『千の刃濤、桃花染の皇姫 -花あかり-』の感想になります。
『千の刃濤、桃花染の皇姫 -花あかり-』は2019年9月にAUGUSTから発売されたエロゲです。
『千の刃濤、桃花染の皇姫』のFDであり、後日談などのミニシナリオが楽しめる作品となっています。
※ネタバレ全開ですのでご注意ください。

シナリオの感想

本作は上記の画像のように、シナリオを選択して読んでいく形式となっています。
「緋彌乃命は最後に回した方が良いかも」という意見を見かけたので、
「他の10人→朱璃→緋彌乃命」の順で進めていきます。
赤熱の御剣(滸)
見たかった滸√の結末がここにあった……。
刻庵が呪術の支配から解放されて生還し、滸と言葉を交わす。
誰もが夢見たやり取りがそこにあって、とても満足でした。
なし崩し的に会長になるのではなく、滸が刻庵にきちんと認められたというのはやはり大きいでしょう。

尺は短いですが、非常に良い後日談だったと思います。
走りだす想い(奏海)
奏海の燃やそうとした日記が人形となって走り出し、それをみんなで捕まえるみたいなお話でした。
わりとコメディ色の強い内容で面白かったですね。
古杜音がハンマーをド○えもん風に取り出すあそこ、めっちゃ笑いました。
あと奏海の腕を拘束してするエッチがめっちゃエロい……。私の性癖にガン刺さりです!!

私は奏海の性格は好きではないですが、華奢な身体は大好きなので超興奮しました(変態)。
瓦礫に咲く花(エルザ)
エルザが夜鴉町の復興を遂げ、槇を認めさせ、皇国の未来を切り開いていくお話でした。
私は本編のエルザの生き様がすこぶる気に入りましたので後日談も期待してたわけですが、期待を裏切らないデキで大満足でした。
やはり彼女は格好いいですね。努力で槇を認めさせるところもさすがです。

自らの忠義に則り、どこまでも進んでいく。
そんなエルザの姿が輝いて見える最高の後日談でした。
移りゆく街の中で(古杜音)
古杜音が満腹祭りを開催して勅神殿を皇国民が親しみやすい場所に変化させ、神職と民の距離を近くすることに成功するお話でした。
本編でも見られた古杜音の優しさをより感じられるような、慈愛に満ちた後日談でしたね。
祭りのCGが綺麗で、思わず見入ってしまいましたよ(五十鈴の顔がかなり丸い気もするけど)

この祭りのCGはOPのサビでドカンと出てくるのでもっと賑やかなシーンなのかなと思ってましたが、
結構落ち着いていたというか、かなり普通だったのでそこは少しギャップを感じましたねw
愛していると伝えて(紫乃)
紫乃が頑張って素直な言葉を伝えるお話でした。
それ以上に語ることがぶっちゃけない……w
ラストシーンで紫乃が、素直な気持ちを自然に話していたのが良かったです。

愛と闘争の果てに(睦美)
睦美さんの呪紋に封じられた闘争本能が暴走するも、恋人同士の愛の力でそれを抑え込むお話。
なんか色々細かい部分をゴリ押しで通していたので、すごくキャラゲーっぽいシナリオだなと感じましたw
まあ睦美さん好きなのでいいですけどね。フェラがエチエチで最高でした。

……にしてもこのCG、なんかASMRのジャケイラスト感があると思うのは私だけでしょうか。
「睦美さんの秘密のご奉仕 ~あなたのココ、私が料理して差し上げますね?~」みたいな。
聴きてぇ!(
狐の血脈(子柚)
子柚が家宝の黒狐を使って槇を認めさせ、伊那家の存続に尽力するお話でした。
エルザの時でも似たような役割でしたけど、槇はたまに障害として立ちはだかってきますねw
わりと都合の良い使われ方をしているなーと。話としては面白いのでいいですけどね。
肝心の子柚は最後のCGがなかなか良かったです。
OPで手をぶんぶん揺らしてるのが可愛かったなぁ。

来世の夫婦(千波矢)
千波矢が咎人の正体を見抜き、ミツルギと禍魄を同時に消滅させて皇国の安寧を守るお話でした。
ほ、本編が始まる前に終わってしまった……w
なんという千波矢による千波矢のための物語。
まあ私は桐谷華さんの演じる千波矢と幸せなひと時を過ごせて大満足でしたけど!!

私もです!!
桐谷華さんの演技はなんでこんなに最高なんでしょうね。
これを楽しめただけでも『花あかり』プレイして良かったと思える。
にしても千波矢は本編で悲惨な死を遂げていたので、別の世界線で元気に生きている姿を見られて嬉しかったです。
千波矢が幸せになる可能性もあったと実感できる、良いIFストーリーでしたよ……。
伊勢野管長の勝負どころ(五十鈴)
柿紅葉における、五十鈴の心境の掘り下げがメインのお話でした。
五十鈴と宗仁は一応恋仲になりますけど、かなり無理のある流れでしたね。
FDなのでツッコむのは野暮ですが、さすがに違和感が大きかったかなと……w
本番前のフェラがエッチだったので、私としてはそこは良かったですけど!
あとエッチな治療はエロ同人かよって感じで笑いました。

融けた心、解放される魂(雪花)
朱璃√における、雪花のその後を描いたお話でした。
本編では敵役だった雪花でしたが、新たに立ち絵が描き下ろされていて微妙に扱いが良いですね。
内容に関しても雪花好きの方はかなり満足できそうな感じで、良い読後感に包まれました。
エッチシーンは夢落ちでしたが、まあ、これはさすがに仕方ないですね……w

ときめきの行方(朱璃)
朱璃と宗仁がイチャつきながら、皇国に残った共和国の英霊たちを鎮めるお話。
シナリオは普通って感じですが、ギャグが面白かったですね。
結構笑えるシーンが多かった印象です。
あと、幻影を消滅させるときに朱璃のメインビジュアルが使用されたのが良きでした。
これはテンション上がりましたね。

勿忘草(緋彌乃命)
緋彌乃命と宗仁が過去へ跳び、緋ノ国をミツルギと禍魄を生み出さない道へと導いて、未来の皇国の安寧を守るお話。
いやーこれはめちゃめちゃ良かったです。
緋彌乃命の二千年越しの憂いを絶つことができて、万々歳でした。
緋彌乃命が皇帝であることから解放されてもう一度涙を流すあの場面、あまりにもエモすぎる……。

ラストのCGも込み上げてくるものがあって感動しましたよ。本当に良いシナリオでした。
総評
『千の刃濤、桃花染の皇姫 -花あかり-』はヒロインたちの後日談やその他のIFストーリーが描かれる作品でした。
基本的にはどれも読みごたえのある後日談で、良かったですね。
特に千波矢や緋彌乃命のシナリオはサブながらも力が入っており、想像以上に楽しませていただきました。
細かな欠点としては、八岐の巫女の祖先の立ち絵が雪花の使い回しであるとか、
タイトル画面の切り替えができなくなったなどがありますが、声高にダメ出しするほどではないかなと。
『千桃』の世界をもう一度楽しめる、良質なFDだったと思います。

点数
千の刃濤、桃花染の皇姫 -花あかり- | |
---|---|
シナリオ | 15 |
キャラ | 17 |
音楽 | 20 |
システム・演出 | 19 |
全体の完成度 | 19 |
合計 90点 (各項目は20点満点) |

おまけ
マスターアップイラスト
『千桃』のファンディスク、『千の刃濤、桃花染の皇姫-花あかり-』本日マスターアップしました!
— オーガスト (@august_soft) September 3, 2019
予定通り、9月27日(金)発売となります。どうぞよろしくお願いいたします!#千桃 pic.twitter.com/Zx29TxsUjd
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コメント
コメント一覧 (2件)
Cyberさん。記事の執筆、お疲れ様です(*╹▽╹*)
えりんぎです(。ò ∀ ó。)
早速、『花あかり』をクリアなさったという情報をキャッチし、記事を拝読しました。
私が『花あかり』にコメントしたい内容は概ね、Cyberさんが記事で仰っています。というのも、『花あかり』はそのサウンド、演出含めた全ての技能がブラッシュアップされ、かつ大作の補完として機能する大変秀逸な作品であったと感じております。
個人的には、『花あかり』の好きなポイントは、「サブキャラクターの掘り下げ」、「メインヒロインのその後の描写」です。
「サブキャラクターの掘り下げ」。これは紫乃や睦美、子柚。他、千波矢、緋彌乃命等に至るまで物語の裏側も描いていました。特に、雪花のお話には感動したのを覚えております。本編ではああいった役割であった雪花が、どんな思いで巫女として役割を果たしていたのか。どんな覚悟を持っていたのかが分かる良シナリオでした。そもそも、オーガスト作品は基本的に悪役を悪役にしきれないという点が良くも悪くもある訳です。しかし、『花あかり』は本編の補完として、また、物語の折り合いの付け所として、納得のいく話が展開されたと思います。桐谷華さんの事実上の引退作であることもあり、その点も十分、Cyberさんは満足なさったのではないでしょうか。
続いて、「メインヒロインのその後の描写」。これが描かれていたことですね。特に朱璃。演出も合わせて、上位のシナリオでしょう。私は常々、〇シーンを描く覚悟がある以上、その「先=結婚、交渉後」まで考えないと誠実さを欠くという価値観の持ち主です。面倒ですよね(笑)しかし、このえりんぎという男。面倒臭いです。
閑話休題、そんな「その後」好きな私にとって、『花あかり』はご褒美でしかないです。華美な雰囲気を崩さず、しかし本編の壮大さに沿えるようなシナリオ。その塩梅には感動しました。
無論、欠点も正直、あります。そもそも『花あかり』はご存知の通り、『千の刃濤、桃花染の皇姫』本編が発売されて3年後のリリースでした。流石にリアルタイムで追った身としては疲れてしまい、若干以上の期待外れ感もありました。その意味で、「いつものオーガスト」を悪い意味で超えることが出来なかった。そう認識しておりまして。その点、難しいです。一方、作品として形にしていただけただけ嬉しい。その気持ちも勿論、あります。オーガスト様の内部でも、企業としての方針転換、リリース自体への疑義。声優さん関係の事情等、数えきれない問題があったはず。それらを乗り越えて、作品を生み出して下さったことには私自身、心から感謝しております。
私からはこんなところです。本当は、さらに語ることが出来るのですが、それはまたの機会にしておきましょうか。Cyberさんの感想は、本当に総合的な情報の整理が出来る、素敵な感想だと私は捉えております。私も感想執筆者として、ブロガーとして、Cyberさんのことをかけがえのない仲間と思っています。同時に正直、ライバルだとも感じておりまして。今後の、Cyberさんのご活躍にも期待しております。
長文失礼しました。今後も、切磋琢磨していきましょう(~ ̄▽ ̄)~
以上。
えりんぎさん、いつもお世話になっております。
Cyberです(*´ω`*)
本編に続いて『花あかり』までコメントいただきありがとうございます!
なかなか力の入ったFDで良かったですよね。
メインサブ含めて余すところなく描いていた印象で、本編と合わせて120%楽しめるような作品に仕上がっていたかなと。
総合的にかなり満足のいくデキでした。
>>「サブキャラクターの掘り下げ」。これは紫乃や睦美、子柚。他、千波矢、緋彌乃命等に至るまで物語の裏側も描いていました。特に、雪花のお話には感動したのを覚えております。本編ではああいった役割であった雪花が、どんな思いで巫女として役割を果たしていたのか。どんな覚悟を持っていたのかが分かる良シナリオでした。そもそも、オーガスト作品は基本的に悪役を悪役にしきれないという点が良くも悪くもある訳です。しかし、『花あかり』は本編の補完として、また、物語の折り合いの付け所として、納得のいく話が展開されたと思います。桐谷華さんの事実上の引退作であることもあり、その点も十分、Cyberさんは満足なさったのではないでしょうか。
仰る通りだと思います。
本編が途中下車式であるということから、メインサブ含めてキャラクターの扱いに差が出てしまっていましたが、『花あかり』では描かれていない部分を隅々までカバーしていた印象で、『千桃』という作品の完成度を引き上げるような理想的な内容だったと感じましたね。
本文でも述べましたが、私としては千波矢のシナリオ「来世の夫婦」には100点満点をあげたいくらい素晴らしい内容でした。
桐谷華さんのキャラを露骨に贔屓する、私のような厄介オタクを完璧に黙らせるほどには笑
>>「メインヒロインのその後の描写」。これが描かれていたことですね。特に朱璃。演出も合わせて、上位のシナリオでしょう。私は常々、〇シーンを描く覚悟がある以上、その「先=結婚、交渉後」まで考えないと誠実さを欠くという価値観の持ち主です。面倒ですよね(笑)しかし、このえりんぎという男。面倒臭いです。
閑話休題、そんな「その後」好きな私にとって、『花あかり』はご褒美でしかないです。華美な雰囲気を崩さず、しかし本編の壮大さに沿えるようなシナリオ。その塩梅には感動しました。
仰る通り、ヒロインたちの後日談も良かったですよね。
AUGUSTさんは本当に丁寧に作ってくださっているので、えりんぎさんのようなこだわりの強い方にも満足いただけるようなものになっていたと私も思っておりますよ笑
私はエルザの後日談が特に好きでしたね。
大体は本文で述べた通りですが、槇とエルザがいがみ合った果てに生まれた、親子愛に似た情ともいうべきものが尊くて良かったです。
ラストのみんなで屋台で飲む場面はまさにご褒美のようなシーンとなっており、しみじみとした感動に包まれましたね。
>>花あかり』はご存知の通り、『千の刃濤、桃花染の皇姫』本編が発売されて3年後のリリースでした。流石にリアルタイムで追った身としては疲れてしまい、若干以上の期待外れ感もありました。その意味で、「いつものオーガスト」を悪い意味で超えることが出来なかった。そう認識しておりまして。その点、難しいです。一方、作品として形にしていただけただけ嬉しい。その気持ちも勿論、あります。オーガスト様の内部でも、企業としての方針転換、リリース自体への疑義。声優さん関係の事情等、数えきれない問題があったはず。それらを乗り越えて、作品を生み出して下さったことには私自身、心から感謝しております。
3年後のリリースに関しては確かにえりんぎさんの仰る通り、単にFDを発売するという以外に様々な問題があったのだろうなと推察できます。
それでも『花あかり』の発売に踏み切ってくれたAUGUSTさんには私も深く感謝したいですね。
AUGUSTさんの中で『千桃』に対してやり切れていないところがあったのか、ファンの期待に十全に応えるためであったのか。
その辺りの事情は定かではありませんが、それでもしっかりとした内容に仕上げた上で『花あかり』をリリースしていただいたAUGUSTさんには敬意を表したいと思います。
今回もコメントいただきありがとうございました。
そう言っていただきありがとうございます。
私も感想を通じてえりんぎさんとこうして作品について語り合えることは嬉しいです。
えりんぎさんはノベルゲームプレイヤーとしての同士であり、ブロガーとしての戦友であり、発信者としての仲間だと思っております。
私はブログ活動に関してはこれからも全力で取り組んでいく所存です。
えりんぎさんとの交流を通じてお互いに高め合っていけると、私としても本当に嬉しく思います。
えりんぎさんのこれからのご活躍に、私も期待しております。
以上となります。長文失礼いたしました。