)

主要人物全員が協力して黒列車を別次元に送り込み、世界から怪獣を消し去ろうとするお話。
めちゃめちゃ熱かったですね。ノベルゲームや異能力バトルのお約束がこれでもかと詰め込まれていて、終始興奮しっぱなしでした。
黒列車の発車までの時間を稼ぐフェーズももちろん熱かったですが、その先の「桜vs.黒車掌」でさらに盛り上がるとは。
まさかの異次元の桜との戦闘。お互いがウィドウメーカーで殴り合うなんてさぁ……。

本当こういうの大好きです。
さすがCRYSTALiAさん。厨二オタクが好きなものをよくわかっておりますね。
その後の黒車掌との別れも涙を誘われました。桜と黒車掌で対比させてくるあのCGが本当にもう……エモエモのエモ!
ED後のエピローグで、務めを果たした黒車掌は理想の異次元に到達。最愛の人と共に過ごせる世界にようやくたどり着いた。
瞳の色も青に変わって、彼女は普通の存在になったんだと実感できるような演出ですよね。
ここでタイトルの意味を把握できるのも熱い。
「次元を超えて、愛する人の元へ」といったところでしょうか。凸はTRAVERSEの頭文字のTであったり、列車の形であったり。そういった意味が込められているのかなって。
いやはや本当最高ですわ。
クリア後の余韻が素晴らしく、しみじみと浸っていたくなる締めでした。
CRYSTALiAさん、素敵な作品を本当にありがとうございます。最高のグランドルートでした!
総評
『ディメンション凸ラバース!!』はCRYSTALiAらしい、“熱さ・可愛さ・エロさ”を高水準でまとめ上げた、非常に完成度の高い王道異能力バトル作品でした。
シナリオ・バトル・演出に至るまで高水準であり、万人向けの作りであることから、多くの方に刺さる作品となっているかと思います。
水仙のバトルシーン不足、グラフィックがフルHDでない、読みづらい表記(偶に・汎ゆるなど、不必要に閉じた書き方)などの不満はありましたが、総じて非常にレベルの高い作品であることは間違いないでしょう。
CRYSTALiAの底力を感じられた1本。大満足の内容でした。
CRYSTALiAさん、ここまで読んでくださった読者の方、ありがとうございました!
点数
| ディメンション凸ラバース!! | |
|---|---|
| シナリオ | 18 |
| キャラ | 17 |
| 音楽 | 17 |
| システム・演出 | 17 |
| 全体の完成度 | 18 |
| 合計 87点 (各項目は20点満点) | |

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