『Relirium-レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』の感想になります。
本作は2026年5月にWhirlpoolから発売されたエロゲです。
突如日本の洋上に出現した島である「古都アマツチ」を舞台としており、アマツチ学園に入学した主人公の“絢瀬陸”が、アマツチで失踪した両親の行方を探る……というのが主なあらすじ。
Whirlpoolの最終作、プレイしないわけにはいきませんよね。この目で見届けていきますよ!
※ネタバレ全開ですのでご注意ください。
『Relirium-レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』公式サイト
『Relirium-レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』ネタバレなしレビュー(姉妹サイトヘ飛びます)
シナリオの感想
カグヤ√

カグヤと世界の危機をもたらす邪神に立ち向かうお話。
わりとわかりやすい構成のお話で、比較的楽しみやすい内容だったかなと。
最後の着地は少し予想外でしたが、カグヤを慕っているサブキャラたちが最後まで付いてきたのは面白かったですね。
彼らは多少の掘り下げもあって、見ていて面白かったです。夜見沢は結局よくわからなかったけどw
後半の世界の危機パートでは伏線のような描写もありまして、他の√の内容が少し気になりましたね。両親普通に生きていそうで、それがサラッと描かれたのは驚きましたが。てっきり、もっと引っ張るものかと。
後はファンサービスも色々ありまして、Whirlpoolの過去作をプレイしていればいるほど楽しめそうだなと。
世界観の詳細についてはまだまだ色々と謎だらけで、この√だけでは全容はつかめないですね。一応、なんとなく概要を掴めるような描き方ではありましたけども。
個人的には色々と無難に収まった感じがしましたので、シナリオ評価はBとしています。
エッチシーンはクリア後のやつがすごくエッチで、あれはとても良かったです。カグヤさんって、本当はすごくスケベなんですよねぇ……w
七海 凪√

凪と凪が持つ指輪の謎を描くお話。
前半の付き合うまではとても良かったのですが、後半で完全に失速した印象でした。
前半は陸と凪の恋模様がぎこちない歩みではありながらも徐々に距離を詰めていくような感じで、上手く描けていたと思います。
育実さんのお節介が極まっているところは見てて笑えましたが、後で振り返ると、凪のためにあそこまで身を粉にして動くのも納得できるところではありましたね。
マグマのエリアで陸と凪が勝負するシーンは個人的ハイライトで、この√でもっとも面白かったシーンだと思います。
ユニークな発掘品の使い方や、凪と育実の上級冒険者タッグのコンビネーションでジャイアントを沈めるバトルの様子ははなかなか熱く、冒険らしい魅力に満ちていて好きなシーンでした。
ただ、そこから先の後半のシーンで唐突な要素が出てきて、気持ちが付いていかなかった点が残念でした。
凪の病気設定は本当に必要だったんでしょうか。伏線もほとんどなかったので、「えぇ……」と困惑させられただけだったように思います。
凪と育実の関係性もその前提で積み上げてきたものがあるのでそういったやり取りになってますけど、何も知らないこちらからすれば二人が何を言っているのかわからないシーンが多く、どうにも置いてけぼりにされているような印象が強かったです。
主人公の陸もこの点においてはぶっちゃけ蚊帳の外で後から知らされるだけなので、基本的にどうしようもないという。
まあ先に知らされてもどうしようもないかもしれませんけど、そういうところを二人で考えて将来のことまで語り合うのが恋人やパートナーというものではないのでしょうか。
凪は自身の境遇に関してある程度の悟りに到達してしまっているので、陸の介入する余地がほとんどないのがぶっちゃけ見ていてつまらない。物語の展開に余白がありませんね。決まっているゴールに進んでいくしかない感じというか。
ラストも凪がなぜ転生できたのかも不明で、納得できるような説明もなく。どうせ復活させるのであれば、アナトの意識がひとつになって奇跡の力を起こすとか、そういったわかりやすい描写を入れておくべきだったのではないでしょうか。
後半については全体的に読み手への配慮が足りていない印象で、面白さを感じられなかったのが残念でした。
個人的には冒険者ランク1位の最強冒険者のシナリオはもっとこう、ワクワクとドキドキに満ちたものであってほしかったですね。
予想外に湿っぽい方向に話が流れてしまって、興が削がれてしまったような感覚が強かったです。
総じて、前半は良かったものの後半の失点が大きすぎたので、シナリオ評価はCとしています。
テーマパークでヘルミリアが出てきたのは笑いました。「ね」エリアの背景とかもですし、この√は『はじ論』要素が多かった気がします。
大松 育実√

凪のことに踏ん切りつけた育実と結ばれるお話。
記憶喪失とかサトラセソウとか色々飛び道具を使って展開早めてましたが……まあサブ√なので許容範囲かと思います。
最後凪が戻ってきたのは謎でしたが……w まあサブ√なので(
ツンデレセリフを吐く育実さんがめちゃくちゃ可愛かった。フェラも私好みなシチュで最高でしたぞい。
リゼット=アルベール√

リゼットが自らの胸に秘めた目的のために、リゼット聖騎士団を率いて邁進するお話。
前半はリゼットと恋人同士になるまでを描いているパートでした。
お互いの想いが通じ合うシーンはなかなか良かったです。
主人公の「最初に気にかけてくれたリゼは自分をニュートラルなところに引き戻してくれる存在」という言葉が記憶に残りましたね。
この√では少し主人公の描写が増えていた気もしたかな。
「対人戦だけでいえば私より強い」とパトリシアに言わせるぐらい、陸くんは結構戦えるやつみたいで。他の√ではそんな印象全然なかったんですけどw リゼットが戦えないキャラなので、若干陸くんにその役割が向いていた感じもします。
リゼットの本当の目的に関してはブンブン団の団長がカタリナのことを口にするまで話が進まないので、かなり焦れてしまいましたね。
そこからお姉さん絡みで話が進んでいくんですけど、ここはリゼットの暴走が悪い意味でかなり目立っていて、ちょっと見ていられなかった。
シナリオの話運びについても不満があり、焦って突っ込んで毒で倒れるものの解毒剤でケロっと復帰してくるリゼットとか、後になって陸に本心を打ち明けてパトリシアがそれを聞いていたことで良い方向に転んでいくところとか。
ぶっちゃけご都合主義だと思います。あまりにもリゼットの不始末をフォローするような展開の連続で、「いや、さすがにないだろ」と思ってしまいました。
パトリシアが事情を把握しなかったら、陸と二人で魔の森に突っ込んでやられてそのまま終わっていた可能性もあると思いますし。
あと、トワが力を貸してくれた理由も不明。
陸に対しての邪険な振る舞いはツンデレのようなものだと解釈しているのでそれはいいのですが、リゼットに対してなぜあそこまでフォローするのでしょうか。
こういう風に言ってしまうのはあれですけれども、個人的にはリゼットの魅力がかなり不足していたように思います。
「こいつは本当に仕方ないやつだな」って呆れられながらもなんだかんだみんな付いてくるような、リゼットのキャラ的にはそんなカリスマ性を溢れさせる必要があったと思うんですけれども、そういった魅力が圧倒的に足りていなかったですね。
戦いはてんでダメだけど遺跡移動中のトークがめっちゃ面白いとか、肝心な場面で重要なことに誰よりも早く気づくとか、団員を利用しているけれども、団員たち一人一人の特徴やクセを細かく把握しているとか。そういうわかりやすい長所を描く必要があった気がします。
そんな感じで後半は気になる要素が多くて、いまいち乗り切れなかったですね。姉が復帰できたのは良かったので、それは良いんですけれども。
細部が色々と雑でモヤモヤが残ってしまったので、シナリオ評価はBとしています。C寄りのBという感じなので、個人的には微妙なシナリオでした。
パトリシア=ブラック√

パトリシアと色々争って、いつの間にか親密になっているお話。
思ったよりシリアスな展開になってましたけど、エッチシーンはギャグ風味で笑いました。
ラストはなんか打ち切られた感がすごかったので、もうちょい丁寧に締めてほしかったかも。
パトリシアは色々と深掘りできそうな設定がありそうなので、じっくりやってほしかった気持ちもあり。
爺との関係性とか孤児院の子どもたちとやり取りする様子とか。その辺りもちょっと見たかったですね。
花守 トワ√

トワが異世界人であることが明らかになり、世界と友達になるためにアマツチの秘密を全世界に公開するお話。
陸とトワの過去の関係、トワの秘密、陸の両親の安否などが明らかになった内容だったかと思います。
若干話の規模が大きくなっていましたが、中心に据えられていたのはトワだったと思います。
孤独で拗らせまくっていたトワの心を救う物語でしたね。大雑把に言えばキャラゲーのシナリオ的な感じでしょうか(あくまでヒロインが軸)。
トワの両親の問題が解決していなかったですが、これはグランドに任せた形でしょうね。アマツチの深淵とまとめて、そこで描いていくんだと思います。
良くも悪くも素直な内容だったので、目立った長所や短所は正直なかった気もしますが、本作はトワ√に限らずなんですけど、遺跡や冒険というロマンあるコンセプトに反して演出が結構貧弱でそこはかなり気になりましたね。
アイドル部の部長や陸の両親といった出番の多いサブキャラクターは立ち絵がほしかったです。ボイスもモブっぽく、どうにも扱いが軽いというか。まあアイドル部の部長は百歩譲っていいとしても、陸の両親についてはしっかりとした個性を感じられるキャラ造形にしてほしかったです。
後はトワの大舞台となるライブについても、エフェクトやアニメーションなどもほぼなしで、世界の命運を分ける重要なイベントのわりには演出不足が否めません。これでは正直物足りないですよね。
Whirlpool最終作ということで結構豪華な内容を期待していたんですけれども……その辺りは結構肩透かしで残念に思いました。
シナリオの内容は悪くなかったので評価はAとしていますが、演出面なども考慮すると、ややB寄りになってしまう感じではあります。
一応良いところも言っておくと、トワのキャラ造形はなかなかクセ強めというか、素直じゃないけど可愛らしいなと思ったので、そこは評価点かと。
あとはほたるの掘り下げがあったのも良かったですね。ほたる祖父のケガからほたるが学園やヨヅハをよく思っていない理由まで、わりとちゃんと描かれていた気がしました。
本作は全体的に私の想像していたものとは違った内容という感じなんですが、グランドルートで巻き返してくれるんでしょうか。
もっとロマンを感じられるようなものを見せてほしい。そこに期待したいと思います。
桜町 ほたる√

ほたると一緒にアマツチに潜って、アマツチを共に知っていこうとするお話。
めちゃくちゃシンプルな内容でしたけど、それゆえにスッキリしていて読みやすかったですね。
ほたるも表面的にはキツく当たってきますが、実際はとても素直な子で可愛らしかったです。
冒険者やアマツチのことを大して知らないことを指摘されると、それを受け入れて積極的に知っていこうとする。とても健気で良い子ですよね。
風音様ボイスも最高でしたし、個人的にはなかなか好みのキャラでした。
True

アマツチの深淵に辿り着き、あらゆる謎が明かされるお話。
さすがにTrueは総決算という感じで、読み応えがあって面白かったですね。
- アマツチの深層
- タカモリの謎
- トワの両親の行方
- 陸の両親の不治の病
- ケロッグの元の姿
上記の点を主に気にしていたのですが、ほぼ全て回収されましたね。
アマツチの最奥では唐突にロリが出てきて面食らいましたが、まさかの全能たるアマツチの意志。
あそこはノベルゲーム的には選択肢があると面白いかなと思いましたが、陸たちがトワを差し出すわけがないので、まあアレでも良かったかなと。
にしてもアマツチの意志が作り出したコピー(イヴ、レア、トワ)は好き勝手に動き回ってますが……制御することはできなかったんですかね。
自分で動けないしコピーの操作もできないというのは、普通に不便ではなかろうか。あと、この役割を持たせた人は花守一族だけなのだろうか。
意志ちゃんの見た目がそれっぽいので、オリジナルとコピー以外の繋がりもありそうです。まあこの辺りの細かい部分は曖昧なのでわからずでしたけれども。
その他の要素はタカモリが面白かったですね。まさかの守護聖獣。これは声上げて笑いました。ドラゴンの姿の見た目と声があってなさすぎるのおもろい。
後はウダツとかも地味に掘り下げがあったりして、細かいところまで描いていた印象。ただの悪友で終わらせなかったのは英断。
真っ先に自らが犠牲になるという漢気を見せてくれましたし。最後の最後で好感度を上げてきた、良いサブキャラだったと思います。
ケロッグは元の姿に戻ってほしかったんですけどねー。蛙のまんまで反射的にツッコミましたよ。「いや戻らんのかい!」とね笑
そんな感じで、色々盛り沢山のTrueで読んでいて面白かったです。
リゼット、凪、カグヤの諸問題も解決し、全てのキャラを総動員した理想的なTrueだったと思います。
まあ凪の病気のスピード解決だけは違和感ありましたけど。万病に効く花はさすがにチートすぎる。あれだけウダウダやってた個別√はなんだったのかと……w
総評
『Relirium-レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』はカジュアルにファンタジー世界を楽しめる、原点回帰的な昔ながらの良きWhirlpoolという感じがしました。
冒険というコンセプトのわりには基本に忠実で、堅実な作りだった印象ですね。
ただ、個人的には演出面がかなり貧弱で、そこは明確に気になった点です。
バトルのエファクトやCG、立ち絵の動きなど、いくらでも力を入れるところはあると思うんですが、過去作からほとんど進化が見られなかったのは残念。
最終作なのでその辺りも大きく力を入れているとか、そういった豪華な演出を期待していたんですけどね。これには肩を落としてしまいました。
TIPSも解説があるのは良いですが、モンスターのビジュアルなどは用意されているのとされていないものがあり。これもできれば全て見れると嬉しかった。
冒険者図鑑みたいなものを用意して、そこで世界観の設定とかモンスターの生態とか、そういうのをまとめていても面白いんじゃないかなと思ったり。
まあ色々不満も言いましたが、高品質な作品であることは間違いないので、今までのWhirlpool作品を楽しめた方であれば、素直に楽しめる内容になっているんじゃないかなと。
Whirlpoolさん、20年間ありがとうございました。ここまで読んでくださった方も、ありがとうございます!
点数
| Relirium-レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と | |
|---|---|
| シナリオ | 15 |
| キャラ | 17 |
| 音楽 | 17 |
| システム・演出 | 16 |
| 全体の完成度 | 18 |
| 合計 83点 (各項目は20点満点) | |

おまけ
マスターアップイラスト

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