【全年齢ゲーム感想】ATRI -My Dear Moments-(ANIPLEX.EXE)

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『ATRI -My Dear Moments-』の感想になります。

『ATRI -My Dear Moments-』は2020年6月にANIPLEX.EXEから発売された全年齢美少女ゲームです。

主人公“斑鳩夏生”がヒューマノイドの“アトリ”と出会い、
沈みゆく街でかけがえのない想いを育んでいく物語。

※ネタバレ全開ですのでご注意ください。

『ATRI -My Dear Moments-』公式サイト

『ATRI -My Dear Moments-』のネタバレ無しレビューはこちらのサイトに掲載しております。

目次

シナリオの感想

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シナリオ評価:A

すごく綺麗な物語でした。
「これぞ紺野アスタ先生のシナリオ」という感じでしたね。

前半は可愛いアトリを愛でながら、みんなで学校に潮汐発電機を作る日常を描いていきます。

発電機を作るイベントはわりとしっかり描写されていたので面白かったですね。
みんなで苦労して作った発電機がちゃんとできているか。
スイッチを押して明かりが灯るあの瞬間、水菜萌や竜司が嬉し涙を流すのは熱かったですね。

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このイベントは後の様々なシーンに繋がってくる重要なものとなっていました。

  • 学校に明かりを灯すという復興をやり遂げた夏生が自信を持つ
  • みんなで楽しんだ学校の思い出として、アトリの記憶に残る
  • 町の人々が活気を取り戻し、同時に夏生の名声も高まる

といった感じで、物語の中で多くの意味を持たせていました。非常に素晴らしいですね。

そして夏生の初恋の人を探していく内にそれがアトリだと気付いて、
想いを通じ合わせた二人は良い感じの関係になるも……夏生がアトリのログを見てしまったことで状況は一変します。

ここは本作でもっとも衝撃を受けたシーンでしたね。

あれだけ可愛らしく天真爛漫な女の子のアトリが書いた、淡々とした無機質な文章。
凄まじいギャップでした。

アトリは夏生が喜ぶような感情表現をシミュレートし、機械的に反応を返していただけだったことが発覚します。

ここは本当にショックで「アトリ、今までの振る舞いは全部嘘だったのか……?」と裏切られた感覚でした。
アトリへの印象が180度変わってしまいましたよね。

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夏生はこれを境にアトリとどう接するべきかわからなくなってしまったので、
「偽の感情表現をやめろ」とアトリに告げます。

それからアトリは夏生と二人でいるときだけ機械的で無機質な、まさにロボット的な話し方をするようになるわけです——が。

この時点でもわずかに、アトリには感情のようなものが見えていた気がします。

義足に対抗意識を燃やすところや、口が悪いところなどですね。

これらの特徴は可愛らしい振る舞いをしていたときにも見られた態度で、
いわばアトリの「素」のようなものであり。

それに気付いたとき、またアトリへの印象が変わったんですよね。

「もしかして、全部嘘ではなかったのではないか……?」と。

この辺りで、アトリのことをもっと知りたくなっていた自分がいました。
私の中でアトリに魅力が生まれた瞬間というか、そういう音が聞こえた気がしましたね。

紺野アスタ先生の張った網に、まんまと捕らわれた瞬間とも言えますw


そしてアトリと共にエデンへ上陸し、過去の学校襲撃事件をキャサリンから聞かされ、
ヤスダによる学校占拠事件が起きて、アトリの過去を深堀りしていきます。

この一連の描写が本当に素晴らしかったですね。

特に本作のクライマックスと言える、「アトリが自身に芽生えていた心を自覚するシーン」は最高でしたね。
本作でもっとも評価しているシーンであり、大好きなシーンです。

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一生分の悲しみの涙を流すアトリ。こんなの見てる私も泣いちゃいます……。

そこから流れるようにアトリの過去が描かれていきます。
アトリの核心に迫る部分なので、夢中で読み込んでしまいました。

アトリがアトリと名付けられた理由、アトリとマスターの触れ合い、
アトリが学校の生徒に暴力を振るった経緯など、余すことなく描かれていましたね。

本作のたった一人のヒロインであるアトリを深く掘り下げていて、非常に良きでした。
これなんですよね、やっぱり。単体ヒロインのロープラ作品は全力でヒロインを描いてほしいんですよ。

本作は見事にそれを成し遂げていました。素晴らしいの一言に尽きますね。

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そこからアトリは残された貴重な時間を夏生と過ごしていきます。

このパートでは「悲しみしか知らないと思い込んでいたアトリが、実はすでに喜びを知っていた」と自覚するシーンがあります。

このシーンは二つ用意されていましたが、私はその二つの対比には重要な意味が込められていると感じました。

潜水艇で思い出の場所に戻って喜びを自覚するシーンでは、アトリは「こんなことなら好きにならなければよかった」と後ろ向きな気持ちになって泣き出してしまうんですよ。

けど、アトリの誕生会にてみんなで花火をするシーンでは、アトリはすでに喜びを知っていたことを自覚しますが、みんなとの別れを悲しんでも、泣き出さないんですよ。

同じ“喜び”を自覚するシーンにおいて、アトリが泣き出すケースと泣き出さないケースが描かれている。

私は「この二つの違いって一体なんなんだろう?」と疑問に思ったんですよね。

色々考えたのですが、結局この二つは、
アトリが「過去を見ているか」「今を見ているか」の違いなのかなと思いました。

思い出の場所に戻るという行為は、アトリが過去に浸る行為です。

アトリは詩菜と過ごした日々で喜びを感じていたからこそ、悲しみに包まれていた。
それを夏生に教えられて喜びを自覚できたのはいいものの、大事なことに自分で気づけなかったアトリはやはり悲しみに暮れてしまう。

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みんなで花火をする行為は、アトリが今を見つめる行為です。

みんなと過ごした学校での楽しい日々、そんな喜びを知っていたからこそ、みんなとの別れが悲しくなってしまう。
「みんなと過ごした楽しい日々が喜びだったんだ」という確かな実感を、アトリは今、この瞬間に自覚したのです。

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だからアトリは泣き出さない。喜びってこういうことなんだと、自分で大事なことに気づけたから。

この二つの対比はこういうことを言いたかったのかなと。
考察が得意ではないので、的外れなこと言ってたら申し訳ありません。

ただ、この“過去”“今”という対比の解釈はあながち間違ってもいないのかなと思っています。
それはなぜかというと、本作にはきちんと“未来”も提示されているからですね。

本作の“未来”を象徴するものは、言わずもがな“ロケット”です。

人類を存続させるため、宇宙開発の再開を願ったロケットの打ち上げ。
これから先の世界(未来)への希望ですよね。

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このロケットは夏生の父親が必死で開発していたものでもありました。
夏生の父も広義に解釈すれば、未来の象徴と言えるのかもしれません。

  • 夏生の母→過去
  • 夏生→今
  • 夏生の父→未来

といった具合に、斑鳩家の人間にそれぞれ背負わせた象徴があるように感じられるのも面白いですよね。
夏生の背負う“今”が何を意味しているかは、本作の締めのシーンで描かれるので後述します。

さらに本作は、この後半の流れをテーマ的な時系列に沿って描いているのもすごく綺麗で上手いなと思いました。

  • アトリが夏生に教えられて喜びに気づく(過去)
  • アトリが自身で喜びに気づく(今)
  • 発射されるロケットを見守る(未来)

という感じですね。まっすぐ未来へ向かって進んでいるんですよ。

私はこれこそが本作のメッセージなのかなと感じました。

  • 後ろ向いてると大事なことに気付けない
  • 輝かしい今この瞬間を大切にしろ
  • 未来へ向かって頑張って突き進め

そういったメッセージが本作のシナリオには込められているのかなと。


最後に、本作でもうひとつ重要なのが、前述した夏生の“今”を意味する締めのシーンですね。

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この最後のシーンは、夏生にとって最高の“今”の訪れを示しています。

俺にとって一番大事なのはアトリである。アトリといる時間がもっとも重要なんだと。

だからこそ、最後にあの一文が入りました。本作のタイトルを端的に表現しています。

――時よ止まれ、おまえは美しい。

『ATRI -My Dear Moments-』

アトリといる“今”この瞬間こそが、
俺にとっての最高だ、と。

主人公“斑鳩夏生”の感想

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事故で片足を失い、アカデミーで挫折し、幻肢痛(ファントムペイン)に悩まされる薄幸の青年。

なかなか踏んだり蹴ったりな人物ですがアトリと出会うことで全て救われるので、
「アトリに出会うまでの全ての不幸を溜め込んでいた」とでも解釈するべきですねw

片足を失っていた設定はアトリを必要とする良い理由になっていましたし、
夏生の人格を形成する大きな要素として機能していました。

あと、学校に発電機を作って街の人々に希望を与えたのは、シンプルにすごいことですよ。
普通はできませんって、あんなの。学者先生とはまさにって感じでした。

ラストのアトリに会いに行く場面では、夏生のもっとも大事な存在というか、
彼の人生においての結論を述べてきましたよね。

まあそれにしても水菜萌を嫁に貰っておきながら堂々とアレができるのは、なかなか豪胆な精神の持ち主だなとは思いますがw

最愛の人がトップから揺らぐことはない。

それをまざまざと見せつけられた感覚でした。

総評

『ATRI -My Dear Moments-』は片足を失って人生を諦めていた斑鳩夏生が、
アトリとの出会いで未来へ向かって歩み始めるお話でした。

いやー良かったですね。
ボーイミーツガールとしてよくできていたと思います。

独特の世界観も引き付けられるものがありました。
住んでいた街が海の底に沈むなんて想像すらできませんが、単純に踏みしめる大地が削られていくのは恐怖だなと。

シナリオの感想は上に述べた通りですね。
物語が後半に向かっていくにつれて、テーマ・メッセージ性・タイトル回収を意識した作りになっていた気がしましたが、素直に描いてくれたので理解しやすかったです。そこはありがたかったですね。

アトリが心を取り戻して喜びを自覚する場面の意図は、なんとなく汲み取れたような気がするので。
「これでは物足りない」と思う方もいるかもしれませんが、個人的には満足度は高いです。

あと、中盤のアトリが心を自覚するシーンは本作屈指の名シーンで、見入ってしまいましたね。
振り返ると、なんだかんだこのシーンが一番好きです。エンタメとして魅せてくるシーンだったので。

さらに、アトリのロボット的な描写も非常に上手かったように思います。

というか声優の赤尾ひかるさんが凄すぎます。
中盤の機械喋りももちろんすごいんですが、前半と後半でのアトリの話し方、イントネーションや抑揚の付け方が微妙に違うんですよ。この演じ分けが神がかっていましたね。

前半の微妙な状態にあるアトリの演技が一番難しそうな気がしますが、見事に演じ切っていました。
いやー高性能でしたね……w

気になる点はあまり見当たらない気がしますが、一番は夏生とアトリの親交の深さでしょうか。
そこがやっぱり足りていないと思いますね。もっと二人だけの思い出をたくさん作ってほしかった。

CGももっとあればいいのになと惜しい気持ちになったので、
全体的に「もっと見たい」と思ってしまったのが気になる点ですね。

Keyさんの『終のステラ』レベルでCGが充実していて密度も高かったら、神ゲー認定していたと思います。
『終のステラ』の基準で言えば、アトリが作ったマスタード多すぎサンドイッチのCGがしっかり用意されていることでしょうw

『ATRI -My Dear Moments-』は世界観、シナリオ、キャラのどれもが高いレベルでまとまった優秀なロープライス作品でした。

心の中を清涼な風が駆け抜けていったかのような、爽やかな読後感が素晴らしかったです。

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点数

ATRI -My Dear Moments-
シナリオ18
キャラ17
音楽15
システム・演出17
全体の完成度19
合計 86点 (各項目は20点満点)
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おまけ

発売記念イラスト

商品リンク

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コメント

コメント一覧 (2件)

  •  Cyberさん、いつも大変お世話になっております。えりんぎです✨

     コメントの前にまずは6月23日(日)の感謝を。私は基本的に直接、お話することに重きを置いており、かねてよりCyberさんともお話したかったのですよ。そんな私の我儘を叶えてくださり、感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございましたm(_ _)m

     さて、本題の『ATRI -My Dear Moments-』の感想ですね。私は2021年6月に1週間ほどでプレイしました。ゆえに細部は記憶がなく、Cyberさんに違和感を覚えさせるかもしれませんが、ご了承いただければと思います。本作は王道のボーイミーツガール、かと問われれば私は若干異なる、と解釈しています。SF要素、ヒューマノイド要素を多分に含み、独特の、しかし少年少女のひと夏の物語としては極めて高い水準でまとまっていると私は考えていますね。ゆえに私は本作を評価しているつもりです。紺野アスタ先生のシナリオの真骨頂とも言える、青春劇もよく展開されていたと思います。

     しかし、私はそんな『ATRI -My Dear Moments-』を「佳作」と評価しております。これほどの完成度を誇るのに、なぜか。それは最後のシーンと、あまりにもアトリ特化である点です。

     最後のシーンについては貴記事でもあまり触れてはいませんでした。一方、Cyberさんが仰るような“今”に着目されていたことは明確です。事実、私も感動を覚えました。ですが、私には少々陳腐に映ってしまうところがありました。これはどちらかと言うと、私が過剰に要求しているだけでお恥ずかしい話ではあるのですが、値段相応の感動の提供に過ぎないというか、先日の『ましろ色シンフォニー』の感想へのコメントで述べさせていただいた言葉を引用するなら、「恋愛要素以外に誤魔化された(アトリと夏生の関係性を重視するとなおさら)」感覚を強く感じたのですね。

     また、アトリ以外のサブキャラクターである水菜萌や竜司の存在です。値段帯を考えれば仕方ないことなのですが、アトリ以外のキャラクター(キャサリン含む)の掘り下げが不足していると言わざるを得ません。また、肝心のアトリとも貴記事でご指摘いただいた通り、CG等で上手く可愛さを表現できているかは微妙なラインでした。さらに夏生とアトリとの親密度をピックアップするイベントをCG付きで見たかったです。

     と、まあ、結構言ってしまいましたね(笑)誤解していただきたくないのは、私は本作には好感を抱いているということです。しかし、『ATRI -My Dear Moments-』はその重厚なテーマ性に対して、値段(=尺)がかなり不足しています。私はANIPLEX.EXEをはじめとした、この制作陣ならならさらに高い段階の作品を制作できると信頼しています。ゆえに、敢えて本作の評価を「佳作(点数的には68点)」で置いています。もっと単純に言いますね。「頼むから、フルプライスの重厚なノベルゲームを作ってくれよ!」。以上です(笑)

     以上となります。今回のコメントは正直、Cyberさんの見解とはかなり祖語があるかもしれません。しかし、アニメ化も控えたこの時期に本作の感想記事を執筆していただいたCyberさんには何か私が感じた言葉をお届けしたい。そう考えて、コメントをさせていただきました。何か、少しでもCyberさんの参考になれば幸いです。長文失礼致しました。また、貴記事にコメントさせていただくかと思いますが、その際はよろしくお願いいたします✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。

    • えりんぎさん、コメントありがとうございます。
      こちらこそ、いつもお世話になっております。

      スペースの件はこちらこそありがとうございました(*^^*)
      またお話する機会があれば、そのときはよろしくお願い致します。

      『ATRI -My Dear Moments-』の感想へのコメントありがとうございます。

      >>「恋愛要素以外に誤魔化された(アトリと夏生の関係性を重視するとなおさら)」感覚を強く感じた

      えりんぎさんの仰っている「最後のシーン」というのは「TRUE END」のことを指しているのだと推察します(間違っていたらごめんなさい)。

      TRUE ENDにおける夏生とアトリの再会までの過程はおざなりで、テキトーな部分があるとは私も思っています笑
      言葉は悪いですが「とりあえず再会させておけばいいでしょ?」的な投げやりな印象というか、そういう風に感じる方もいるかもしれないなとは思いました。

      ただ、感想でも述べた通り、私はこのシーンに関しては「タイトル回収」という意図が一番強いように感じました。
      「夏生にとって一番重要な存在・このタイトルを付けた意味」
      それを伝えるためのシーンだったのかなと。

      もっとも、それが先行しすぎた結果、ああいった描写になったのかもしれませんが。
      少なくとも、私はそのように解釈しております。

      >>夏生とアトリとの親密度をピックアップするイベントをCG付きで見たかったです。

      本当にえりんぎさんの仰る通り、夏生とアトリが親密になっていくイベントはもっと見たかったです。
      アトリを前面に押し出した作風なので、ここは妥協すべきではなかったと思いますね。

      >>『ATRI -My Dear Moments-』はその重厚なテーマ性に対して、値段(=尺)がかなり不足しています。

      仰る通りですね。本作はSF、特に“ロボットに宿る心”というテーマとしては描写が薄いです。

      本文では書かなかったのですが、アトリが心を自覚する瞬間は感動できるのでそれ自体は非常に良いんです。
      ただ、そのきっかけとなる学校占拠事件は完全にそのための流れであり、ヤスダはそのための駒という印象は正直ありました。かなり強引にあそこまで持っていったのが玉に瑕ですね。もっと繊細かつスマートに描けていれば、さらに良いシーンになっていたように思えます。

      以下は私の個人的な意見ですが、そもそも海底でアトリをサルベージした時点ですでに彼女に心は宿っているわけなので、「“ロボットに宿る心”というテーマを本格的に描くにはどうなんだろう?」という疑問も浮かびました。

      夏生とアトリが正真正銘の初対面で、アトリの経験が0のところから描くべきではないかなと思うんですよね。まあそれをやるとそれこそ尺が足りないとなるので、アトリのバックボーンは予め用意されていたのかもしれませんが。

      あと、ロープライスでSFを描くのは「噛み合わせが悪い」とは正直思います。

      SFはその作品ならではの科学に関する独自の解釈・要素をユーザーに理解させる必要が出てくるので、そこの説明にどうしても尺を割かれがちなんですよ。

      『景の海のアペイリア』を例に挙げれば、量子論の解釈に膨大な量のテキストが流れてきた感じですね笑

      こういった点がキャラクターたちの恋愛を描くことにおいて対立・阻害する点になりがちで、えりんぎさんの仰っている「恋愛要素以外に誤魔化された」が起こりがちであると考えます。

      ガッツリSFやるならフルプラのシナリオゲーがやはり適切なのかなと(えりんぎさんがお望みの形ですね)。
      ロープラ作品は壮大な設定を匂わせすぎないような、キャラの魅力中心のゲームにしておくのが丸い気がします。

      あと、今回えりんぎさんにコメントをいただいて僭越ながらひとつご提案したいなと思いました。
      えりんぎさんには、Keyさんの『終のステラ』をプレイしてみてほしいです。

      『終のステラ』は『ATRI』と同じロボットSFモノのロープライス作品ですが、重厚なテーマを短めの尺で丁寧に描き切っている、非常に素晴らしい作品だと私は感じました。

      えりんぎさんのお求めのものが、そこにあるかもしれません。
      突然のご提案で失礼かと思いましたが、得るものが多い作品だと感じたので、余裕があればぜひプレイしてみてほしいです。
      ……もしプレイ済みでしたら、そのときはごめんなさい!

      最後に、えりんぎさんのコメントで本作に関しての新たな知見を得られました。ありがとうございます。

      ノベルゲームは「100人プレイした方がいれば、100個違う感想が出てくる」と言われるほど受け手によって評価が変わりますが、私はそこもノベルゲームの魅力であると考えています。なので、私と真っ向から対立する意見であってもじゃんじゃんコメントしていってほしいです。

      お互いに作品への理解を深めていけると嬉しい限りですので。
      これからもどうぞよろしくお願い致します(`・ω・´)ゞ

      以上となります。長文失礼致しました。

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