『セレクトオブリージュ』の感想になります。
『セレクトオブリージュ』は2024年7月にまどそふとから発売されたエロゲです。
略称は『セレオブ』ですね。
スラム出身の主人公“布波能凪”が、
名家の子息子女が通う桜元学園に編入して逆玉を狙う物語。
※ネタバレ全開ですのでご注意ください。
『セレクトオブリージュ』のネタバレ無しレビューはこちらのサイトに掲載しております。
『セレクトオブリージュ』ネタバレあり感想会リンク(YouTube配信アーカイブ)
シナリオの感想
共通パート
スラム出身の主人公“布波能凪”が子息令嬢たちの通う桜元学園に入学し、
学生会に所属するヒロインたちに結婚を迫り、訪れた危機を仲間と共に乗り越えて親交を深めるお話。
なかなかしっかりした作りで良かったですね。
見せ場のシリアスシーンは風紀委員長の暴走って感じでしたが、わりと完膚なきまでに叩きのめされていて若干同情しました……w
まあ、自業自得なので仕方ないですけどね。撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけ、ということです。
駆けつけたイヴと奏命、最高に格好よかった。
他のイベントもなかなか盛り沢山でしたね。
イヴや奏命の試験、温泉旅行、アプローチしてくるヒロインたちと、賑やかで楽しい共通でしたので、大きな不満はないですね。
ただみんなでやった人生ゲームの場面はちょっと微妙だったかな。取っ散らかっていてもったいなく感じました。
普通の人生ゲームやってくれた方が、微笑ましく見れて良かった気がします。
変に捻った結果、色々雑になっていた印象でしたね。
まあその辺が少し気にはなりましたが、総合的には全然良い共通と言えるでしょう。
奏命の心の内というか、目的をサラッと明かしてきたのは意外でしたね。
彼女は最後に回そうと思っていましたが、そこまで警戒する必要もないのかもしれません。
というか、逆にトウリがちょっと怪しくなった気がしましたねw
無難にくっついて終わるか、珠賀良区の成り立ちとバアさんの秘密に迫るみたいな感じでガッツり描いてくるか。
わりと後者がありそうだなーとか思ったり。
トウリは一旦外すとして、奏命もいきなりはちょっと避けたい。
となるとイヴかくくるですが……√の順番、迷いますね!
まあこの悩んでる時間がある意味エロゲの醍醐味でもありますけども。最高に楽しい時間です。
どちらが先でもいいんですけど、発売前に気になっていたのはくくるなので、
まずはくくる√から行きたいと思います!
夜刀くくる√
事故で両親を失ったくくるが「凪、ファイブ、モンステラ」を新たな家族として迎え入れるお話。
後半のぶっこみは少し面白みを感じたものの、全体的に平坦で大きな見所がない√という感じでした。
前半はくくるがモンステラの研究のために、凪と行動を共にして恋愛感情を学ぼうとする感じですね。
ここは正直見ていてあんまり面白くなかったですね。
すごく平坦で起伏がない。一緒に行動している様子をただ描いているだけといいますか。
共通と比べて完全に失速していた印象ですね。
何をするにしてもくくるの反応が薄く、手応えを感じない。まさに「暖簾に腕押し」って感じ。
セックスしても「好きかどうかわからない」っていうのはさすがに……。
「えっ……?」と呆気に取られましたね。
まあこれは後半の伏線だったので振り返れば理解できるわけですが、
この時点では正直つまらなかったと言わざるを得ないです。
後半はファイブの不調をきっかけに「くくるがファイブの元となるデータの提供者」であることが発覚し、
奏命のサポートを受けつつ、モンステラの力を借りてファイブを元に戻すという流れ。
くくるは「ファイブへのデータ提供のために生み出されたデザイナーチャイルド」であることから、
自身の感情を抑制されていたという衝撃の事実が発覚します。
ここでぶっこんできたので、「おっ。ここから色々始まるんだな」と椅子に座り直したわけなんですが……。
このシーンは気になる点が多すぎて、全くのめり込めなかったです。
- 国家機密レベルの情報にかけられたプロテクトを、学生である七が易々と突破
- ファイブの制作に携わった関係者が一切登場せず、くくるの身の回りの出来事だけに終始する
- くくるは自身の出自について少し考えはしたものの、ほとんど動じることなくあっさり受け入れる
- くくるのチップが身体のどこに埋め込まれていたのか説明がなく、いつの間にか摘出される
- くくるを引き取った両親の真意が明らかにならず、両親についてはくくる目線でしか語られない
といった感じで、「えっ……?」とまたもや呆気に取られました。
これだけ多いとさすがに看過できませんよね。
この場面はくくる√のクライマックスなので、もっと深く描くべきだったと思うんですよ。
個人的に特に重要だと思うのは5つ目、
「くくるを引き取った両親の真意が明らかにならず、両親についてはくくる目線でしか語られない」ですね。
くくるがデザイナーチャイルドであること、それを両親が把握していたかどうかは定かではありませんが、
事故で亡くなってしまった両親はくくるへ禍根を残してしまったわけです。
なので、そういった禍根を払拭してあげるような「両親のくくるへの想い」。
それを何らかの形で伝えてあげるべきでした。
ベタではありますが「残された手紙」とかでしょうか。それを読むことでくくるの禍根を解消して、特殊な出自への踏ん切りもつける。そういう風に描くこともできたと思うんです。
「いや、事故で亡くなってるんだから手紙を用意する時間はないだろ」というツッコミは飲み込んでいただくとして……。
手紙はあくまで例なので何でもいいわけですよ。ファイブを間に立てれば理想って感じでしょうか。
とにかく、やり方次第でもっと良いシーンにできたと思うので、非常にもったいなく感じました。
あと、もう一つ気になったのが「凪の目的の達成が描かれない」という点ですね。
くくるとの結婚を確定させた凪は「施設の子たちを幸せにする」手段を得ているわけですが、
その達成をはっきりと描いてくれなかったのはマイナスでした。
まあトウリが将来的にお店を開いて、そこのスタッフとして孤児院の子たちが働くんだろうなとか、
想像で補うことは一応可能ではあります。
が、このゲームが最初に提示した凪のゴール「孤児院の弟妹たちを幸せにする」。
そこは譲れないところなので、やっぱり明確に描いてほしかったです。
凪が掴み取った自身の幸せと、子供たちの幸せ。
それらを描き切ってこそ、このゲームの最後として相応しいと考えているので。
√ごとにどういった幸せを描くのかも気になりますよね。
そこの違いを見たいという期待もありました。
いずれにせよ、そこを明確に描いてくれなかったのは残念でなりません。
まあ気になったところはそんな感じで。
反対に良かった点はですね……
アフターのお掃除フェラがとんでもなくエロい!!!
この構図のフェラが私は大好きなんですよ。
しかも1発目でお顔を白く染めた後、もう1発を口内に注ぎ込むとかね……最高か???
エッチシーンが強いのはエロゲとして大正解ですので、ここは手放しで褒められます。
そんな感じでエッチシーンは良かったですが、
シナリオとしては色々気になる点が見受けられたのでB評価としています。
ファイブ関連はもっと広げられたと思いますが、それをせずに無難な着地に甘んじていました。
そこが目についてしまいましたね。
蓼科・M・イウヴァリー√
凪とイヴの恋愛模様と、イヴと汐莉の確執を描いたお話でした。
なかなかよくできていたんじゃないかなと思います。
ストーリー的にはイヴと汐莉の確執がメインに据えられていた気がしますが、
恋愛描写もとても良かったです。完成度高めですね。
私が特に好きなのは前半の、イヴの前で凪が汐莉にキスされてしまうシーンです。
凪は弁明しようと考えていたわけですが、イヴは彼のことを信頼しているので全く動じない。
凪への確かな信頼が伝わる、素晴らしいシーンでした。
あと、もうひとつ良かったのはイヴと汐莉の試合ですね。
汐莉が挑戦してきた1回目はイヴがあっさり負けてしまうので「うそっ……?」と声出て、
目の前の光景が信じられなかったのですが、まあイヴがそこで終わるわけないと。
努力の天才である彼女は驕っていた今までの自分を恥じ、仲間に支えられながら鍛錬を重ね、汐莉を徹底的に研究。その果てに再戦を挑み、見事、運動部総括の座に返り咲くのです。
いや、格好よすぎますってイヴさん。
この場面の戦闘も熱すぎて見入ってしまいましたね。
拮抗した実力、どちらの努力が勝つかの意地のぶつけ合い、己の価値を証明する戦い……。
いやー本当に最高でしたね。
あともう1つ、この√は奏命がかなり魅力的でしたね。
落ち込むイヴを励まし、運動部総括に戻ってきてほしいという気持ちをしっかり届けてくるんですよ。
これでイヴが立ち直ったといっても過言ではないので、奏命は本当にいい仕事をしていたと思います。
影の立役者といったところでしょうか。非常に良かったですね。
一方で気になったのは「凪がイヴへの気持ちを伝えるのが遅い」という点ですね。
イヴを無駄に待たせて泣かせますし、汐莉に付け入る隙を与えてしまう。
この√の凪にはあまり魅力を感じられなかったのは残念なところです。
ただ、二股の噂が流れた時、放送でイヴへの気持ちをしっかりと言葉にしたのは良かったですね。
あそこはなかなか格好良かったと思います。
イヴ√の感想はそんな感じで。
途中で中だるみを感じた箇所もありましたが、
イヴをメインに据えたシナリオとして筋が通っており、バトルも熱くて楽しめたので評価はAランクとしています。
バトルの演出にもっと気合が入っていれば、Sランクを付けていたかもしれません。
ここはほんの少し惜しかったですね。
ただ、イヴが可愛くてシナリオも良かったので、個人的にはかなり楽しめました。面白かったです!
泉トウリ√
凪とトウリの恋愛模様や、腐っていた龍司の救済を描いたお話でした。
まあなんといいますか、単純に面白くなかったです……w
筋書き通りに事を運ばせるだけで、
書き手の「ユーザーの感情を揺さぶってやろう!」みたいな意気込みを一切感じられないというか……。
全然のめり込めませんでしたね。
この√で特に問題だと感じたのは「凪がかなり受け身であり、主体的に行動しない」という点です。
- イヴに離れられ、トウリに迫られたからトウリを選ぶ
- 流れでゲーム部に所属する
- 龍司の勧誘をテイオーに任せきりにする
といった感じで、まあ酷いです。
特に凪がゲーム部に所属してやっていくと決めた時は正直困惑しましたね。
「桜元学園のトップに君臨する女の子たちを利用して、施設の弟妹たちを幸せにする」
凪はこれを目的として桜元学園に来たわけですよね? なのにゲームを作るって……いやいやいや!って感じです。
なんで学生会の女の子たち諦めてんの?と。
みんなにプロポーズした凪は厚顔無恥ではありますが、私は彼のそういうところに好感を抱いていたわけですよ。
「この主人公、面白いじゃん」と、欲望に素直なところを好ましく思っていました。
なのに、この√では普通のつまらない男に成り下がってしまった感じで失望しましたね。
「トウリに少し窘められただけで揺らぐなよ」とね、私はそう主張したい。
あと、ヒロインのトウリもぶっちゃけ魅力がないんですよね。
トウリファンの方には本当に申し訳ないんですけど、ヒロインとして扱うには魅力が不足していたかなと。
そもそも「凪が桜元学園のトップに君臨する女の子たちを利用して、施設の弟妹たちを幸せにする」というこのゲームのコンセプトと、「ヒロインとしてのトウリという存在」は根本から噛み合っていないんですよ。
トウリをヒロインにするためには、凪が当初の目的を覆してまでトウリを選ぶ「強い理由」が必要。
それがトウリ√を成り立たせるための「不可欠な要素」であると、私は考えていました。
だって学生会の魅力的な女の子たちを蹴って、家族のような存在である身近なトウリを取るわけですよ?
桜元学園に潜り込んだ凪は、目当ての女の子たちの心にかなり近づいた。
理想的といってもいい状況なのに、ここであえてトウリを選ぶ。
凪がその決断をするまでの経緯や心境の変化、
そこがトウリ√における一番の見せ場であり、もっとも重要な部分だと考えていたわけです。
つまるところ「結局俺にとって一番大切な存在はトウリだったんだ……!」という気づきを、凪が得る必要があった。
私たちユーザーが「確かにこれはトウリを選びたくなるわ」と納得できるような、説得性に満ちた描き方をする必要があった。
それがこのトウリ√に求められていたものでした(少なくとも私はそこに期待していました)。
なのに、肝心の中身はそんなことを全く意識していなかったですし、
「イヴが消えてトウリが迫ってきたから、トウリを選んだ」とも取れるような、消極的すぎる凪の姿勢がとにかく目に余る。
そもそも「誰かを選べ」という奏命の問いに「選べない」と答える凪の姿が腑に落ちなかったのもありますしね。
トウリ√は、私にとっては面白くなりようがなかったのかもしれません……。
総じて、欠点の方が目立つ√といった感じでした。
トウリ√の良かったところは「トウリの水着CGが美麗」ってとこですね。
思わず眺めたくなるような一枚で、完成度高いと思いました。
この水着姿でエッチするのも刺激的でしたし、なかなか良かったですね。
あとは「龍司の救済を描いたこと」ですね。
このまま放置されるのも微妙だったので、そこを描いてくれたこと自体は評価したいです。
描き方は正直稚拙というか、色々言いたいことはありますが……言いだすとキリがないので止めておきます。
トウリ√の感想はそんな感じで。
私にとって極めて重要な部分をないがしろにしていた点が見過ごせなかったので、シナリオ評価はCランクとしています。
プレイしていてかなり退屈でしたし、面白いとは言い難い√でした。
一色奏命√
凪と奏命が恋人同士になり、凪の出生の秘密やバアさんの正体が明かされるお話。
前半の凪と奏命の駆け引きの描写は良かったですね。
さっさと子作りに励みたい奏命と、愛情表現としてのセックスを望む凪。
二人の攻防がなかなか面白かったです。
キスで恋に落ちる奏命は正直チョロいなと思いましたが、細かいことは気にしない方向で……w
後は花と空が可愛かったですね。
私はヒロインに優位性を取られるのが好きではないので、奏命よりもぶっちゃけこの二人の方が攻略したかっt(
せっせと凪の世話をしている二人、とても甲斐甲斐しくて可愛かったです。
√実装アペンドパッチはよ!
一方で、後半のネタばらしに関してはあまり面白みがなかったですね。
何か事件を起こしながら同時並行で明かしてくれたら楽しめたと思うんですけど、
本当にただ説明されるだけなので、何の面白みも感じられなかったです。感情が一切揺れませんでした。
一色家をよく思っていない人間なんてゴロゴロいるはずなので、
その手の輩に凪を誘拐させてゴタゴタを起こし、その事件に絡めて凪の謎を明かしていくとかで良かったと思うんですよ。
恋人を誘拐された奏命が激怒して、凪の奪還と犯人の捕獲に全力を尽くす。
そしてイヴやくくるにも協力を仰いで共通のような救出作戦をもう一度行うとか、面白そうじゃないですか。
そこで龍司も巻き込んだら尚のこと良いですよね。彼の名誉挽回のチャンスにもなります。
あと、バアさんもピンチのところで駆けつけてくれたら熱いじゃないですか。
私はそんな感じでクライマックスを描いてくれた方が絶対良かったと思いますね。
奏命の根回しでトラブルは全て防ぎました。邪魔する者は誰もいません。凪との子供も普通に孕みます。順風満帆のEND。
凪と奏命はそれで最高に幸せかもしれないですけど、ノベルゲームのシナリオとしては全く面白くないんですよね……w
本作はキャラゲーだったんだなと強く実感できました。
凪が言ってた会社を興す計画もエピローグで回収されなかったですしね。そういうことですよ。
奏命√の感想はそんな感じで。
シナリオはあまり面白くなかったですが、意外な要素を忍ばせていたのでB評価としています。
にしても寮の管理人さん、序盤で一度出たきりだったので完全に忘却の彼方でした……w
主人公“布波能凪”の感想
本作の主人公はなかなか破天荒というか、突っ走る系でしたね。
いきなり倉庫に侵入したり、学生会の女の子全員に同時にプロポーズしたりとなかなかぶっ飛んでいました。
見ていて面白かったです。
共通の事件で学生会の女の子たちを仲間と認識した凪は「目的のために彼女たちを利用するのはどうなのか?」という疑問を抱くようになります。
私としては凪のそういった疑問や彼女達を利用することへの罪悪感などを深堀りしてシリアスな方向に舵を切ってほしかったのですが……残念ながら本作はそういった作風ではありませんでした。
本作の主役はヒロインであり、どこまでもヒロインのための物語でした。
凪が学生会メンバー全員を虜にするハーレムルートとか、
みんながガチで惚れて取り合う展開になるとか、そういうの見たかったです。
凪は『暁の護衛』の海斗のように、突き抜けた魅力を持っていても良かったと思います。
スラム出身の主人公がセレブなお嬢様たちを夢中にさせる。
それこそが、成り上がり物語の主人公として相応しいのではないでしょうか?
『セレクトオブリージュ』というタイトルなので「選択しろ」という意図はわかりますが、
もっと遊びを入れてもよかったと思いますね。
総評
『セレクトオブリージュ』は逆玉狙いで桜元学園にやってきた“布波能凪”が、
生涯を共にする相手を選択する物語でした。
シナリオに関しては共通はとても良かったのですが、個別では完全に失速していたので正直期待外れでした。
設定自体は凝っているので盛り上げ方はいくらでもあったと思うのですが、
個別はヒロインに焦点を当てた恋愛物語になっていたので、コレジャナイ感がありましたね。
普通のキャラゲー・萌えゲーだとそれでも構わないわけですが、本作はそれではダメでした。
「成り上がりというコンセプト、クールでカッコいいOP、共通のシビアな展開」といったシナリオゲー的な要素を並べておきながら、肝心の個別ルートを普通の萌えゲーのレベル感で描かないでほしい。
コンセプト詐欺と言われても仕方ないんじゃないかなと。
私が一番気になったのは、「どの√の結末においても、凪の目的の達成が明確な形で描かれない」という点ですね。
- 弟妹たちが自由に仕事を選べるようになる
- レイが絵描きとして大成する
- バアさんが凪を認めて心から称賛する
私はそういうのが見たかったんですよ!
なのに、どれも描かれないなんて……酷い、酷いです。
まあ一つフォローをしておくと、イヴ√はなかなか良かったと思います。
努力に裏打ちされたイヴの強さ、汐莉との確執、凪へのまっすぐな愛、二人の確かな信頼。
どれも丁寧に描かれていたので楽しめました。
凪に関しての掘り下げ不足は変わりませんが、イヴ周りの描写については完成度高かったと思います。
後は柚子奈ひよ先生のイラストも素晴らしいですね。ヒロインが本当に可愛らしいです。
本作の魅力の大部分を担っていると言っても過言ではないでしょう。
その他にもエッチシーンがなかなかエロいとか、ハミクリから続投しているキャラ毎のアイキャッチBGMとか、
評価できる点は確かにあるのですが、やはりシナリオの弱さが致命的に足を引っ張っていますね。
本作は個別ルートもシリアスで通すべきであり、多少エッチシーンを削ってでもシナリオに全力を注ぐべきでした。
私は強くそう思いましたね。
まどそふと内製ではないkuwa games制作なので、シナリオ重視でもブランドのイメージを損ねることはないですし。
次の作品をリリースするのであれば、しっかりとコンセプトに沿ったシナリオ・作風で制作していただきたいですね。
点数
セレクトオブリージュ | |
---|---|
シナリオ | 12 |
キャラ | 17 |
音楽 | 18 |
システム・演出 | 18 |
全体の完成度 | 14 |
合計 79点 (各項目は20点満点) |
名フレーズ・格言
「本気でたどり着きたい場所があるなら、ある程度の場所までは来れるんだから」
努力の天才であるイヴが何気なく放った一言ですね。
人は努力である程度のところまでは来れる。諦めてしまうのは頑張りが足りないだけだという、自分に厳しいイヴらしい言葉ですね。
私は「エロゲブログ界隈の有名人となってエロゲ市場を拡大する」という夢がありますので、イヴのように努力を積み重ねて励んでいきたいと思います……!
おまけ
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コメント
コメント一覧 (2件)
Cyberさん、いつも大変お世話になっております。えりんぎです(o^^o)
Cyberさんの本作に対する感想、拝見したいなと常々思っておりました。
Cyberさんの見解が早く読みたい!という欲も勿論あったわけですが、日頃のXのポストを拝見する中で、何となくCyberさんはイヴ√の評価が高いのかな、という印象を持ったからです。私はブログや批評空間にてイヴ√にかなり辛辣な感想を書いてしまいましたからね(汗)そういう意味で、Cyberさんの独自の視点を是非、拝読したいと考えていました。
そして、感想を拝読した上でなのですが、本当に「そう、それ!!」です。
特にトウリ、くくる、奏命については言いたいことを全て言語化して下さったな、と思います。Cyberさんのアウトプットの力には本当に感服する他ありません。くくる、トウリについては描写不足、奏命は説明不足。正直、これはないだろ…と言ってしまうほど、シナリオには難があったと見ています。
また、イヴ√にも個人的には物申したいです。あれだけイヴと汐莉の関係性構築に描写を割いたのに、解決方法が「父親の不倫問題」に問題の解決を一端とはいえ、着地させるのはあまりに勿体ないと思ってしまいました。また、自分のブログでも軽く触れたのですが、これではイヴも汐莉も覚悟完了しているだけに、凪が介在しきれていませんでした。これはビジュアルノベルとしては明確な弱点と言わざるを得ません。
また、Cyberさんが仰る通り、主人公、凪にも色々と中途半端な要素は多々あります(主にトウリ√)。それこそ仰る通り、『暁の護衛』の海斗のような強烈な個性でもあれば違ったのでしょうが、本作の凪は仕方がないとはいえ、知識、武力、経験全ての面で、公式サイトが謳うような「成り上がり系」とは異なる主人公像になってしまっていることを、制作陣の方々は知る必要があるでしょう。全体的に、極めて惜しい作品だと思います。
一方、私はこうも思うのです。「我々はキャラゲーに何を求めているのか」と。キャラゲーにはキャラの可愛らしさ。えっちな姿さえあれば、辻褄等はどうでも良いと。そうも考えている自分がいて、大変ジレンマです。本作は正直、ライターの若葉先生の責任によるところではなく、企画、立案の段階で尺の不足など、気になる点が大いにある作品であります。
ゆえに私は自分のブログで本作に56点(凡作)と厳しい評価を点けてしまいました。まあ、最近のまどそふと様作品(今回は厳密にはkuwa games」様の処女作ですが)には軒並み低めに点数を点けてしまっているのでこうなる予想はついたのですが、イラストがあんなに可愛らしかったら、購入するしかないじゃないですか!もうイヴちゃん、ビジュアルも性格も好み過ぎます!
…ということで、大変長くなりましたが、本作に関しては私も厳しく見てしまったと若干、反省しており、現在、ポジティブに本作を見た場合の紹介動画を作成するべく『セレクトオブリージュ』の勉強中です。当然、Cyberさんの記事も大いに参考になりました。お礼申し上げます。いや、本当はもっと語りたいところだらけなんですよ?くくる√、トウリ√の気になる点やイヴの可愛らしさ。これらも語りたいですが、字数が膨大になるので、流石に自重しておきます。
今回は特に膨大な量のコメントをここまで読んでいただき、心から感謝いたします。是非、Cyberさんの視点で返信いただけると幸いです。それでは、失礼致します(`・ω・´)ゞ
えりんぎさん、こちらこそいつもお世話になっております。
Cyberです(*^^)v
私の感想を待って下さる方が現れるとは、書き始めた2016年頃は夢にも思っていませんでした。
いつもご覧いただきありがとうございます
私はイヴ√はなかなか良かったなと感じたのですが、えりんぎさんや他の方が結構辛辣な意見を書かれていて少し驚きました。『ATRI』の感想でも似たようなことを述べた気がしますが、ノベルゲームはここが面白いところですね。
>>くくる、トウリについては描写不足、奏命は説明不足。正直、これはないだろ…と言ってしまうほど、シナリオには難があったと見ています。
本当に仰る通りですね。
本作のシナリオはなんといいますか「踏み込むべきところで踏み込まない」を徹底しているような謎な作りだったので、どうにも没入できなかったですね。
アウトプットや言語化は自分ではあまり得意ではないと思っているのですが、えりんぎさんに響く内容を書けていたようで安心しました。ありがとうございます(*ノωノ)
>>あれだけイヴと汐莉の関係性構築に描写を割いたのに、解決方法が「父親の不倫問題」に問題の解決を一端とはいえ、着地させるのはあまりに勿体ないと思ってしまいました。また、自分のブログでも軽く触れたのですが、これではイヴも汐莉も覚悟完了しているだけに、凪が介在しきれていませんでした。これはビジュアルノベルとしては明確な弱点と言わざるを得ません。
えりんぎさんの本作の感想も拝読しました。以下を引用させていただきます。
“イヴと汐莉という可愛らしいキャラの和解という重要なテーマを描いている以上、その和解に至るまでに主人公がさらに介入する必要が、物語上あった。”
このように述べられているので、えりんぎさんは凪の活躍を見たかったのだろうなと推察します。
確かにここは勿体ないことをしていると私も思います。
イヴをサポートする役割を担っているのは凪ではなく奏命なんですよね。
・イヴの敗因を分析して答えを示し、意気消沈するイヴを鼓舞した
これを奏命が行ったので、凪の介入できそうなポイントが失われてしまったように感じます。
凪とイヴの二人の恋愛を描く以上、イヴに最も近いポジションにいる凪がそういった働きかけをするべきだったかと思います。
イヴの敗因を分析し「汐莉のことを研究する」という課題の提示を凪ができていれば。
凪自身ができなくとも、奏命にいち早く助言をもらってイヴにそれを伝えてあげていれば。
イヴのために凪が動けていれば、えりんぎさんのイヴ√に対する評価はもう少し上がったのかもしれませんね。
>>凪は仕方がないとはいえ、知識、武力、経験全ての面で、公式サイトが謳うような「成り上がり系」とは異なる主人公像になってしまっている
本当にその通りですよね。凪は魅力を感じにくいキャラとなっていました。
ピッキングや手癖の悪さなどの特殊技能を有しているのに、それが活かされていたのは共通部分だけで、個別では鳴りを潜めていたのがもったいないですね。
「そういった技能をあらゆるところで使おうとしてヒロインに窘められてしまう」みたいな、それぐらいクセのあるユニークな人物であっても良かったと思います。
>>「我々はキャラゲーに何を求めているのか」
これはなかなか難しい問いですね。
人によって求めているものは異なると思いますし、キャラゲーの定義も明確に定まっているわけではないと思うので。まあ「ヒロインが可愛くてエッチであれば正義」というのは、個人的にはその通りかなとw
イヴが可愛いという意見には全力で同意いたします!
えりんぎさんの『セレクトオブリージュ』の紹介動画、楽しみにしております!
私も近々、本作の感想会をYouTubeのライブ配信で実施しようと考えておりますので、えりんぎさんも余裕があればご参加いただけると幸いです。
今回もコメントしていただきありがとうございました。
えりんぎさんの参考となる返信内容であれば幸いです。
以上となります。長文失礼致しました(`・ω・´)ゞ