spriteさん作「蒼の彼方のフォーリズム」の感想になります。
「蒼の彼方のフォーリズム」は、spriteから2014年に発売されたエロゲです。
作中に登場する架空スポーツ「フライングサーカス」が非常に魅力的で、
本作の爆発的なヒットを生み出す要因となりました。
なお、あおかなはシナリオが「~話」という形で分かれているので、その形式に則って感想も記しております。
各話の始めに、簡単にですが内容を要約した文を載せているので、ご参考にしてください(無い話もあります)。
※ネタバレ全開ですのでご注意ください。
「蒼の彼方のフォーリズム」のネタバレ無しレビューはこちらのサイトに掲載しております。
上記のレビュー記事では「完全版2作の違い・続編の詳細・アニメ視聴の是非・攻略情報」などを網羅的に解説しています。
私が持つ全ての情報を載せていますので、蒼かなが気になっている方はぜひご覧ください。
シナリオの感想
共通パート
1話「私に飛び方を教えてください」
『フライングサーカス(以下FC)の選手だった晶也(主人公)はFC部にしつこく勧誘される。
断っていた彼だったが、明日香(メインヒロイン)の一押しにより、入部を決意する』
部長の紫苑さんが面白すぎw
みんなでわいわいの共通パートは賑やかで、見ている私も自然と笑みが零れていました。
晶也は何やら色々抱えているようですが、個別パートでどういった事実が明らかになるのか今から楽しみですね。
おそらく明日香のルートで核心に迫るのだろうと思いますけども。
2話「空の上のサーカス」
『無事FC部にコーチとして入部した晶也。廃バスを部室として構え、明日香たちに飛び方をレクチャーする。
練習初日が終わったころ、顧問の葵から「GWに高藤学園との合同合宿が決まった」と報告を受ける。
晶也はGWまでに、試合が出来る程度にはメンバー全員を飛べるようにしなければならない・・・』
始めにセリフ付きのちょっとしたムービーが挿入されます。
なんか感動しました。こういった演出を始めて見たもので。
アニメの次回予告に似てるかな? こんなのもあるんですねー。
葵先生から「報告がある」って聞いたときに、「お、いきなり試合か?」と思ってたらドンピシャでしたw
というか競技衣装エロくない・・・? 特に明日香! 赤とピンクでとても可愛らしい。今すぐ攻略したい(
3話「好敵手たち」
『晶也たちは高藤学園との合同合宿を行う』
いやーこの3話は良かった。
特に3日目の練習試合のシーン。あそこはかなり盛り上がりますね。明日香も当たり前みたいにまたエアキックターン出すしw
あと真藤さん試合中の目つき鋭すぎて怖いw 例えるなら遊〇王の闇マ〇クをマイルドにした感じです!(わかりにくい)
それと特筆すべきはお風呂のシーン。
美少女の裸を堂々と眺められるってのはまさにERGの特権ですね! 明日香の裸を一生見ていたい!!
通話を切り忘れた窓果GJ。私の目の保養になりました。ありがとうございます。
4話「わたしだって、戦いたい」
『真白の足の怪我をきっかけに、晶也は真白との関係を深めていこうと努力するようになる』
真白は晶也に対して不信感とまではいかないまでも、「どこか冷めてる人」みたいな印象を抱いていたようですね。
関係改善のために晶也は、真白のプレイしているゲームを始めてみることで真白に少しでも歩み寄ろうとします。
行動することの大切さがわかりますね。
部員に対する歩み寄りで部の結束力を強くしていく。その過程が良く描けていたと思います!
5話「嵐の前の」
『梅雨の時期、雨天の場合FC部は空での練習が行えないため屋内での練習がメインとなる。
ときには息抜きを挟みつつも、メンバーはみな着実に練習を積み重ねていく。
そしてついに待ちに待った大会が始まろうとしている・・・』
梅雨の時期の練習風景とメンバーの息抜きの様子、それに水着での訓練や大会直前の練習試合が主なイベントでしたね。
なんか笑える場面が多かったですw
明日香がパフェを食べるシーンは可愛かった! あと、マスコットキャラのシトーくんきもすぎるw
大会で一体何が起こるんでしょうねー。先が気になって仕方ないです!
6話「決戦、そして」
『FC夏の大会で激戦を繰り広げる……』
みさきと真藤さんとの戦いや、明日香と真藤さんとの戦いなど、途中見どころはたくさんありました。
ですが、やはり決勝戦の「真藤さんvs.乾沙希」に全て持ってかれてしまいましたねー。
FCを根底から覆す乾のプレイスタイルに、FC部のメンバーや真藤さんは圧倒されてしまいます。
試合を意のままにコントロールし、真藤さんに圧勝した乾沙希。
彼女が与えた影響はかなり大きく、みさきのFCに対する意欲を削いでしまいます。
決勝戦で物語の流れが変わりましたね。ここからどういった展開になるのか非常に楽しみです。
ここで共通パートは終わりで、各ルートに分岐していくのかな?
・・・ところで、晶也がFCを挫折した原因になった選手は誰なんでしょうか。
乾沙希・・・ではなさそうですが、それが非常に気になります。
あれ、そういやおこぜさんとがねこさんは一体どうなったんでしょう?
彼女たち、なんの描写もなかった気がするんですがw
鳶沢みさき√
7話(みさき)「あたし、FCをやめるから」
明日香の天才的な才能に対して嫉妬を抱き、FCをやめると言ったみさきを晶也が引きとめます。
ここで驚愕の事実が発覚します。
晶也のFC挫折の原因になった人物はなんと、「みさき」でした。
幼いころに才能の違いを見せつけられ飛ぶことの意義を見失ってしまった晶也ですが、まさかその相手がみさきだったとは・・・。
少し話が逸れてしまいますけど、上ですでに述べましたが、私は「みさき→真白→莉佳→明日香」の順で攻略していく予定です。
その順番で進めていこうと決めたのは、エロゲ仲間にオススメの攻略順を訊いた結果ではあるのですが・・・。
いきなりめっちゃ核心に触れてるんですけど!!!
すいません、ツッコまずにはいられませんでした。
だって最初のみさきルートでいきなり晶也の過去が掘り下げられるなんて思わなかったですから。
私は「明日香ルートで明日香はついに乾沙希を下し、FCの覇者になる。そんな明日香の前に一人の人物が立ちはだかる。その人物とは・・・過去に晶也をFCから退けた張本人。???だった!!」
・・・みたいな熱い展開を期待していたんだもの!(陳腐)
まあそんな果てしなくどうでもいい私の妄言は置いておいて。
晶也とみさきの物語。この先何が起こり、どんな結末が待ち受けているのでしょうか。
最終話(みさき)「届けたい気持ち」
入ってから終わりまで結構長かったですねーこの最終話。
背面飛行で乾沙希に挑み見事勝利し、そして決勝で明日香にも勝利したみさき。
乾沙希との試合はめっちゃドキドキして見てました。
どうなるどうなる?って思ってましたが無事勝ってくれたので、嬉しかったです。
明日香との試合もかなり盛り上がりましたし、これも非常に楽しめた!
EDから最後の締めもいいですねー。読後感が最高というか、スッキリ気分良く終えることができました。
乾沙希が見せつけた「本当のFC」に打ち勝つべく、晶也とみさきの二人がお互いに励まし合い、努力し、そしてその過程で自分と向き合っていくストーリーは、月並みな感想ですがすごく面白かったですし、非常に楽しめました。
特に目につく悪い部分もなく、すっきりまとまっていて良いシナリオだと思います。
Hシーンはとても実用に耐えうるものではないですが・・・。
まあ私はあおかなに対してエロはあまり期待してなかったので、個人的にはあまり問題なかったですw
シナリオで細かいことを言えば、「そもそも乾沙希の戦い方は本当に強いのか?」「打開策なんていくらでもあるのでは?」といった疑問が浮かびましたが、これについては考えるだけ野暮かなという結論に至りました。
私たちリアルの世界では当然反重力子など発見されていませんし、
FCなんてスポーツもないわけです。ないものを想像して思考するのには限界があります。
一応なぜそこまで強いのかといった説明はきちんとされていますし、
なにより「乾沙希の用いる戦術が強い」という前提を、自分で崩すのもどうかと思ったのもあります。
そこ突っ込み出したら物語を楽しめなくなるんじゃないかと。
それはともかく、完成度の高いシナリオであることは間違いないです。私は非常に楽しめました!
有坂真白√
7話(真白)「小さくても勇気」
『真白と2つ約束を交わした晶也がそれを果たすべく歩を進めていく。高藤との練習試合を終えたのち、晶也は泣きじゃくる真白を励まし想いを伝える。そして二人は無事付き合うことに』
印象的なシーンは、
- 真白の猫の真似のシーン
- 真白の足マッサージシーン
- 明日香が泣いていたシーン
- 告白のシーン
の4つですね。
猫真似のシーンは普通に可愛かった。あざといけど可愛い。やはり可愛いは正義!
真白の足マッサージシーンは残念。何が残念かってここ描写がほぼ無いんですよ。
素足の真白にひざまずく晶也のCGを見たかったのは私だけではないはず!!
私は足フェチってわけではないんですが、普通に描写されてたら絶対面白かっただろうなーと思ったので。ここは勿体なかった。
明日香が泣いていたシーンはちょっと辛かったですね・・・。大分あっさりした描写ではあったんですが、やっぱり明日香は晶也のこと好きだったんだなーと思うと胸が痛くなる。
ごめんよ明日香、今は真白攻略中なんだ。まあ正直私が晶也だったら明日香以外にいくことはありえないですけどね!(おい
最後に告白のシーン。
女の子の涙はいつ見ても辛いものですね・・・。晶也が男を見せた場面。結ばれて良かった。
最終話(真白)「ありがと、先輩」
『真白と晶也が付き合い、そして肉体的にも結ばれて、最後にみさきと対決。
エッチしたあとはみさきを部に連れ戻すパート』
みさきとのガチ対決は白熱して面白かった!
最後にエアキックターンで決めるところいいですねー。爽快でした。
真白はちょっと不幸体質というか、報われないところがあったようですけど、最後の最後でみさきに勝利したのは嬉しかったです。
あそこでみさきに負けていたらほんとに報われなさすぎて目も当てられない・・・w
「真白を絶対に勝たせる」約束と、「みさきをFC部に連れ戻す」約束。
その2つの約束を軸に、晶也と真白の恋模様を上手に描いていたと思います。
中だるみしそうなストーリーだなと思っていたんですが、全然そんなことはありませんでした。
むしろ読んでいて楽しく、退屈な描写はひとつもなかったです。
この真白ルートでは、窓果や莉佳がシナリオの盛り上げ役を担っていた気がしますね。
ネタ的な意味では窓果が、ストーリー的な意味では莉佳がって感じです。
強烈なエピソードはなく、少し薄味なシナリオには感じましたが普通に面白かったです。
みさきと真白の馴れ染め話を知ったとき、みさきが冷たいやつに一瞬見えましたが、
素直じゃないだけで全然そんなことはなかったです。
真白は共通パートでは悪い意味で「リアルな女の子」っぽさが目立っていたため、
それがルートに入った後でも継続されていたらちょっとやだなーと思ってたんですが、杞憂に終わって良かったです。
普通に可愛かったです。いい年してぬいぐるみ遊びとか可愛いですよね。その件について弄ってやりたいですw
一人二役をいっぱいこなすところが笑えます。
そういったお茶目な部分を覗かせていけば、普通に友達出来るんじゃないかなと思いました。
全体的にややあっさりしていますが、とても楽しめました。
私が真白へ抱いていた印象は攻略前と後でかなり変わったように思えます。
共通パートの真白が少し苦手に感じても、是非一度プレイしてみてほしいです。
市ノ瀬莉佳√
7話(莉佳)「強がる優等生」
『莉佳が久奈浜の練習に参加するようになってしばらくたち、今度は逆に晶也たちが高藤の練習にお邪魔させてもらうことに。
高藤へ訪れた晶也たちに待ち受けていたのは倒れた高藤の選手たち。
高藤の選手たちに手を上げたのは堂ヶ浦の「黒渕霞」だった。
日が変わって高藤との合同練習を終えた矢先、再び黒渕がやってくる。
再度試合を持ちかける黒渕に明日香が応えるも、今度は明日香までケガを負ってしまう。
このままではいけないと考えた晶也は、反則を繰り返す黒渕に対する対抗手段を練習に組み込んでいく』
黒渕霞が再度試合を挑んできたとき、明日香に試合をさせ、結局明日香にもケガを負わせてしまうわけですが。
いくら明日香本人が希望したとはいえ、危険な選手とわかっているにも関わらず試合をさせるのはコーチとして失格では?
その場の状況に呑まれ、黒渕のペースに持っていかれてしまっているのも非常にいただけないです。
莉佳が晶也の前で泣くシーン。ここでは晶也イケメンすぎましたw
というか同じ久奈浜の選手である明日香のケガに対してそれほど堪えていないどころか、高藤の莉佳に対してのあの優しさ。
これ完全に莉佳狙いだったでしょ?w
そして最後にエッチシーン。
莉佳の中の人はエッチシーンの演技上手ですね。かなりエロかったです。
最終話(莉佳)「変わらないもの」
『夏休みが終わり2学期に突入。明日香も無事練習に復帰し、久奈浜FC部はいつもの賑わいを取り戻す。
復帰直後、明日香は莉佳に対して試合を申し込む。
黒渕の戦い方を実践した明日香は莉佳を圧倒するも、莉佳が明日香の思惑に気付いた時点で試合は終了。
莉佳はこの試合でFCに対する考え方を大きく変えることに成功する。
莉佳にFCを教えてくれた幼馴染の「さっちゃん」は、あろうことか「黒渕霞」であった。
黒渕は才能のある莉佳にずっと嫉妬していた。
秋の大会でついに莉佳は黒渕と対決する。
莉佳は黒渕の繰り出す反則技を華麗にいなし、最後にはついに黒渕の説得に成功。
佐藤院さんや明日香にも許しを得た黒渕は心を入れ替え、FCを楽しむ試合をするべく再スタートを切る』
黒渕はほんとに莉佳の説得で改心するのかなーとか思ってたりしたんですが、見事にやってくれましたねー。
FCを教えた、自分がラフプレイをしはじめるきっかけになった相手に真剣に説得されると、平静を保つのは難しいですよね。
始めは狼狽していた黒渕ですけど、最終的には莉佳の想いを受け入れます。
嫉妬対象からの説得を受け入れるって、中々出来ることじゃないと思います。
黒渕にはこれから真面目に頑張っていってほしいと思いました。
あと、立ち絵まで変わってびっくりしましたw
途中でエアキックターンとか使ってたし、黒渕は真っ当に努力すれば、かなりのレベルになるんじゃないでしょうか。
あと佐藤院さんにも感動させられた。最後に莉佳を名前呼びしたり、後輩想いの良い先輩さんですよほんとに。
莉佳の「真面目すぎる性格に関する問題」をメインとして捉え、
後半にて「幼馴染である黒渕霞との再会」、そして最後に「和解」ですね。
変わってしまった幼馴染との再会というのはよくある話ですよね。そしてその原因も莉佳にあるという・・・中々の王道的な展開。
「さっちゃん」の正体が黒渕なのは予想が付きますし、
その先の展開も和解して大団円と、特に変化球が仕込まれることもありませんでした。
よくあるシナリオではありますが、見飽きたような印象は一つも受けませんでしたねー。
私はめっちゃ楽しめました!
こういった王道的なシナリオが大好きです。盛り上がった後の大団円というか。
みんな幸せなのが最高ですよね。
EDの後、大会後の堂ヶ浦FC部の様子が描かれますが、そこでの黒渕が必見です。
これマジで同一人物??ってなりますw
佐藤院先輩も良かった。この人ほんとに良い人すぎる。
佐藤院さんが影のMVPかもしれない(真のMVPが誰かは知らない)。
是非私のお姉さんになって下さい(
あと、莉佳のお肉好きは笑わせてもらいました。唐揚げについて語ってるとこもっと見たかったなw
倉科明日香√
7話(明日香)「空を飛ぶ夢」
『秋の大会へ向け、乾沙希打倒のために明日香を集中特訓する。
その矢先、乾沙希がヘリで久奈浜に来訪し明日香に練習試合を申し込む。
試合を受けた明日香だがものの見事に完敗してしまう。
明日香は悔しがるも、心は折れていなかった。乾沙希を倒すべく、久奈浜FC部全員が一致団結する。
葵さんの計らいによって真藤さんも明日香強化練習に加わることに。
だが、練習の疲れからか明日香は病院で少し休む事態に。
葵さんから、明日香の内面を見るように諭された晶也は明日香と向き合いはじめる。
明日香の幼いころのエピソードを知った晶也は一歩近づくことに成功する。
二人が距離を縮める中、イリーナが再び久奈浜にやってくる。
イリーナの狙いは明日香ではなく晶也にあった。
イリーナは晶也に対し「選手に戻る」よう促す。動揺する晶也だったが、
飛び出してきた明日香の援護射撃を受け、晶也はそれに応じずはねのける。
その後、晶也は自らの過去を明日香に語って聞かせる。
それを聞いた明日香は「飛んでいるところを見せてほしい」と頼み、二人は楽しく空を駆け回る。
ひとしきり飛び終えた後、明日香は嬉しさから晶也へ想いを伝える。
それを受け止めた晶也は答えを返すが、明日香は嬉しさのあまり涙を零してしまう』
この7話は後半が素晴らしいですね。2度目のイリーナの来訪から怒涛の展開です。
明日香の強さの秘密や、語られなかった晶也の過去などが一気に描写され、いやでも物語に引き込まれます。
そして極めつけは明日香が涙を流すシーン。
晶也に対して抱いていた、明日香の想いが成就した瞬間ですね。
こんなの泣かずにはいられないですよ・・・。
最終話(明日香)「蒼の彼方へ」
ここはあらすじはありません(纏める余裕がなかったのと纏めきる自信が無かった)。
もうね・・・感無量です。素晴らしすぎました。
沙希と明日香の頂上決戦。
二人の試合が物凄く熱く、プレイしている私も晶也たちと同じ気持ちで試合を観戦していた気がします。
序盤明日香リードからの沙希の反撃。そして明日香のバランサー解除からの2人の激しい攻防。
勝ち負けだけが全てではなく、試合を心から楽しんでいた二人とそれを眺める私たち。本当に最高の瞬間でした。
あおかな、ありがとう。
乾沙希に勝利することが目的だった明日香ルートですが、様々な要素が詰め込まれていた気がします。
明日香集中特訓の場面では、明日香を中心として、真藤さんや莉佳を含めた主要メンバー全員で沙希に立ち向かっていく構図がとても熱い。
大会間近においては葵先生までもが明日香のために力を尽くします。彼らの本気度がひしひしと伝わってきました。
そして真白のドジにおけるバランサーオフがまさかの伏線になっていたりと意外な展開もあり、
物語が最後へ向かっていくにつれてドンドン盛り上がっていくところも非常に高評価。
少し残念なのは明日香に髪飾りを渡した人物や、
イリーナのお姉さんについて詳しく描写されないことでしょうか。気になりますよこれ・・・。
あと、私が抱いた印象としましてはFCにおいて明日香はやはり天才ですね。
本人は前向きな気持ちでカバーしていると言ってましたが、
大会決勝の場でバランサー切って即座に完全に対応するって、常軌を逸した能力ですw
葵先生が99%失敗すると考えていた賭けの、その1%に答えてしまう人間は天才以外の何物でもないですw
まあそんなことはさておき、最高のシナリオであったのは間違いありません!
グランドエンディング
グランドエンディングなるものが入ったので、ここに関しても少しだけ触れておきます。
晶也と葵先生二人で空で話すシーンですね。
晶也の恩師である葵先生が選手として復帰し、海外で活躍する。
その前に晶也と言葉を交わし、晶也とFCに対しての一つの区切りをつけた場面。
背景の綺麗な空が凄く印象的でした。
挫折した晶也と空への向き合い方を悩んでいた葵先生。
前に進むことを決めた二人に良き未来が広がっているといいですね。
主人公“日向晶也”の感想
物語開始当初の晶也の経歴を簡単にまとめると、
「元々は将来有望なFCの選手であったが、突然現れた子に才能の差を見せつけられる。それをきっかけに挫折し、それ以来FCに背を向け空を飛ぶことを避ける生活を送っていた」
細かい部分は省いていますが大体こんな感じでしょうか。
晶也はFC経験者であるためヒロインたちにコーチとして接します。
一般的なエロゲ主人公とは少し異なる人物像ではあります。
FC有力者であった晶也はどうあってもFCを「教える」側にあります。
これが良くも悪くもヒロインとの関わりに影響を及ぼしています。
FCにおいては始めからヒロインたちとは対等な立場ではありません。その部分だけを見れば私の評価は少し下がります。
私は基本的に「ヒロインたちと主人公が同じ立場で一緒に高め合っていく」ようなストーリーが好きなんですよね。
晶也のような主人公だと上から話してしまいがちであり、少し鼻に着いてしまったシーンもありました。
それはともかく、晶也の評価を一言でいえば「FCは物凄くできるけど、それ以外は割と普通の主人公」ですかねw
総評
空を自由に飛びまわれる世界で、空で行うスポーツ「フライングサーカス」を巡って晶也とヒロインたちとの物語が描かれる本作。
抜けるような青空、そして開放的な四島列島の風景は思わずまじまじと眺めたくなるような美しさです。
キャラの絵柄もあっさりとした涼しげな雰囲気で、作品世界やフライングサーカスに上手くマッチしています。
そして肝心のシナリオは全てが高水準。中でも明日香シナリオは格別で最高の出来と言えます。
しかしこれは明日香ルート単体で見た場合の話であって、みさきルートと比べてしまうと違和感があります。
明日香ルートで行っているFCと、みさきルートで行っているFCのレベルが違いすぎるんです。
みさきルートの沙希は本気だしてないのかな?って思えます。
なので、本作をプレイするにあたっての注意点は「明日香ルートより先にみさきルートをやるべき」ということですね。
キャラに関しては全体的に良いです。
私のお気に入りは明日香、窓果、部長、佐藤院さんですね。
明日香は言わずもがな可愛いですし、窓果はボケが面白いです。
部長は窓果とは違う方向性で見ていて面白い。なんか憎めないやつ、それが部長。
佐藤院さんは初登場時は面食らいましたが、普通に性格が良く、人当たりの良いお嬢さんでした。
私のお姉さんになって下さい(二回目)
システム面に関してですが、これは惜しいですね。
Extraに音楽鑑賞が追加されない、一部CGが閲覧できないなど痒いところに手が届かない仕様。
また、たまに求めるディスク認証も煩わしいです。
シナリオやキャラは良いだけにこの辺りは非常に悔やまれます。
システム面での惜しい点や、「Hシーンが少なく実用性に乏しい」などの問題点もありますが、
総合的に見るととても高い完成度で纏まっています。私は非常に満足いたしました。
彼方へ広がる空。そんな空を舞台としたヒロインたちとの恋と青春。
あなたも共に駆け抜けてみてはいかがでしょう。
点数
シナリオ 19
(全体的にレベルが高い。特に明日香シナリオはかなりの出来)
キャラ 17
(キャラは全員可愛いですね。みんな個性が出ていて良かった)
音楽 19
(Wings of Courage-空を超えて-、INFINITE SKYが素晴らしい。前者はピアノver.が流れる場面(特に明日香の告白シーン)がありますが、思わず泣きそうになります)
システム及び演出 15
(上で述べた様にシステムは個人的には不満が多い。EDがキャラ毎に異なるのはとても良い)
全体の完成度 17
(高い完成度ですが、明日香とみさきのシナリオを比較して見たときの違和感と、システム面の惜しい点が目立ったのはやや残念)
合計87点です(100点満点中。各項目は20点満点)
商品リンク
「蒼の彼方のフォーリズム Complete Edition」は、
「蒼の彼方のフォーリズム Perfect Edition」と、
「蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1」のセットですね。
単品ずつ購入するよりも2,135円お安くなっていますので、
「一気にプレイしたい!」という方にはこちらがおすすめです。
「Perfect Edition」と付いているのは、最初に発売した無印の完全版となっているためです。(CS版の追加要素などがプラスされています)
「蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1」は、
真白ルートの後日談が描かれている作品ですね。
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