『旭光のマリアージュ』の感想になります。
『旭光のマリアージュ』は2024年8月にensembleから発売されたエロゲです。
略称は『旭マリ』ですね。
主人公“スレン・アイリーク”が《旭光の花嫁》である“リア”と契約し、
ミディール聖王国の英雄を目指す物語。
※ネタバレ全開ですのでご注意ください。
『旭光のマリアージュ』のネタバレ無しレビューはこちら(姉妹サイトへ飛びます)
シナリオの感想

リア√

主人公のスレンはリアを花嫁に迎え、「活躍して英雄になることで孤児院の家族たちを救う」と宣言し、
魔術学院で英雄を目指すお話。
と、表向きはこういったあらすじですが、
その実は「スレンは家族を殺した裏切り者たちの始末を画策する、帝国の密偵」という衝撃の事実が隠されていました。
スレンとクライヴとの戦闘シーンにおいてようやく、
断片的に描かれていたシーンの数々の意味が明かされます。
ここの引き込みが本当に凄かったですね。
今までの表向きの日常シーンが全て頭から吹っ飛んでしまいました。
というか、ここからこのゲーム始まった感があります。スレンに何か隠されているのは明白だったので、
「早く来てくれ……!」とじれったい気持ちでいっぱいでしたw
にしても早々にクライヴが退場してメルも消滅してしまったのは驚きましたね。
旭マリ、なかなか飛ばしてきますよ。こういう勢いのある展開は大好きです。

ちなみに私はこういうFateとかローゼンメイデンみたいな、人外同士のド迫力バトルが超好きです。
なかなか悲劇的というか愁嘆場って感じではありますが、熱かったので興奮してしまいましたw
そして次の仇であるオンベルトに単身挑んでいくアラド。
大魔術士であるオンベルトの方が戦闘においては上手だったようで、
殺されかけてしまうアラドだったが、リアがワープ?で駆けつけてオンベルトを刺殺する。
ここはリアが救ってくれる展開が熱かったですね。お約束というやつですよ。

にしてもこのCG、躍動感あってカッコイイのに花嫁衣装がエチエチすぎてこう……w
まあエロゲだからね、仕方ないね!!
にしても、このシーンは「オンベルトは時間を止めることで、アラドの放った光から逃げ出す時間を稼いだ」という描写が前にありましたが、
直前の「時間が止まった世界でも、光の動きは止まっていない」という描写と矛盾する気がするんですが。
これはどういうことなんでしょう。
防護魔術が光に打ち破られる前に逃げ出した、ということなのかもしれませんが、
光は止まらないみたいなので、どっちにしろ意味がない気が。
なんかここは微妙に納得いかなかったですね。
まあそんなことはともかく、オンベルトはリアに殺されてしまいました。
オンベルトの退場がすごいスピード感あって少し笑いましたが、アラドの計画は順調に遂行できていますね。

こんな画像が挿入されたので、ここまでがⅠ章ということなんでしょうか。
終盤が怒涛の展開でめっちゃ面白かったですね。
スレンの目的は果たされるのか。リアとの関係はどうなるのか。
片時も目が離せなくなりましたよ。
次のⅡ章はリアがルミアリアだったころの記憶を取り戻し、アラドと結ばれるパートでしたね。
ここは2人の関係性がガラッと変わるわけですが、
「過去の2人の関係の延長」と言えるような変化となっていたのが粋でしたね。
あの頃とは別人のようになってしまったアラドと、
殺されて人間ではなくなってしまったリア。
過去の2人とは色々変わってしまっているわけですが、それでもお互いを想う気持ちは本物で。
いやーもう、これが「純愛」というやつですよ……! 見せつけてくれますよね。

二人の恋愛描写はとても良かったですが、シナリオ的には気になる点が結構ありますね。
- 花嫁化の条件(一度殺す工程が必要のようだが、詳細不明)
- スレンが生き延びた理由(あの現場を見た上で、逃げて生き残れているのは不自然)
- 大司教たちがスレンを泳がせている理由(彼の思惑には気付いているはず)
- フィーネとクロエが生きている理由(彼女達は孤児院の家族である。フィーネは王族だから見逃されたとしても、クロエは殺されているはずだが……)
- アンリエッタの真意(孤児院の件は把握していてもおかしくない。記憶を消されている?)
といった感じで、色々疑問が尽きないです。
クロエは実は花嫁になった説あるんでしょうか。不老になるとか言ってましたもんね。
けど花嫁は3人って最初に言ってたので……彼女は出来損ないの花嫁とかそういう存在なのかも?
色々わからないことが多いですね。
綺麗に説明してくれると嬉しいですが、どうでしょうか。
Ⅲ章はルシエラとの決戦でした。
ここでルシエラとラヴィの真意が描かれ、二人の関係性やルシエラの家族への想いなどが明かされました。
決して割り切れてはいなかったルシエラと、ルシエラを苦しませないために道具になりきろうとしたラヴィ。
二人のお互いを想い合う気持ちが如実に描かれていて最高でしたね……。

これで残すところは大司教とリアですが、一体どうなってしまうのか。
というか大司教を守る戦力がもういなくなってしまった感がありますが……どういう戦闘になるんでしょう。
そこちょっと気になりますね。
そして突然現れた大司教と戦うもアラドとリアはなすすべもなく敗北。
アラドは一度死んでしまうも、アラドが内に秘めた家族たちの想い?によって蘇生する。
リアを奪われたアラドは指輪を取り返すために大司教の元へと急ぐが、
途中でアンリエッタに阻まれてしまう。
リアを連れたアンリエッタとの戦闘にまた敗北しかけるアラドだったが、クライヴから引き継いだメルの指輪が火を放つ。
メルの想いを受け取ったアラドは彼女と共闘。
見事にリアとアンリエッタを下すことに成功するも、指輪が砕けてしまったメルは先に旅立ってしまう……。
いやー、熱い熱いです。
最初の大司教との戦闘は先生の闇がついに見えた感じでしたね。
自分が保護していた子供たちを殺戮しておきながら、愛だの救済だの語り出す先生、完全に狂人でした。

戦闘は小妖精を使役していた大司教に一方的にやられてしまう展開で、見ていて気分が良くないです。
最後の最後でぶちのめしてくれることに期待したいですね。
そしてアンリエッタとの戦闘なんですけど……ここはもう純粋に辛いです。
だってあれだけ愛し合ったリアがさ——

容赦なく剣を向けてくるんですよ。
しかもご丁寧にCGつきというね、いや、鬼か?
「ここでCG使ってくるか……!」とやられた感がありました。
完全にアラドと我々のメンタルを刺しに来ているというか、開発の手のひらの上で転がされている感がありましたね(良きです)。
リアが剣を向けてくるのは辛かったですが、メルと一緒に戦うのは素直に熱かったです。
過去に戦った相手と共闘する。
バトルにおいてバチクソ熱い展開、古事記にもそう書いてあります。
クライヴのときみたいに2人が戦うCGをもう一回出して対比させるとなお良かった気もしますが、
そこまでは求めすぎというものでしょう。
あと、このシーンではアンリエッタの真意が描かれていたのも良きでした。
地味に気になっていた部分だったので、知れて満足できましたね。
ここはなかなか評価できるポイントが多くて、見所のあるシーンだったと思います。
そして最終戦、大司教との戦闘ですね。
小妖精が力を吸い取っていることを察知したアラドは、
ありったけの魔力をあえて吸わせることで、大司教のキャパを越えさせて倒すという作戦を思いつきます。
そこでアラドとリアは力を合わせ、超弩級の一撃を叩き込む……!

あ~~~~~~~良い!!!
(*゚▽゚ノノ゙☆
あまりにもわかりてすぎて、100万回拍手しました。ensembleさん、ありがとう。
最後の二人が消えていくシーンも最高すぎてヤバい。語彙力がなくなりました。
ちなみにこのときにアラドはアンリエッタに撃たれてしまいますが、
多分このシーンの意図としては復讐を全肯定しないというか「連鎖するものである」ということを言いたかったのかなと。
アラドは家族を殺された復讐として大司教を殺害しますが、
アンリエッタは大司教(母親)を殺された復讐としてアラドを殺害する。
どちらも「家族を殺された者の復讐」という構図となっています。
アラドが復讐を果たすと、また新たな憎しみが生まれてしまう。
復讐というものの本質をまざまざと見せつけてきた感じでしたね。
リア√は全体としてはめっちゃ綺麗で特に文句もないシナリオではありましたが、色々と謎は残っていますね。
- 大司教はなぜ狂ったのか
- リアやメルはアラドと再契約したとき、なぜ記憶を維持できていたのか
この辺りが疑問なので、他の√で明かされると良いですね。
にしてもタイトル画面の3人を見ていると、クロエやフィーネも花嫁になってしまうのでしょうか。
リア√とは別側面のお話が描かれそうで、そちらも非常に楽しみです。
ともあれ、リア√めちゃくちゃ面白かったです。ありがとうございました!
クロエ・ルーアン√

クライヴの故郷を滅ぼした影が出てきて、アンリエッタとメルが死亡しました。
さすがに衝撃すぎて乾いた笑いがでましたよ。
いきなりぶっこんできましたねー。マジか……って感じです。

行方不明者が続出した現状を緊急事態だと認識した魔術士団は黒き影であるケルヌンノスの討伐作戦を決行。
だが、現れたケルヌンノスの力は強大で、魔術士団たちや大司教、果てにはリアまでがその犠牲となってしまう……。
いやークロエ√はなかなかすごい展開ですね。
リア√の真逆をいく感じというか。アラドの倒すべき相手が続々と消えていきます。
というかリアまで消えるのはさすがに予想外でした。
ケルヌンノスとクロエに何か関係があるのは予想通りですが、
具体的にはいまいちわからず。
これはめっちゃ気になりますね。どんどん進めていきます。
ケルヌンノスを討とうと魔術士団は戦うもなすすべもなくやられていく。
スレンはクロエを抱えて逃げようとするも、ケルヌンノスは前に立ちはだかる。
スレンはその身に残っていたリアの力でケルヌンノスの闇を剥がすと、そこには死んだはずのクローシェの姿が見えたのだった……。
これはまあそうなんだろうなという感じでしたね。
リアがケルヌンノスの闇を剥がしたときに、それを推察できる描写がありましたので。
というか、その描写があったのにうだうだ戦闘を始めるので、この場面は少しダレてしまいましたね。
スレンは必死にケルヌンノスを討とうとしますけど、ケルヌンノスにはその気がないのでこのバトルは意味がない。
おそらくケルヌンノスが死んだはずのスレンに魔力=生命力を供給しているんでしょう。
ケルヌンノスはスレンを襲わない。なぜなら守るべき対象だから。
クローシェは多分花嫁になりきれなかった、出来損ないの花嫁みたいな存在なのかなと。

そして、クロエの過去が明かされて、スレンとクロエが結ばれます。
いやーここで全てが繋がった感覚がありましたね。そういうことだったのかと。
クローシェがスレンを花嫁にする《婚姻の魔法》(マリアージュ)には心が震えました。
ここでタイトルを回収してくるとは。いやはや脱帽でしたね。
そして不完全な魔法故に自身も妖精と化してしまったクローシェは、
人を喰らい続けて、いつしか化け物と呼ばれる存在になっていく。
なんて悲しい過去なんでしょう。けど、これも純然たるスレンへの愛ゆえの行い。
これを誰が責めることができるでしょうか。
クローシェの魅力が天にまで高まった最高のシーンでしたね。
そしてスレンとクローシェは無事に結ばれるわけですが——

ドッギュゥゥゥゥン!!!!(新しい性癖が目覚める音)
というかエッチの最中におとーさんおとーさん連呼するの、背徳感すごすぎてマズイですってw
そしてクローシェとケルヌンノスがバトルして、クローシェがブライドとなってケルヌンノスを説き伏せ、
彼女たちがひとつになろうとしたところでオンベルトが現れてケルヌンノスを奪っていきます。
オンベルトは10年前のあの事件を「無かったことにするため」、時を戻す魔法を行使すると宣言します。
いやーこのシーンはなかなか濃かったですね。
オンベルトの目的には驚かされました。
クローシェはタイトル画面で花嫁の恰好をしていたのでどこかでブライドになるんだろうとは思ってましたが、こういう形だとは。
ブライド化の原理は相変わらずよくわかりませんが、まあかっこよかったのでオッケーでw

ブライド化、わかってはいてもやっぱりカッコイイですね。
にしてもCG2枚とクロエの新立ち絵(ブライド版)が出てくるのはなかなか豪華な演出でした。
オンベルト先生は過去の過ちを認め、それを無かったことにするために時を戻す魔法を行使すると言います。
まあその考え自体は間違ってはいないと思いますけど、だったら「最初から元凶である大司教を全力で止めておけよ」と言いたいですね。
しかも被害者であるスレンとクローシェがそれを望んでいないわけですから、まあやるべきではないでしょう。
オンベルトのやろうとしていることは「独善」というやつですね。
こういう「辛い現実を無かったことにして理想の世界へ向かうことの是非」は色んなゲームで語られてきましたけど、本作ではどんなやり取りが見られるんでしょう。そこは少し楽しみですね。
そしてその後は決戦前にクローシェとしっぽりしていきます。
初っ端から濃厚なフェラを見せつけられて、非常に捗りましたね。このシーン最高ですわ。
精子ぶっかけられてウットリしているクローシェの表情がたまりません。

完全にメスの顔である。
その後はまさかの騎乗位。文字通り、スレンはこの子の尻に敷かれてしまうのです。
おチ○ポの上に立つことで優位を取った気になったクローシェですが、甘かったです。
膣奥を突かれてよがりまくる彼女の表情、たまりません。

完全にメスの顔である。
いやーこのエッチシーンは本当良かったですね。
クローシェがエロ可愛すぎて最高でした。最初のフェラもフェラ好きの私としては大満足のデキでしたし。
文句なしのえちえちでした。
そして運命のオンベルトとの決戦。
早々にオンベルトに遡及魔法を行使されかけてピンチに陥るも、
スレンとケルヌンノスがクローシェに全てを託してオンベルトを止める流れでした。
まあさすがにここは止めてくれるだろうと思っていたので素直なラストでしたが、
クローシェの後ろにケルヌンノスが出てきて力を貸しているあのCG、最高でしたね。

ensemble氏、オタクが好きなものをわかりすぎている。
こういうヒロインに一点集中させて敵をぶっ叩くやつ大好きなので、他のブランドさんももっとやってくださいね!!!
ラストの旭光の元へ歩んでいく二人のCGも最高でしたし、満足度は高いですね。
オンベルトが最後に遺した言葉がちょい気になるぐらいでしょうか。
彼はクロエの父親とかだったりするんですかね? フィーネ√で全ての謎が明かされると良いのですが。
ともあれ、クロエ√も非常に面白かったです。
救いの手が差し伸べられても強い意志ではねつけるクローシェ、最高に格好よかったですね。
10年間険しい道のりを歩んできたクローシェでしたが、「それが自分の人生だ」と毅然と言い張る姿は本当に素敵でした。
過去の惨劇がなかったことになったとして、人のまま生存し続けられる世界になったとしても、
そこにいる自分はもう自分ではないんですよね。
他社作品にはなりますが『AMBITIOUS MISSION』や『ペルソナ5 ロイヤル』でも似たようなメッセージがありました。
こういったメッセージを深く考えたい方は上記の2作品にも見所がありますので、おすすめですよ。
まあクロエ√の感想はそんな感じで。
お次はラスト?のフィーネ√ですね。最後まで見届けていきましょう。
アルフィーネ・ミディール√

フィーネがクロエの指輪を引っこ抜いてスレンを自分の花嫁にしてしまいました。
いやーこれはちょっと引きましたね。
クロエ√プレイ直後にこんなの見せられると、さすがに不快になってしまう。
クロエが死にかけながらもブライド化させて10年間命を懸けて守ってきたスレンを、なんでいとも簡単に自分のものにしちゃってるんすか?
これはフィーネの印象がかなり悪くなってしまいましたね。
後のエッチシーンもスレンに命令して犯させるとかいう意味わからないことしてますし、この王女まじでヤバいです。
開幕からとんでもないものを見せられていますが、ここからどうなっていくんでしょうか。
そしてスレンが夢を見ることでフィーネがアリィと出会ったときの記憶を垣間見ることに。

そう、なんとフィーネはアリィではなかったのです!
以下、この時の私の心境。

いや、これはさすがに騙されるよね。アリィだと思うじゃん!!
まんまと引っかかりましたわ……w
その後はフィーネの復讐のためにスレンがクライヴを殺しに行くも失敗。
森に逃げ込んだスレンはアンリエッタと遭遇することで、自身の記憶を全て思い出す。
そこでアンリエッタに諸々の事情を告げ、彼女と共にフィーネを止めることに。
向かってきたフィーネを説得するスレンですが、フィーネの命令で強制的に配下となってしまうスレン。
スレンはアンリエッタに全てを託して、オレを倒してフィーネを止めろと宣言する。
ここにきて冒頭の決闘を彷彿とさせる対戦カード——

まーたオタクが大好きなことをしてますね?(いいぞもっとやれ)
そしてここで明かされる驚愕の真実、フィーネはなんとフィーネではなく、
10年前の事件を境に彼女と入れ替わったアリィだったのです!!

まさかの二段構えでした!
こちらの感情を揺さぶろうというライターさんの意思を感じますよ、誠に素晴らしい!
にしてもアンリエッタが全てを知る存在だったとは……w
冒頭の決闘シーンではかませ犬にしか映らなかったのに、大躍進ですね。これだからノベルゲームは止められない。
そしてフィーネに勝利したアンリエッタとスレンだったが、フィーネを蝕む呪いの存在を知ってしまう。
呪いのせいで昏睡状態に陥ってしまったフィーネを助けるために、スレンが彼女の心の中へダイブすることに。
心の中で呪いに銃をぶっ放してアリィを救出するのは良かったですが、その後がイマイチでしたね。

フィーネには生きて欲しいんだ
お父さんに殺してほしいの



自分はもう死んでる。過去に囚われずに生きて幸せになれ
じゃあお父さんが私を幸せにしてよ!



わかった。オレがお前を幸せにする
まあこういう感じの流れでしたが、スレンがアリィの願いを受け入れる形に落ち着いたのが微妙です。
結局アリィが逃げてるだけって感じなんですよねー。
生き残ってしまったことが罪だと感じるのであれば、それとしっかり向き合う必要があるのではないでしょうか?
「祈ることは自分と向き合うこと」ってアリィは言っていたじゃないですか。
一人だけ生き残ってしまったのは確かに辛いことかもしれないけれど、死んでいった家族たちは生きたくても生きれなかったんですよ。
死んでいった家族たちの分まで生きていく。
それが亡き家族たちにできる唯一の手向けと言えるのではないでしょうか。


自分だけ生きることで自責の念に苛まれてしまうのであれば、大司教への復讐もやったっていいじゃない。
というか少なくとも対話はするべきだと思いますよ。大司教の真意は探る必要があると思うので。
……まあ、このシーンに関してはこれぐらいにしておきましょうか。
この先で大司教関連は何かありそうですし、アリィもどこかでブライド化して話が大きく動くかもしれないので。
いやータイトル画面にブライド化したクロエとフィーネを載せるのはどうなんでしょうね。
メインビジュアルとしては確かに華やかで良いと思いますが、シナリオを読ませるにあたっては先が予想できてしまうので微妙な気もするんですよねー。
クロエ√のケルヌンノス戦のときに「多分ここでブライド化かな……?」とか思ってしまいましたしw
まあともあれ、フィーネ√続き見ていきましょう。
フィーネに取り憑いていた呪いがスプリガンではないかと推測した二人は、
オンベルトと共に妖精郷に赴き、根源の調査に乗り出すわけですが……。
オンベルトを止めてミラ出てきてフィーネが花嫁化してミラの意識を乗っ取っていた真の黒幕が出てきて……って感じで、かなり怒涛の展開でしたね。
フィーネの花嫁化までは想定通りって感じでしたが、妖精王の花嫁まで出てくるとは思いませんでしたね。
しかもそいつが真の黒幕だったり、そもそも聖王が妖精王を弑逆して花嫁を奪い取ったという真相もなかなか驚きでした。
スレンとフィーネは逃げてしまいましたが、ここからどう逆転するんでしょうか。
多分ルシエラとかクライヴを連れてきて総力戦するんだとは思いますが……見物ですね。
にしても——


ナーダさん、えちえちですね!!(
クライヴやルシエラたちを説得して共にナーダを打ち倒すことになった一行。
ナーダは大司教を殺して命をいただくも、フィーネの魔法によって力を奪われてとどめをさされる……。
クライマックスは総力戦だったので盛り上がりましたが、なんか見ていてもいまいち滾るものがなかったですね。
なんか予定調和を見させられているというか、「まあそうなるよね」って感じのオチだったので消化試合感がありました。
それと、やっぱりフィーネ√だけにフィーネがいいところを持っていく戦闘なので、他のキャラが空気気味ですよね。リアとかほとんど何もしてない気がしましたし……w
でもケルヌンノス化して光からみんなを守ってくれるクロエは最高にカッコよかった。
この子マジで土壇場ですごい力を発揮してくれるので、普通に惚れてしまうんですよね。
おとーさんは君のことが大好きです。
クロエはナーダ戦の前にフィーネと向き合うんですけど、あのシーンもとても良かったんですよね。
おとーさんのことも命を懸けて守ってくれましたし。私の中では真のヒロインはクロエですよ……。


ラストシーンは根源を消滅させてみんなも消滅して綺麗に締めていましたけど、
なんかスッキリ終えた感じがしないんですよね。
個人的にはナーダをもっと苦しめてほしかったかなー。
ナーダが倒される瞬間が呆気ないのでカタルシスを感じられなかったです。
ミディールの人間を殺しまくってスレンの家族たちも殺してる真の仇なので、
もっと爽快な形でぶちのめしてくれた方がスッキリできて良かったと思います。
原初の花嫁が強いのはまあわかりますけど、それでも「みんなで力を合わせて完全勝利」っていう形にしてほしかったよね。
基本的にナーダが無双している感じなので、見ていて気分の良いものではなかったのが引っかかるところでした。
あとは帝国がミディールを占領しなかった理由もよくわからず。
帝国に関しては描写がなさすぎるので、単なる舞台装置にしかなっていなかったなと。
まあミディールという国とスレン周りがメインのお話なので、仕方ないっちゃ仕方ないですが。
帝国の人間を一人ヒロインにしておけば、もう少しあちら側にも深みを出せたかもしれませんね。
アンリエッタがお母さんになったのは、ミラの後を継いでいる感じで良きでしたけども。
そんな感じで最後の最後は盛り上がりきれず、予定調和な感じがありましたが、
前半のフィーネの正体に関して二段構えで騙してくるのが面白かったので、シナリオ評価はAランクとしています。
主人公“スレン・アイリーク”の感想


家族を殺した相手を殺すため、復讐に燃える本作の主人公。
スレンは孤児院の家族であるみんなを殺した「大司教、クライヴ、ルシエラ、オンベルト、リア」への復讐を遂げるため、
帝国からミディールへと舞い戻ってくるわけですが、スレンは家族を殺されてしまったショックから人格が二分されてしまっていました。
人当たりの良い青年であるスレンと、家族を殺した相手への復讐に燃えるアラド。
彼は二つの人格を使い分けてミディールへと潜入し、目的を達成しようとします。
序盤のクライヴとの戦いにおける怒涛の情報開示がかなり熱かったですね。
あそこからこのゲーム始まった感が凄かったです。
この主人公の独特な内面変化は、各√で結構違いがあったのも面白かったですね。
自らがアラドであることを思い出してスレンとしての自分が引っ込んだり、
復讐相手がいなくなったことで逆にアラドが存在を潜めてしまったり、
根源である妖精王の力に対抗するためにスレンの力を借りたり。
√によって大きく変化していたので、一つの見所になっていたと思います。
ちなみにこの「分かたれた自分」という存在はスレンだけでなく、クロエにもケルヌンノスが当てはまっていました。
なので、本作の裏テーマみたいなものなのかなーとかふと思ったんですが、リアやフィーネは当てはまらないんですよねー。
スレンとクロエは婚姻の魔法(マリアージュ)で結ばれているので、
自己が分裂する明確な理由というか、そういうのが何かあるのかもしれないですが……考察が得意ではないのでわかりません!w
総評
『旭光のマリアージュ』は復讐に燃えるスレンの行動の果てに、
数々の謎が明かされていくダークファンタジー作品でした。
選択肢はあるものの攻略順が実質固定で「リア→クロエ→フィーネ」の順にプレイしていくことになります。
なんだかんだ、本筋をまっすぐ描いた最初のリア√が一番熱くて夢中で読んでしまいましたね。
クロエ√やフィーネ√は残された謎に迫っていく内容であり、
「スレンが生き残った謎・クロエの過去・フィーネの正体」などを余すことなく描いていて、これも素晴らしかったですね。
ただ、良くも悪くも作りがお利口すぎる節があったので、
ある程度ノベルゲームをプレイしている方であれば、大方の展開が読めてしまう内容でもあったと思います。
「ここでヒロインは花嫁化するんだろう、ここでラスボスを倒すんだろう、こう締めるんだろう」
といった感じで全てが予想の範疇だったので、もっと捻った展開があっても良かったと思いました。
とはいえ、完成度の高い作品であることは間違いありません。
3本のストーリーで綺麗にまとめきった本作のシナリオは、ひとつの読み物として素晴らしいものであったと言えるでしょう。
家族たちの犠牲を、無かったことにさせないために。
懸命に前へ進み続ける人物たちの志、その輝きはまさに旭光の如しでした。


点数
| 旭光のマリアージュ | |
|---|---|
| シナリオ | 18 |
| キャラ | 17 |
| 音楽 | 18 |
| システム・演出 | 16 |
| 全体の完成度 | 19 |
| 合計 88点 (各項目は20点満点) | |


おまけ
マスターアップイラスト
【旭光のマリアージュ】
— ensemble@旭光のマリアージュ 好評発売中! (@will_ensemble) August 2, 2024
マスターアップ致しました!
発売日は8月30日(金)となります。
佑真さんからマスターアップイラストも頂きました。
一部店舗では予約を締め切っているところも出てきておりますので、お早めにご予約してくださいね!#旭マリ https://t.co/hmZCIzguag pic.twitter.com/Icr4k4vOah
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