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【エロゲ感想】恋×シンアイ彼女(Us:track)

『恋×シンアイ彼女』の感想になります。

『恋×シンアイ彼女』は2015年10月にUs:trackから発売されたエロゲです。

主人公の“國見洸太郎”が文芸部の存続に奔走し、幼なじみや後輩や生徒会長と恋愛する物語。

※ネタバレ全開ですのでご注意ください。

『恋×シンアイ彼女』公式サイト

目次

シナリオの感想

四條 凛香√

シナリオ評価:C

凛香が生徒会長選挙に敗れて、旧校舎の思い出を楽しむイベントを行うお話。

かなり薄い内容だったので、正直微妙と言わざるを得ないですね。

サブヒロインじゃないよね?と疑ってしまうぐらい、中身が虚無なシナリオでした。まあ本作は明らかに星奏がメインなので、実質サブみたいなものではありますが。

シナリオは特に髪留めのくだりが酷かったですね。なんで主人公はさっさと本人に確認しないんでしょうか……。
このせいで2日ぐらい凛香は無駄に町中を探しまわる羽目になる。自分のことしか考えていない、とにかく女々しい主人公が受け入れられませんでした。

水族館で3Dイベントを楽しむシーンは少し面白かったですけども。良かったのはそれぐらいでしたね。

あと、自転車のタイヤの空気抜かれて、凛香がふええっってなるのは可愛かった。

小鞠 ゆい√

シナリオ評価:A

旧校舎の傍にある花壇が反対活動の甲斐なく取り壊されてしまうも、母のタイムカプセルをきっかけにゆいが立ち直るお話。

前半から中盤は面白みがなくてダレましたが、後半で一気に回収してくる流れが熱い。

花壇の下にタイムカプセルが埋まっていることに気付く。あそこからの勢いが良かったですね。

ゆいのお母さんの手紙はありがちな感じですが、それはすなわち王道ということで。私は好きでしたよ。

大人の理不尽に振り回されたゆいでしたが、お母さんの時を超えた手紙で立ち直れて、素直に良かったと思えました。あと、花壇工事のおっちゃんたちがめっちゃ良い人なの地味に笑った。

母が亡くなってから見れなかったアルバルを見れたり、訪れることができなかった高台へ訪れたり、花壇とお別れして新しい花壇を作ったり。

母の元から巣立っていくような、そういったゆいの成長を感じられるようなシナリオだったのも良きでしたね。

後はラストの一文ですね。ゆいの洸太郎への変わらない愛を照れながら告げてくるなんて……。あれは本当に最高だったなぁ。

気になった点は、前半から中盤がわりと虚無だったところでしょうか。

工夫を凝らして署名活動をするあの雰囲気は好きでしたが、ネコの着ぐるみを着たゆいのCGが出てこないのはダメだと思いました。「いやそれ見せてよ!」って、プレイしたほとんどの人が思うんじゃないでしょうか。

まあ気になった点はそれぐらいで。

最終的に主人公も小説を書けていましたし、描きたいテーマもしっかり伝わってきたので、シナリオ評価はAとしています。

にしても、重機のCGが出てきたのは驚いたなぁ……w

新堂 彩音√

シナリオ評価:B

彩音が諦めていたデザインの道をもう一度目指して、真剣に衣装制作に向き合うようになるお話。

前半の手紙~付き合うまでの流れはすごく良かったですが、後半で完全に失速してしまった感じでした。

前半は星奏と彩音に手紙の件をぶっこむわけですが、なかなか飛ばしてきたなという感じで面白かったです。

特に星奏の手紙の一件はね、本作の核心的な部分で気になっていたところでしたし。

まあ星奏については一旦置いておくとして、ここは彩音ですね。

彩音も洸太郎と同じく返ってこない手紙に悩まされていたわけですが、ここでそのわだかまりが完全になくなって、二人がくっつく流れは良かったですよね。

黒板に書いた大きな文字で告白シーンを回収するのは粋でしたよ。ここはかなり好きでした。

それでまあ後半は水着コンテストだったり衣装コンペだったり色々あるわけですが……これはもう正直ダメでしたね。

出てくる要素がどれも唐突で伏線も何もなく、その場その場の勢いだけで進んでいく不自然な描写の連続でした。

具体的には以下の点でしょうか。

  • 突然衣装の制作依頼をしてきてコスプレイヤーであることが発覚する志乃
  • 彩音に執着しているという描写がありながら、後半で唐突に出現して彩音に突っかかってくる専門科の浦和さん
  • ブランクのあった彩音のデザインが普通にコンペ優勝
  • 専門科の浦和さんたちとチームで制作することになり案の定揉めるも、一瞬で解決
  • 衣装を着るグロリアスデイズのメンバーが食中毒で出られなくなり、なぜか彩音が代役を務めることに

まあこんな感じのご都合主義のオンパレードで読めたものではありません。さすがに酷い。

締めの文章も微妙で読後感も良くなかったので、ストーリーに高評価を付けることはできないですね。

やはり彩音√は前半が面白かったかなって。特に彩音の手紙に対する星奏のこのセリフ。

「あのね。手紙、気づかないのは大変なことだよ」

今世紀最大のおまいうで大声で叫びたくなりましたが、一応後で洸太郎に謝っていたので水に流すとします……w

姫野 星奏√&Last Episode

シナリオ評価:A

星奏がグロリアスデイズのメンバーだったことが明らかになり、洸太郎と星奏の恋愛の顛末が描かれるお話。

星奏のシナリオは星奏√で前半を、星奏√をクリアすることでタイトル画面に追加される「Last Episode」で後半を描いていく形となります。

星奏はなぜ手紙を返さなかったのか。なぜ黙って洸太郎の前からいなくなったのか。

その謎が明らかになるシナリオではありましたが……いやー、これは賛否両論出るのも無理ないといった感じの内容でしたね。

私は正直星奏の振る舞いを肯定することはできませんが、開発陣が伝えたかったメッセージについては、なんとか咀嚼できたように思えました。

気持ちを伝えることの難しさや、何かに全力でぶつかるということ。

それについてじんわりと考えさせられるような、そんな独特の余韻を残していく物語だったと思います。

洸太郎も星奏も幸せとは言いがたい人生を歩んでいましたが、星奏は音楽に、洸太郎は星奏に、
彼らが全力でぶつかって描いていったその軌跡は、若さゆえの脆さと美しさを感じられるような、青春の輝きに満ちていたような気がしました。

洸太郎は星奏に対して、「君は俺に全力じゃなかった。君のことが大嫌いだ」と言っていましたが、最後のシーンで「君は自分が全力であるべきものに全力だった」と言い直していたのが印象的でしたね。

手紙を返してくれなかった星奏の幻影に囚われていた洸太郎はずっと前に進むことができなかったわけですが、星奏が明かさなかった事情を知り、彼女が何に対して全力で取り組んでいたのかを知ることで、最終的に洸太郎は星奏の生き方を肯定することができた。

おそらくこの瞬間、洸太郎は星奏に追いついたような、そんな実感を得たんじゃないかなと。
自分ではなく音楽に全力を向けた星奏を肯定することができた彼はもう、星奏を追いかけるだけの存在ではなくなったのです。

何かに全力でぶつかっていくこと。そうすることでしか、見えないものがある。

非言語でコミュニケーションを取る二人の不器用で独特な生き様。そんな二人の姿を通して、本作はこんなメッセージを放っていたんじゃないかなーと、私は思料しています。

……とまあ、本作に対して好意的な解釈をすると個人的にはこういう感じになりましたが、とはいってもね? 星奏の振る舞いはやはり看過できないものがありまして。

星奏は言葉で伝えることが苦手といっていましたけども……だからといってさ、なんも言わずに目の前から去っていいわけではないですよね?

親しい相手に別れの言葉も告げず、手紙の返事も返さないまま放置するというのは、言葉で伝えることが苦手とかそれ以前の問題、人としての最低限の礼儀やマナーがなっていないと言えるのではないでしょうか?

しかもそれを3回もやるわけですよ、この姫野星奏という人間は。

「また繰り返してしまいました」

いや、ふざけるなと。指輪返せとね、私はそう言いたい(受け取ってないけど)。

「俺は君のことが大嫌いだ」と洸太郎が言ったあのとき、正直スッとしました(本音)。

まあ私の所感はそんな感じでしたが、みなさんはどういう風に感じましたでしょうか。

なかなか議論するのが楽しそうなシナリオだったなと思うので、よければコメントお願いします。

みなさんがコメントして、もし私の返信がなかったらこう言ってやってください。

「コメント。気づかないのは、大変なことだよ?」

総評

『恋×シンアイ彼女』は文芸部に所属する國見洸太郎が、様々な女の子と恋愛するお話でした。

ただ、本作は完全に星奏ゲーであり、どこまでも彼女中心の作りでしたね。

洸太郎は星奏に執着しているので仕方ないわけですが、だったら他のヒロインを3人も用意する必要はなかったんじゃないかと。

ミドルプライスにしてヒロインを星奏だけにしても全然成り立つと思います。フルプライスで出す意味はあったんでしょうか。

私は彩音もゆいも凛香も別に嫌いではないですが、本作の核たる部分を描く上では、彼女たちはいなくても全然成り立ってしまうのです。

そういった作りは大いに問題ありなので、ひとつの作品として俯瞰的に評価させていただくと「全体としての完成度は低い」と言わざるを得ないですね。

本体の星奏√はしっかり読みごたえがあって面白かったので、そこは良かったですけども。

色々と波乱を巻き起こすような内容ではありましたが……まあ、そこも含めて面白かったということにしておきましょう笑

あと言い忘れていましたが、森野さんがめちゃめちゃ可愛かったです。

「未来の旦那様」って言われたとき、私の心は森野さんでいっぱいになりました。本作の真のヒロインは森野さんだよ(マジで可愛い)。

とまあそんな感じで、本作は個人的に気になっていた作品だったので、プレイできて良かったです。

『はつゆきさくら』をプレイしたときも思いましたが、新島先生のシナリオと水月先生のBGMは親和性がとても高いですね。

独特の寂寥感とか、胸の奥が高鳴るようなちょっとしたワクワク感とか、そういう雰囲気を感じられてすごく良いです。

なかなか言語化が難しい感覚的なものですが、プレイした方であれば本作の雰囲気の良さ、きっと共感いただけると思います。

Us:trackさん、素敵な作品をありがとうございました。ここまで感想を読んでいただいたみなさんも、ありがとうございました!

点数

恋×シンアイ彼女
シナリオ15
キャラ17
音楽20
システム・演出16
全体の完成度14
合計 82点 (各項目は20点満点)
©Us:track

おまけ

マスターアップイラスト

©Us:track

商品リンク

恋×シンアイ彼女

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